こんなにも風の強い日に
眼前の運河はいつもと変わらず穏やかにキラキラと輝く
喧噪の街のあちらこちらから
むやみに捨てられたゴミくずの数々が
その強風に煽られて 舞い上がっては遠くへと飛んでいく
ほら 街角に置き去りにされた誰かの夢の欠片(かけら)も
いまキラキラと輝きながら はるか遠くへと飛び去って逝くよ
そしてそれらを見送った僕はしばらくしてから
衝動的に隠し持っていたハリボテの翼を広げてみた
あのゴミくずや夢の欠片のように舞い上がり
「どこか遠くへと飛んでいけるかもしれない」と
きっとキラキラと輝く海を見下ろしたなら
キミの居るところまで行こうとするだろう
でも 行けないかもしれない
いや 行かないのかもしれない
そもそも 飛んでいくことなど出来ない
こんなにも風の強い日には
穏やかな水面がざわつきはじめ
やがて何かが波のように繰り返し打ち寄せてくるから
僕は空を見上げてしまうんだ
遠くの空を見つめてしまうんだ
こんなにも風の強い日には
そうしてしまうんだ
::::TAKA ONE'S STATION NOZOMI::::
~blog 断崖に咲く向日葵のように~