デジカメで撮る写真に関し、Jpeg 撮って出しから RAW 現像するようになって以来、色温度の調整には毎度悩まされてきました。
十数年ぶりに一眼レフを使うようになってからは、ますます「見たとおりの色が出ないなぁ~」と悩むハメに。
もう生産終了してしまった FUJIFILM S5pro は、チョット色に透明感が無いな~とは感じつつも、まぁまぁイイ感じに発色してくれました。今も気合い入れてポートレートを撮るときは、S5pro の出番です。
が、軽さ第一で選んだ NIKON D5000 のほうが、どうも…
ネットを見てると「ニコンは景色撮ると黄ばむ」という人がいますが、ウチでも全くその通りでした。
人を撮ってる分にはイイ感じなんですが、朝焼け~夕暮れの赤から青へのグラデーションや、真昼の風景撮りしたときの青空などがどーも…見たとおりの色が出てくれません。
Jpeg 撮って出しでは、その辺多少調整してあるようで、青空は一応地平線近くまで空色に発色しています。それでも、霞のむこうの遠景まで、やたらハッキリと色が付いていて、どーも不自然に感じるんですが…
DxO で RAW 現像してみると、地平線近くだけでなく、霞が強い日の空色も色が抜けてしまい、ほとんど白に近いような発色になってしまいました。
ニコン純正のNX2を使えば、カメラ内現像である Jpeg撮って出しと同じ色で現像できるんですが…トーンカーブの動かし方がしっくり来るのと、Tamron や Sigma のレンズにも収差補正を適用したいのとで、現像には DxO を使っているのです。
結局、D5000 を使うときは
- グレーカードで計った色温度を、マイナス側へひと目盛り
- 色調をシアン側へひと目盛り
という設定をデフォルトに登録し、使用していました。
こうすると、純正レンズでは青みが微妙に強くて、水彩画のような色合い(そういえば、初代 GR Digital が同じ色合いな気がする…)になりますが、まぁ青空は映えます。
ポトレと風景を両方撮るつもりの時に持ち出す Tamron SP AF28-75mm F/2.8 XR DI LD Aspherical [IF] MACRO は、色がコッテリと出るレンズなので、ちょうどいい感じになります。
が、しかし。
そもそも、使ってるモニタによって、色合いって全然違うよなぁ。。。と。
たとえば ThinkPad の液晶モニタでは、やたら青緑っぽく、赤が褪せて見えます。
たとえば EIZO の S2411W では、色温度低めに少し茶色っぽく見えます。
たとえば Panasonic の液晶TV VIERA では、全ての色がまるで原色のようにド派手に表示されます。
ということは…モニタを見ながら色調整しても、その調整結果は同じモニタ個体にしか通用しない!orz
これでは、調整をやってるつもりで、逆に狂わせていてもおかしくありません。
そんなわけで、レンズを色々集めて色合いがどうこう議論する前に、まずモニタをきちんとキャリブレートしてみよう、と。
簡単なキャリブレートなら、赤と緑と青の各色のγを目視で調整するチェッカーソフトで出来ます。
が、これらのチェッカーソフトで調整した結果は、どーもイマイチ「これが正しい設定だ!」と自信をもって言えません。三原色を調整したつもりでも、中間色がオリジナルとは似ても似つかぬ色で表示されたり…なんてことは日常茶飯事です。
そこで、こちらで紹介されていた i1 Display2 を使ってみることにしました。
使い方は…
まずモニタ表面をキレイにします。
次にアプリケーションの最新版をインストールします。
インストールが終わった後で、USBコネクタに i1 Display2 センサを繋ぎます。
あとはこちらを参考にしつつ、アプリケーションのガイドに従って設定を完了させるだけ。
自動で各色の調整が完了するまで待つと、モニタのプロファイル(*.icc ファイル)が生成されます。
これをデフォルトのプロファイルとして設定するだけ。
とっても簡単です。
結果、私が使っている液晶モニタ EIZO 2411W の色再現性は大幅に改善され…
D5000 で撮った RAW を DxO で現像する場合、ホワイトバランス auto で撮ったものを、そのまま DxO では弄らず現像すれば、きちんと見たマンマの色が出る、ってことが分かりました。(^^;;;
今までオイラが悪戦苦闘してやってきた『色温度調整』は…逆にバランスを悪化させているだけだったのね。
_ノ乙(、ン、)_
なんともショック大な結果でしたが、写真弄りが趣味な皆様、カメラを買い換えたりレンズを買い換えたりする前に、まずモニタのキャリブレーションをとことん詰めてみてくださいまし。。。