育った環境に海はなかった。義務教育を終えて、街中の学校で漁師の子供がいた。夏、海で彼が潜ると何度も岸へサザエを投げた。私が潜ってみるが1個も獲れなかった。彼は学校に戻って寮で七輪使って、つぼ焼きをした。学校から海へは散歩の気分で近かった。ある時、砂浜に座って沖に向けてトランペットを吹く青年がいた。59年も昔の話である。ーーーーーーーーーーーーーーーー