浩太がこの世に誕生する半世紀前、2007年頃から世界的な景気の大崩が始まった。
翌年、中国で始めてのオリンピックが開かれたが、クーデターオリンピックと世界的に非難された過去に汚点となる恥さらしのスポーツの祭典となる。
これを転機に中国の経済は転げ落ちていく。
日本もこの夏を過ぎて日増しに経済が破綻する。 大幅な円高とバブル後の最安値を更新する株価。 日本だけでなく世界的に株価は急落の意図を辿る。
世界的な経済の破綻を食い止める為、様々な手立てが行われるが即効性はあるものの長くは続かず、やればやるほど景気の後退は進むばかりである。
それでも日本の国民には、余り関心もなく然程危機感も感じとれずで遊んでいるパ~プゥ~が後を絶たない。まだまだバブルであった。
景気後退の船頭役のオイル相場もNYで50ドルまで下がり続けて、国内のガソスタの値段も下がり続けていたが大衆は暴落によって若返ると言う諺を知らない。 その後、底を固めたこの相場は息を吹き返し、見る見るうちに天井を突き抜けて、近未来では想像もつかない高値を推移している。
その頃には食糧危機も異常事態となり、難民は蔓延していた。当時のドラマで流行を見せたのが『アリとキリギリス』である。
視聴者は、その時代に大成功を収めた富裕層がほとんどで、笑いながら景気の後退の行く末を見ていた過去を懐かしそうにこのドラマで振り返っていた。
貧困層は、アメリカと同様戦地に赴いて家族を養う家庭がほとんどである。 世界的にパニック騒動も起こったが、日本も憲法9条を改正後核を持ち第三次世界大戦を促すニュースに備えていた。
それから数年後、救世主浩太がこの世に誕生する。
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