宝泉寺 ブログ

鴟尾 について




鴟尾(しび)
 寺院建築の大きな特徴は、屋根です。屋根のデザインが、もっともインパクトを与えてくれます。
 新本堂には、鴟尾(しび)をのせました。どこかで見たことがあると感じた方も多いだろうと思いますが、奈良東大寺の大仏殿の屋根にも、鴟尾があります。
 この期限は中国にあるとされ、それが日本に伝播して、奈良時代や平安時代において、寺院や宮殿の屋根に用いられました。
 鴟尾とは何か、その漢字の通り、鴟という魚の尾ということです。鴟という魚を探してみましたが、なかなか見つかりません。それもそのはずで、空想上の魚です。
 ウィキペディアでは、屋根に使われるようになった理由をこう説明しています。 【「鴟尾」が屋根の最上部に設置されるのは火除けのまじないとして用いられた。 魚が水面から飛び上がり尾を水面上に出した姿を具象化したもので、屋根の上面が水面を表し、 水面下にあるもの(建物)は燃えないとの言い伝えから火除けとして用いられたと考えられている。】と。
 なるほど、魚の尻尾というのは、魚の身体が水面の中に入っている状態を模したもので、だから燃えないということになるわけです。
 現在、名古屋城の金シャチが屋根から降ろされて、名古屋市内で公開されると聞いています。あの鯱(シャチ)は、この鴟尾の流れを汲んでいると言われます。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」(2020年放送)では、「なんでお城の天守閣にしゃちほこがのっているのか」が取り上げられていました。その答えは「織田信長への尊敬(リスペクト)だから」というものでした。
 織田信長が、安土城(滋賀県近江八幡市)を建てたときに、しゃちほこを天守閣に初めて乗せたのです。
 鯱(シャチ)といっても、名古屋港水族館にいるシャチではありません。元々は、空想上の生き物である鯱(シャチ)で、口から海水を吐き、雨を降らす能力があるという伝説から火除けのために屋根に置かれたといわれます。
 安土城以後、城にはシャチがのることになったそうです。

 新本堂の鴟尾も、寺を護って欲しいです。
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