雨水を野菜・花の水遣り,洗車,非常時のトイレ水洗などに利用する為、貯水タンク
を設け樋から雨水を取り込んだしくみの数々の特徴や制作上の注意点を紹介します。
◆タンクは1万円以下の500リットルで、色は藻が生えにくい黒を購入する事とし
家の北側日陰に設置しました。BOX等を活用するより割安ではないかと思われます。
総費用40円/リットルで、タンク1台増設時はさらに25%費用削減できそうです。
◆取水は満水時に排水を兼ね備えた集水器を購入し、竪樋を15センチ程カットし割
り込ませました。その位置決めは、空のタンクの高さより10センチ程低い位置に集
水器の給水・排水の分流位置が来る所を基準としました。貯水によりタンクは膨らみ、
その高さは満水で数センチ程度下がるのでタンクから水が溢れない為の措置です。
集水器にはフィルターが入っており脱着により清掃ができ、タンク内の汚れも軽減さ
れそうです。
◆集水器からのホースは洗濯機の排水用で透明系の物を使い、給水のみならず貯水量
が見える働きも持たせ、浮きを入れて見え易くしています。給水中、そのホース内の
空気ぬけができないとタンクが満水になる前でも、集水器の排水側に雨水が全て迂回
するので接続部のバンドの締付けやフィルターの目詰まりに気をつけます。
◆タンク下部にある口元は給排水兼用と位置付け、そこから給排水の経路分岐をパイ
プやホースにて作りこみ、タンク隣の狭いスペース15×80センチ内に置きました。
特に水漏れに注意し、タンクと配管を脱着するユニオン継手はパッキン付きで良いが、
ネジ込み部品はシールテープを巻き、ソケット式の部品は接着材を塗り接続しました。
◆貯水を利用するノズルは、散水用とタンク増設または非常用の2つに分岐させ双方
ともホースは透明系で集水器の高さで保持し使用時に下ろす方式としました。目的の
場所へは別ホースをコネクタで連結して使います。バルブやコックは故障時の取替コ
ストを考慮し見送ったが、将来組み込みも可能なようにユニオン継手を配置しました。
◆これらの給排水の構造は、サイフォンの原理からすれば成り立つ物と考えられます。
従って、タンクは余分に穴明けをしなくて済み、時期にもよりますが運搬などの用途
へも切替えられます。また、清掃時以外は上蓋を開けない運用の為、そこからの給水
排水に比べて塵・埃の流入が避けられ、比較的きれいな水が得られていると思います。