一反百姓「じねん道」【百姓の100章】『農的ワークライフバランス』実践と研究日記@斎藤博嗣&裕子*4人家族(夫婦子供2)

2005年、東京から茨城県阿見町の農村へ夫婦で移住し新規就農。
こども百姓「じねん童」2人と家庭自給生活を自学自習中

じねん堂@朝日新聞「アスパラクラブ」by加藤登紀子「時間泥棒」

2007年04月04日 | T&T研究所・研究員(鴨川自然王国内@所長・加藤登紀子):斎藤博嗣

3月31日(土)「加藤登紀子」コンサートin土浦市民会館(茨城県)
の前に登紀子さんが我が家に遊びに来ました。
その時の様子が、
朝日新聞「アスパラクラブ」(朝日新聞の役立つ無料会員サービス)
http://aspara.asahi.com/  
加藤登紀子「時間泥棒」
<2007年04月04日>号
に載っています。
朝日新聞購読の方は、 朝日新聞「アスパラクラブ」
のホームページで閲覧出来るので見て下さい。
※我が家は新聞をとっていないので、実家の親の登録でみました(笑)

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「地球地足・手足加工」へ
価値観の方向転換



「じねん堂」の斎藤博嗣さんと裕子さんと


茨城県土浦市の市民会館で3月末にコンサートがあった日、私はこの近くで独特の農的生活を営んでいる斎藤博嗣さんと、裕子さんの若者夫婦を訪ねた。

 私の夫、藤本敏夫が死の直前に「青年帰農」という雑誌から受けたインタビューの記事を読んで、斎藤さんが鴨川自然王国へやって来たのが2003年2月。それからしばらくここのフューチャーズクラブのメンバーとして活動し、「自然農法わら一本の革命」で知られる福岡正信さんのお手伝いをしていた女性と出逢い、この茨城に住み着いた。

 一反百姓「じねん堂」というブランドを立ち上げ、地面を耕さない不耕起栽培を基本に無農薬、自給自足をもじった「地球地足」と、手を動かして考え自分の足で歩きながら思いをめぐらせるという意味の「手考足思」を信条に、オーガニックのお茶や、雑穀、「手足加工」した玄米粉や大麦粉や味噌などを売り出している。

 それぞれにつけられたレッテルのネーミングが彼の生命線!!

 お茶は「お茶ノ子彩々」、5種類の雑穀セットは「フィンセント・ファン・五ッ穂」(ゴッホ)と、「ポール・五ーギャン」(ゴーギャン)、味噌は田畑のピアニスト「ドレ味ファ噌ラシド」、最近の有機認証制度で決められたJASマークをもじってJAZZマークをつけ、ファンクラブを「THE EATLES-イートルズ」と名付けている。イートルズ、つまり食べる人々。

 もちろんビートルズから来ている。

 彼の言語的センスはなかなかでしょ?


ユニークなネーミングの雑穀&キクイモチップス


その住まい方も傑作だ。

 誰も住まなくなった大きな百姓家を月2万の家賃で借り受け、テーブルから家具、調度、鍋、やかん、ストーブなど、すべてもらいもの、ひろいものでそろえている。

 奥さんの裕子さんは、福岡先生と約2年間、電気も水道もガスもない山奥で自給自足の生活を経験したそうで、料理の腕前も相当なものだ。

 この日も糖尿病に効くというキクイモとその味噌漬け、庭で取れたキクラゲとハコベの酢の物や、菜花のおひたし、大根葉と油揚げの和え物、かまで炊いた雑穀の入った玄米ごはん、自家製のしいたけと豆腐、白菜を入れた自前の味噌汁をごちそうになった。


「じねん堂」でごちそうになった食事


この春はたんぽぽの葉のサラダが大ヒットだったそうで、結構よろこんで買ってくれる人もあったとか。

 彼らは塩も海から運んで来た海水を煮出して自分でつくっている。

 「1リットルの海水から25グラムの塩と60ccのにがりがとれるんですよ。これ絶対鴨川でもやった方がいいですよ」

 と主人の斎藤くん。

 ほんのり甘い塩はキラッと光ってとても美しかった。

 この辺りは、茨城で不耕地面積が2番目に多い地域だそうで、どこまでも続く田畑の多くは荒れている。

 このちょっぴり淋しい田舎で、彼らは出来る限りお金を使わない「地球地足・手足加工」を実践しようと希望に燃えている。

 「どんなに日本がひどい国になっても、僕たちは全然平気で生き残れる。その実力をもっともっとつけたい」と2人仲良く頑張っている。

 奥さんのお腹には10月誕生予定の赤ちゃんもいて、彼らは夢いっぱい。

 いやあ、本当に頭が下がるようなこの生活ぶりに心から拍手を送りたいな、と思う。

 21世紀、本当は面白い時代だよね。

 価値観を逆転させる方向転換はすでにはじまっている。



加藤登紀子


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