昼は忙く動き回っていた鋼鉄のキリン 陽が暮れる頃にはその動きを止め いまはただ輝く月の下に佇む 知ってるかい? あんなに綺麗に輝いている月だけど ただの石の塊なんだぜ ……そんな下世話な声に耳を傾けることなく 鋼鉄のキリンはただ美しく輝く月の下に佇み そして見上げては 月と会話をはじめた その会話は 誰にも聞こえず 誰も気付くも者もおらず 喧騒の都会の上空で 静かに続いき やがて鋼鉄のキリンは 月に恋をした