【万華鏡回廊】
「えっ? 宵闇の者だけの忘年会、ですか?」
「ああ。忘年会は毎年行っているが、今年は少し趣向を変えてみることにしたんだ」
大河アカリに呼び出された海老塚汐は、タイガハイタワービルのカフェレストランの個室で話を聞いて、不安そうに首を傾げる。
「でも…アーシェス達が怒りそう、です。『宵闇の者達だけでズルい!』と言って…」
「あっ、言い忘れていたが、業魂達は業魂達の忘年会を用意させている。だから大丈夫だ」
それならば不公平ではないので、汐はほっと胸を撫で下ろす。
「そうですか…。でもあの、何で宵闇の者と業魂を別々にして、忘年会を開くんですか?」
「ん? …そうだな。宵闇の者には宵闇の者の言いたいことが、業魂には業魂の言いたいことがそれぞれあるだろう。それを分かってやれるのはある意味、同類だけだと思うんだ。確かに宵闇の者と業魂の絆は強くて深い。――だが残念ながら、存在のあり方は違うだろう?」
アカリが苦笑しながら話す言葉を聞いて、汐は戸惑った表情を浮かべながらもその意味には気付いていた。
「まあ…確かにそう、ですね」
「でも深く考えることはない。宵闇の者と業魂は同居していることが多いからな。たまには離れて、どんちゃん騒ぎをするのも良かろうと思っただけだ」
「ふふっ…、そうですね。年に一度ぐらいはそういう日があっても良いかもしれませんね」
そこでようやく微笑んだ汐を見て、アカリは安心する。
「場所や料理などはウチの方で用意しよう。もちろん、タダで。中には未成年もいるだろうから、送迎もちゃんとする。なぁに、そんなに夜遅くまではやらないさ」
「それなら良いですね。それじゃあサークル会員達に声をかけておきますね」
「ああ。ウチの方でも社員やアルバイト達にも声をかける。楽しい忘年会にしような」
<解説>
こちらは宵闇の者編です。
忘年会のストーリーは昨年、【タイガ警備保障心霊対策課の宴会】で書きましたが、こちらは宵闇の者も業魂も参加できる内容でした。
なので今年はちょっと趣向を変えてみましたが…。
「えっ? 宵闇の者だけの忘年会、ですか?」
「ああ。忘年会は毎年行っているが、今年は少し趣向を変えてみることにしたんだ」
大河アカリに呼び出された海老塚汐は、タイガハイタワービルのカフェレストランの個室で話を聞いて、不安そうに首を傾げる。
「でも…アーシェス達が怒りそう、です。『宵闇の者達だけでズルい!』と言って…」
「あっ、言い忘れていたが、業魂達は業魂達の忘年会を用意させている。だから大丈夫だ」
それならば不公平ではないので、汐はほっと胸を撫で下ろす。
「そうですか…。でもあの、何で宵闇の者と業魂を別々にして、忘年会を開くんですか?」
「ん? …そうだな。宵闇の者には宵闇の者の言いたいことが、業魂には業魂の言いたいことがそれぞれあるだろう。それを分かってやれるのはある意味、同類だけだと思うんだ。確かに宵闇の者と業魂の絆は強くて深い。――だが残念ながら、存在のあり方は違うだろう?」
アカリが苦笑しながら話す言葉を聞いて、汐は戸惑った表情を浮かべながらもその意味には気付いていた。
「まあ…確かにそう、ですね」
「でも深く考えることはない。宵闇の者と業魂は同居していることが多いからな。たまには離れて、どんちゃん騒ぎをするのも良かろうと思っただけだ」
「ふふっ…、そうですね。年に一度ぐらいはそういう日があっても良いかもしれませんね」
そこでようやく微笑んだ汐を見て、アカリは安心する。
「場所や料理などはウチの方で用意しよう。もちろん、タダで。中には未成年もいるだろうから、送迎もちゃんとする。なぁに、そんなに夜遅くまではやらないさ」
「それなら良いですね。それじゃあサークル会員達に声をかけておきますね」
「ああ。ウチの方でも社員やアルバイト達にも声をかける。楽しい忘年会にしような」
<解説>
こちらは宵闇の者編です。
忘年会のストーリーは昨年、【タイガ警備保障心霊対策課の宴会】で書きましたが、こちらは宵闇の者も業魂も参加できる内容でした。
なので今年はちょっと趣向を変えてみましたが…。