my amazing castle!!!

色々な感想など。

【読書】Story Seller【ネタバレ注意】

2021-03-12 19:08:13 | 読書


※道尾作品のネタバレがあります!

伊坂さん・道尾さん・本多さんの作品が最高!
長編を読んで「好きだー!」と思っている作家さんは、やっぱり短編でも面白いですね✨

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」は小説を読む楽しさを存分に味わわせてくれた作品。
言葉遣いの妙……他媒体では表せないカタルシス!
私の読み方が下手で見落とした伏線もあるかもしれないので、再読の価値あり。

本多孝好「ここじゃない場所」はヒロインが良いキャラしまくりでした。
少し居た堪れない描写や唐突感はありましたが……ちょっと(どころではなく)変人な主人公のキャラクターで、隅から隅まで文章を楽しめました。
あとサヤ可愛いよサヤ。

米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」は、『儚い羊たちの祝宴』で既読。
……が、こんなに印象的な話だったっけ!?
『儚い羊たちの祝宴』は似た雰囲気の作品が多かったので、埋もれてしまっていたのかもですね。
他の作家さんたちの作品に囲まれていると、凄く雰囲気が引き立って良いです。大正ゴシック的な。

近藤史恵「プロトンの中の孤独」は描写にもう少し力強さが欲しかったです。
近藤さんは、少女の透き通った描写はとても良いのですが。ロードレースの話には、もっと暑苦しいくらいの骨太さが欲しかったです。

そしてそして……今回一番のお気に入りは、道尾秀介「光の箱」!!!
切ないバッドエンドかと思いきや一転、幸福なハッピーエンドでした!
道尾さんのバッドエンドかと思いきやハッピーエンド、悲しい事件を経ての温かい結末の描き方は本当に素敵。
悲しみの後だからこそ輝く希望、道尾さんの描く希望は本当に温かい光に包まれています。
作中の童話の完成度も、作者が小学校→中学校と上がるにつれて表現力も上がっていて素晴らしい。

「読み応えは長篇並」の売り文句に偽りなしの作品集です!


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