お客様から建具を新調したいと依頼がありましたので紹介します。
・窓付きフラッシュ襖 → 角丸源氏襖(材:吉野杉赤、襖紙・障子紙:斐伊川和紙)
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引手は当社オリジナルです。
上桟・下桟は鎌枘加工を施し、腰肩にしボウズ面が取ってあります。
ここで貼り物の紹介です。
まず、襖の骨に胴貼りをします。よく乾かしてから、釘締めをします。
本来なら、胴貼りに下貼りをして、上貼りの襖紙を貼りますが、今回は斐伊川和紙を
貼ることになりましたので、下地にもう少し手間をかけます。
写真は、胴貼りの上からハトロンを貼ったものです。 こうすることで、襖自体がしっかりしてきます。
ハトロンがよく乾いてから、下貼りの下貼り(捨て貼り)をします。
乾かすとこんな感じになります。 さらにこの上に下貼りをしていきます。
捨て貼りの重なりと同じところで重ならないように
ずらして貼っていきます。
下貼りの完成です。 写真では分かりにくいですが、重なったところが、どうしても
厚くなってしまうので、くい裂きにしてあります。
こうすることで、襖紙を貼った時に 下貼りの重なったところが
表に出にくくなるのです。
いよいよ、斐伊川和紙を貼っていきます。 水で紙を伸ばして貼ります。急激に乾かすと
紙の縮みが早く、周りの糊が乾くまでに引っ張ってしまうので、ゆっくり乾かしていきます。
貼り物 完成です
下地を何層にも貼ることで、襖もしっかりしますし、仕上がりも綺麗です。
この後に、中に入れる障子に斐伊川和紙を貼って、枠と縁と引手をつけて完成です。
お客様も大変喜んでくださいました。ありがとうございました。
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井上建具工房
井上顕義
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