コロナ以外でも不要不急の外出はせず、いつも自宅に引きこもって仕事をしている私は、その日たまたま、家の近くのポストに手紙を出しに行った帰り、この子たちと遭遇した。
手紙なんていつ出しても良かったのに
たまたまあの時間に、あそこを通ったことで出会ってしまった。これはもう運命かもしれない。
普段ほぼ交流のないご近所の奥さんが、珍しく声をかけてきて、玄関の前の塀の中で生まれたての猫がいると言う。
覗いてみると雑草の中に黒い塊が一つ、うずくまっている。
昨日まで三匹いて、多分一匹は母猫が連れて帰ったと思うけど、残り二匹が置き去りになっている。
自分んちはインコを飼っているし、猫に嫌な思い出があって触れないと言う。
でもこのまま放って置いたらそのまま死んでしまうかカラスの餌食にされてしまう。
母親は黒猫で、どこかの飼い猫かもしれない、この辺で黒猫を飼っている人を知りませんか?いえいえ、知らなかったらいいんです、すみません。
と言われても
ああそうですか、と放って帰ったら、この子たちは死んでしまうやーん!!!
...って、二匹?
もう一回よく見てみると、茂みの中からか細い声で、ミャーんという鳴き声が聞こえ、小さい塊が動いてきた。
草に絡まって動きにくそうに、でも必死に、私ここにいるよ、と自分の存在をアピールしている姿を見て、泣きそうになった。この子は生きようとしている!
旦那さんの携帯に電話してすぐに出てきてもらい、とりあえず保護しようと、ダンボール箱を取りに戻ってもらってる間に、
塀の隙間に入って二匹を雑草の中から引き上げた。
片手で二匹が持てるくらい小さい体が小刻みに震えている。
私も震えた。
なんか厄介ごと押し付けてしまってごめんなさい。と言いながら安堵の表情を浮かべるご近所さん。
勢いで連れて帰ってきちゃったけど
どうしよう。
ドキドキがとまらない。