世間の荒波

先日の休みに、彼とお出かけをしました。

その時、ＪＲ線に乗りました。

私は切符を買い、彼は通勤で使っているＳｕｉｃａ（スイカ）を使いました。

Ｓｕｉｃａを見て、またまた過去のこっ恥ずかしい出来事を思い出したのでした。

 

 

 

数年前、もうＳｕｉｃａが普及してから随分経ってからの事だったと思います。

Ｓｕｉｃａは既に、普通に使われるものとして、普通に存在していました。

もちろん私も知っていました。こういうものがある、と言うことだけは。

 

ある日、知人とＪＲ線に乗ったときの事です。

知人が 「これ、使いなよ！」 と言って、Ｓｕｉｃａを貸してくれました。

当時からＪＲを使うことがほとんど無かった私は、Ｓｕｉｃａを使うのも、実物を見るのさえ、その時が初めてだったのです。

「おー、これがＳｕｉｃａか  」　← 意味なくワクワクの母。　

 

知人が先に自動改札を通りました。この時知人が何を使って改札を通ったのか、Ｓｕｉｃａに舞い上がっている私は全く記憶にありません。

そして私の番。

ちょっとドキドキしながら、Ｓｕｉｃａを定期券を入れるところに・・・。

 

・・・・・。　入らない。

 

ん？　もう一度・・・。

 

やっぱり入らない 　「なんで  」　

 

そう、Ｓｕｉｃａは定期券より厚い。　銀行のカードなんかと同じ。

だから使うときは、タッチパネルに ピッ  でＯＫ。

ところが前後不覚に陥っている私は、カードの厚さの違いにも、タッチパネルの存在にも、全く気が付きませんでした。

後にはどんどん人が溜まるし、焦った私は 「なんで？なんで？！」 とひたすら力任せにグイグイ・・・。

そうこうしているうちに、やっとタッチパネルの存在に気づきました。

「あ、こっちだ   」 と思ったけど、さんざん無理やり入れようとしていたので、

今度はカードが抜けない 　

 

スカート姿で自動改札の本体部分を足で押しつつ、必死でＳｕｉｃａを引っ張る母。

 

やっとの事でＳｕｉｃａを引き抜き、タッチパネルにピッ で自動改札を通過。

その間ほんの数秒なんだろうけど頭の中は真っ白。

多分顔は真っ赤っかだった事でしょう。

後からの人の波は左右に別れ、白い視線が押し寄せていました。　

誰か教えてくれてもよさそうなもんだが、これが世間の荒波か・・・。

 

 

一緒にいた知人はというと。

巨人の星の明子姉ちゃんのように、ちょっと離れた柱の影から顔半分だけ覗かせていました。