産経ニュース
麻生太郎財務相兼金融担当相は4日、東京都内で開かれた全国銀行協会や信託協会で相次いで挨拶し、金融機関をはじめとする企業の姿勢を大いに批判した。新年早々に飛び出した“麻生節”の詳細は以下の通り。
「今一番の問題は、銀行が金を貸さなくて何を商売するんですかという話だ。皆さんのところに届いているかどうかは知りませんが、私どもは地元を歩いているとそういう声をよく聞くようになっている。少なくとも目利きがいなくなっているんじゃないか」
「われわれもいろんな言葉でしつこく言っているんですが、企業も稼ぎながら内部留保をためている。デフレの時代はモノの値段が下がるから、持っていればカネの値打ちがあがるんだけど、今は違うんだから。その金を設備投資に回すか、賃金を上げるか、何かしてもらわないと、そのまま内部留保が増えるだけ増える」
「なんのために、そして『税金は安くしてくれ』と言う。法人税を下げて、その税金をどこに使うんですか。また内部留保ですか。そういった話は金融の方もぜひパートナーとして、企業との間でコミュニケーションをさらに良くしてもらうということが大事なので、コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)だとか、スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)だとか、いろんな話をやらせていただいてます。これを単に口で言うだけでなく、実行に移していかなければならないと金融庁としても考えているというのが正直なところ。私どもとして、手数料だけで生きているのではなくて、リスクを取ってやるというところに銀行の目が向かないと、企業というのはなかなかうまくいかない」
「企業の収益は最高を記録しておりまして、その稼いだカネがどこに行っているか。通常ですと配当か賃金か、設備投資の3つに回るのが基本ですが、3年間で総額75兆円の内部留保がたまって、給与に回ったのが3兆円。これだけ設備が老朽化していて、金利がただ同然の時代にどうして進まないのか知りませんが設備投資が8兆円。残りはじーっと持っておられる。何のために。私どものとこに来られて『税金を下げてほしい』と言われる。下げてどうするんですか、また内部留保を増やすんですか」
「『おかしい』と思って新聞記者がどうしてたたかないのかね。おれは知りたいよ。(企業に)直接聞くと、『いやデフレが』と言い訳だけはちゃんと練習しておられる。僕にはそう見えるな。そこのところはもう1回考えてみないといけないのではないんじゃないですかね」
ただ単なる 「麻生節炸裂」と、一言で片付けてしまう言葉では無い。
アベノミクスの 成否に関わる重要な部分を、 端的に指摘している。
大企業の内部留保・銀行の貸し渋り。
当然の如く 市場に資金が円滑に循環しなければ・・どうなる?
デフレ脱却の芽を摘み取り、デフレに方ぶれする要素を、大企業&銀行が抱え込んで、日本経済の先行きは、見通せ無い状況下に 追い込まれる事は、想定の範囲内。
大企業優遇政策で いかに肥え太らせようとも、いったんデフレ風が吹き出せば、内部留保など、一気に吹き飛んでしまう。
世界経済が 先行き不透明な時期だからこそ、設備投資に力を注ぎ、世界を牽引出来うる企業体制に 万全の策を講じておく事が肝要。
経済を熟知した発言と見る・・
給与・物価下落(デフレーション)と大企業の内部留保の関係を極めて正しく理解し、危機感をおぼえていると見る。
目下の内需不回復は、日本銀行の量的金融緩和政策の生ぬるさ・・
それを端緒に 国内にカネが出回っていないために起きており、デフレに逆戻りしてしまいかねない状況下だと分析すべし。
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