自力で用を足しにいく。
そしてトイレはいつもピカピカにしなさい
と、口酸っぱく言う
トイレットペーパーやパット、紙パンツの
在庫が薄くなると
この世の終わりの如く懇願してくる
これがキリギリスの末路なのか…
自分のメンテナンスを疎かにし、
外へ出かけることばかりを優先してきた
こんな風に老いるとは想像も
してなかっただろう
赤錆たトタン屋根を雨音がはげしく
打ち付ける。この屋根だって
海外旅行に一回いかなければ塗れたろうに
雨音のデクレッシェンドと交差して
虫が鳴き始める
あと少しで止むんだな…
春の雨では小鳥が
夏はひぐらし
秋はコオロギか
冬の雪のあとは無音である
こんな四季の移ろいを
感じられる家だったのを思い出した
その景色のなかには
留守番している私と弟の姿しか
思い出せない
今や3歳の子供が言い訳するような
はなしばかりである
続きはまた…
写真は朝霧高原