街に降る雨は本降り
少しくらい大きな傘では濡れてしまう
冷たい雨 とても冷たい雨
立ち尽くす
僕らはしばらく立ち尽くす
行き交う人は知らんふり
皆、自分自身で精一杯
誰もが自分自身で精一杯
傘など不要だと 君は無茶振り
春を告げる雨ならば
濡れてでも歩いて行けたのだろう
きっと、きっと、、、
戸惑いながら
僕はただ一つ傘を
破れているその傘を差し出す
この雨は避けられない
この冷たい雨は避けられないんだ
だけど歩いていくというのなら
少しは濡れないように
少しでも濡れないように
僕はそう願い
破れた傘を差し出したんだ
歩いて行こう
やがてその傘を手放せる
いつか そんな時が来ればいい
いつか そんな日を迎えられたなら
それでいい
それでいいんだ
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