いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

アサヒナカワトンボ(伊豆個体群)

2019年04月15日 | 昆虫類
今年はアサヒナカワトンボの初認が3月20日だった。それから半月ほどが経過したが、オスは無色翅型しか確認できずにいた。しかし、昨日ようやく橙色翅型のオス(3頭)に会うことができた。


アサヒナカワトンボ 橙色翅型♂
この個体は未成熟で、縁紋は白く、翅の橙色は薄く、複眼には白濁が見られる。
翅上縁部の白にどのような変化が起こるのかは興味深いところ。


アサヒナカワトンボ 橙色翅型♂
こちらは成熟が進んだ個体。最初の個体よりも翅の橙色が濃く、縁紋が赤味を帯びている。複眼も全体的に黒い。



捕食中のアサヒナカワトンボ
こちらは無色翅型のオス。漸く縁紋が赤味を帯びたオスを見かけるようになった。昨年と比べると、ここでのアサヒナカワトンボの成熟具合は全体的に遅れているように感じる。


アサヒナカワトンボ ♀, 捕食中
交尾のためなのか、オスがメスに飛びかかるような場面があった。しかし、メスに逃げられていた。


ということで、アサヒナカワトンボの橙色翅型♂を今年初確認した。昨年の初認時に無色翅型♂と橙色翅型♂を共に確認しているので、無色翅型♂に比べて橙色翅型♂は遅れて発生する傾向がある、というわけではないと思う。

また、無色翅型♂と橙色翅型♂の個体数の割合に関してだが、無色翅型♂の方が6:4ぐらいの割合で多い、といったイメージが柿田川周辺での観察を通して個人的にはある。これについては、「トンボ調査結果 | 柿田川みどりのトラスト」という資料がある。この調査結果によると、2018年は私のイメージに近い調査結果となっている。しかし、それ以前の調査結果では、橙色翅型の方が多いというだけでなく、大きく上回っている年が目立つ。これは自分にとって意外で、非常におもしろいデータだった。外側から見ているだけでは限界があり、中に入って長期に渡って調べないと事実には近づけないのだなと感じた。それと、この調査結果ではアサヒナカワトンボの合計数に橙色翅型♂の数は意図的に含まれていない。その理由もまた興味深い。ともあれ、今後の調査結果も楽しみである(アオハダトンボの減少はかなり心配)。

さいごに。
今年はトンボの初認が早かったものの、天候が安定せず、個体数がなかなか増えていかなかったため、ここまで今ひとつトンボシーズン開幕について盛り上がれなかった。数日前からアサヒナカワトンボの個体数が増え、安定して観察できるようになり、漸く開幕したな、という気分になってきたところだ。





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