どこまでも澄みきった声、そして、どこまでも哀しげな声、森田童子は真に稀有な声の持ち主のシンガーであった。 一時期、萩原朔太郎や中原中也らの詩にのめり込んでいたことがあったが、森田童子の歌を聴いていた時期と完全に一致する。 森田童子の歌を聴くと、若い頃の夢や挫折、不安や焦燥が蘇って来て、胸が苦しくなるほど切なくなることがある。 それでも、時折り、聴きたくなる声である。 ぼくたちの失敗/森田童子