「卯の刻、朝六ツ半。おはよう。早起きとは感心だね。キミも裏切りが怖くてよく眠れなかったのかな?
ボクは岡山城。烏城と呼ばれたり、金烏城と呼ばれたりしているみたいだ。知ってるかい?世界は裏切りに満ちている。だからキミだけはボクを裏切らないでくれ。
ボクのことをそんなに知りたいのかい?裏切らないのなら……ほんとうに絶対に裏切らないのなら教えてあげてもいいかな。」
宇喜多秀家が安土城をならって築き、三層六階の大天守の下見板に黒漆が塗られた姿から「烏城」と呼ばれた岡山城。歴代の城主が裏切られたり、裏切ったことのある者であることから、裏切りに敏感になってしまったチョット陰気な城姫。