「この時間はやっぱこれでなくちゃあ!」
そんな時間が諸君にも或いはあるかもしれない。
だが、ミステリアスな時間が流れているのはお茶の間だけじゃない。
中野区はもみじ山文化センターZEROホールでも、そんな時間を堪能できる。
何故中央線沿線をウロチョロしているのかは語っても詮無いが、今回の事件は駅前から始まる。
もみじ山文化センターなる場所へ私は行った事は無かったが、別に心配するまでもない。
住所も知ってりゃ略地図もある。
何よりそれもンな人々に付いていけばいい。
よって私は明らかに不釣合いな花束を抱えたセーネンに付いて行って、無事現場に到着した。
「メガゾーン23・復活祭」である。
或いは諸君の中にもこのOVA黎明期の傑作を見た事がある者もいるかもしれない。
実に15年前の作品だ。
初めて見た時は、「スゲェ!!」、と思ったものだ。
TVアニメーションとは画質・動きともダンチだッたのだよ。
その後「ガル・フォース」を見て、私は着実に道を逸れていったよーな気がしないでもない。
とにかくほとんど歴史的作品と言っていいタイトルだけに、観客も古ダヌキばかり。
年齢層が高いから、必然的に濃度も高い。
私もちょっと一言よろしくしちゃったりしているので、時として自分がかなりマニアックに語れるレベルにあるンじゃないか? などと不遜な発想が頭をかすめたりするのだが、なンのなンの。
井の中のカエルというヤツだ。
遥かにハイレベルな、もう帰ってこれない位の高みに到達した人の只中で、私は静かに自分の思いあがりを反省しつつ、胸を撫で下ろしたりしてしまうのさ。
隣の席ではやけにデカい声で「月刊ニュータイプ」20世紀アニメ総決算別冊フロクを見ながら「あーッ、オレもう全部見てるよマジで!!」といちいちウンチクを並べてたりする。
紅白のチェックのポロシャツにスーツのスラックスと思しき紺のズボン、高校生でもあるまいに白のソックスに、「靴の流通センター」とかで特価¥980で売ってそうなメーカー不詳のスニーカー・・・、あと出た腹。
私も身なりに神経質とは言えないが、これは正しいか間違いかと問われれば、いただけないだろ。
そンな彼は友人と、
「オレもうメガゾーンは確実にフタケタ見てるね。もう体で覚えてるよ!」
異常な事を豪語する。
訳が判らないが、実は早々に悟る事となる。
斜め前でガサガサ新聞紙でも広げるような紙音に、目を向けると折り込みチラシをトートバッグから出して広げている女がいる。
何しとンのか、と思ったら、チラシを座席に丁寧に敷いているのだ。
そりゃあもう、自分の体が触れる部分は執拗にチラシを配置し、そこでようやく安心したのか席に着いた。
ZEROホールの名誉のために敢えて述べるが、建物も新しいが、劇場設備もかなり立派な作りだ。
シートも割りと広く作ってあり、ハンパな映画館など太刀打ちできまい。
もちろんシートがあからさまに汚れてたり破れてたりもしない。
それなのに、何事だオイ!?
格好がドレスでも着てれば神経質になるかもしれないが、私とドッコイのジャンパーとジーパンじゃねェか。
右も左も危ないヤツ等だ。
いかんッ、負けてるッ。
プログラムは、前半「メガゾーン23・パート1」上映、「2」・「3」の予告編上映、後半ゲスト・トークとなる。
ビクター・エンタテインメントの某さンが司会しつつ、会はスタート。
久々に見るパート1は、何とも古めかしさ自体は否めないものの、当時の流行りが偲ばれて何とも懐かしい。
「こンな動き」、「こンな影のつけ方」が流行ってたなァ、ッてなところ。
ストーリーそのものはそれなりに尻切れトンボで、よくこンなのが通用したなあ、ッつーかよくこれで熱狂してたな私。
とにかく、画面を見ながらシミジミしていた私は妙な気配に、隣へ視線を走らせた。
ピョコピョコ何動いてンだこいつ?
トイレか?
全然違った。
答えは画面の中。
いきなり隣の男が伏せるッ。
スクリーンでは主人公矢作省吾が可変バイク・ガーランドをカッ飛ばしている。
男が腕を振り上げ身を起こす。
スクリーンではガーランドがモード・チェンジ、ロボット形態になる!
男が耳に手を当て、更にのけぞるッ。
スクリーンではガーランドの攻撃にあせった兵士が無線で支援を要請しているところを車ごと弾き飛ばされる!
いちいち画面を再生しているのだ!
ロボットだけじゃない。
謎のアイドル、時祭イブのステージ・シーンでは彼女の振り付けを追い、ヒロイン由唯のダンス・レッスンのシーンでも身をよじり、足をジタバタ持ち上げる。
こ、これが「体で覚える」ッて奴か、キミィ!?
スクリーンと関係無く爆笑寸前の私。
「メガゾーン23」はベッド・シーンを大胆に取り入れた事でも当時話題になった。
ま、まさか・・・。
だーーーッはッはッはッ!?
よせ、これ以上私に笑いを提供しないでくれ。
アニメーションのベッド・シーンは、なンとなく御分かり頂けると思うが画面上は男女均等に描かれず、ヒロインの艶ッぽい姿が当然メインになる。
だから。
だから、悶えるなッ。
頭を振るなッ。
小指を甘噛みするなッ。
しがみつくなのけぞるな!!
スクリーンどころの騒ぎじゃない。
手製の爆弾と散弾銃を持っていたら、警告無しで発砲するところだった。
レベルどうこうより人種国籍が違うような気すらする。
個人的に大騒ぎな第1部が終わって第2部。
川村万梨阿・矢尾一樹・板野一郎監督がステージへ。
当時の思い出を、と司会者に振られて監督言いたい放題。
その時誰にお世話になって誰に迷惑かけて誰のせいでヒドイ目に遭ったか、全部実名で言うもンだから、司会者大慌て。
それを止めない声優さン2人。
トークの後、生アフレコ、カルトクイズ大会と続き、合間に尚もしゃべろうとする監督と、それを阻む司会者の戦いがイベントに花を添える。
予定30分オーバーの22時にようやく終了。
「大至急退場して下さい!!」などと案内されたのは初めてだ。
世にも不思議なアメージング・ワールドは、世の中まだまだ転がってるぞ。
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