2017年4月10日夜、中国吉林省四平市に到着しました。宿泊先のJIPIN HOTELで四平市の副市長さん、吉林省経済技術合作局の副巡視員さん、さらにメインの訪問先であるJ社の社長さんら7名と会食しました。
翌日、同じHOTELの会議室で四平市の関係者とJ社の社長さんらと正式な会見が行われました。
会見の議事は、四平市経済合作局の局長さんが進行役となりました。
通訳は、四平市の外事局のRさんが務めてくれました。
最初に、局長さんより四平市の現況と環境保護の取り組みについて説明がありました。
同市は、発展を続けており、治安もよいとのことでした。環境保護に積極的に取り組んでいる
姿勢を強調されていました。
次にJ社の社長さんからのお話がありました。あらかじめ準備しておいた文書が配られました。
同社は、石炭ボイラーなどを製造している熱工業製品が主力製品です。さらに、環境負荷を
増やさずに経済発展に貢献するという同社のコミットメントが開陳されました。
LLPからは小畑があらかじめ用意しておいた文書を逐次読み上げ、通訳していただきました。
以下の文書です。
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私は、日本国北海道札幌市から参りました、廃油ストーブひまわり有限責任事業組合の小畑龍夫と申します。
四平市経済技術合作局の*副局長、J社の*社長、そしてここにお集まりいただいた皆様にはこのような機会を提供していただき、心より感謝しております。
私は、廃油ストーブひまわりを、できるだけ多くの四平市の市民の皆様に使っていただけないか、との思いでここにおります。
廃油ストーブひまわりを使えば、使用済みのエンジンオイルや廃食油をリサイクルして燃料とすることができます。
しかも、燃やすときに煙が出ないので大気汚染の非常に少ない、環境にやさしい暖房ができます。
石炭の使用量を減らして暖房費を節約することもできます。
札幌では、市民から集めた廃食油をディーゼルエンジンやボイラーの燃料に使っています。
私は、四平市の市民の皆さんにもこの取り組みに関して、連帯してほしいです。
なぜなら、きれいな空気は、あらゆる国境を越えて共有されており、地球市民の大切な財産だからです。
そしてもちろん、集めた廃食油は、廃油ストーブひまわりできれいに燃やしてほしいです。
今回の訪問を通して私たちの技術が四平市の省エネと環境保全にお役立ていただけるよう、強く願っております。
なお、私たちが四平市を訪問できるのも、札幌で通訳を務めてくださったKさんをはじめ、北海道経済部のAさん、札幌市経済局のBさん、JETROのCさん、そのほか、本当に多くの皆様のご支援がありました。この場を借りて、心から感謝を表します。
ありがとうございます。
これをもって挨拶とさせていただきます。
(なお、あらためて、本日通訳をお勤めくださるRさんに感謝いたします。)
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会見を終えてから市内とJ社の見学と打ち合わせを行いました。通訳はRさんです。
四平市では住宅建設が盛んに進んでいました。
古いアパートを壊して新しくするのですが、解体時に発生する埃も大気汚染の原因になっているということです。
工期を短縮するのと、降水量が少なく、水不足のためと思われます。
市内の共同住宅は石炭ボイラーによるスチーム暖房ですが、市外の戸建て住宅では石炭ストーブを焚いているとのことでした。
廃油ストーブで置き換えたいところですが、例えば、自動車用のエンジンオイルなどはリサイクルしており、燃料としては確保できないそうです。
また、廃食油については四平市が管理していて、燃料として自由に使えないようでした。
さらに、大気汚染防止の観点から廃油を市内で燃やすことは禁止されているそうです。
そもそも廃油を燃焼すると黒煙が発生して大気汚染の原因となる、という潜入観念があり、それが当局による規制として文書化(おそらく)されてしまったのでしょう。
廃油ストーブひまわりで現地での燃焼実験を行い、無煙で燃焼することを見ていただければ、規制の一部緩和もしていただけるのではないか、と感じました。
J社はこれまで石炭ボイラーの製造・販売を行ってきましたが四平市の方針に沿って大気汚染の原因を取り除く事業への転換を図っているようでした。
四平市周辺の農地でも農業廃棄物の「野焼き」が一部行われており、大気汚染の原因となっているそうです。社長さんから、とうきびの収穫後の葉や茎を加工して食器を作る技術があれば導入したいとの話がありました。
該当する日本国内のメーカーのホームページを紹介しておきました。
残念ながら廃油ストーブをすぐ導入する機は熟していないということで意見の一致を見ましたが、今後も廃油ストーブに限らず、環境に優しい技術の紹介は続けることにしました。
打合せ終了後は、J社の社長さん所有のゲストハウスで四平市の料理と特注の白酒をいただきながら歓談し、翌朝四平市から次の訪問先の瀋陽市に向かいました。
(文責 小畑)