「和歌山城さんはお風呂に行こっかな。おっと、覗きには大砲ぶっ放しちゃうよ?」
徳川御三家である紀州藩・紀州徳川家の居城である和歌山城。おちゃらけた性格だが実は自信家である。大砲が大好きで、戦のために大砲を撃っているのか、大砲を撃つために戦をしているのか分からない。
かつて「若山」と呼ばれた地の虎伏山山頂に、天下人・豊臣秀吉の実弟・秀長が、藤堂高虎らに命じ、1年で作らせた城。この際に地名を「和歌山」と改めた。その後、入城した浅野幸長や、続いて入城した徳川頼宜によって大改築が行われ、現在の姿がほぼ完成した。江戸時代後期には、西洋列強からの侵略に備えるため、和歌山城周辺には40余りの砲台が作られ、〝南海の鎮〟と称された。
