三年と半年前に二箇月ほどいっしょだったそのかたが三階の詰所のとなりにいると聞いて僕はいても立ってもたまらず会いに行った。
名を呼んであいさつをしてやせたねー と入って行ったらやっぱり友達が言っていたとおり僕のことだれだかわかんないようだった。
しきりにわからなくてごめんなさい、と侘びる彼女の小さな手を握りしめ僕はゆかにすわって彼女を見上げ
元気だらいんだよ来週またくるから、と繰り返し云ったんだ。 ゆっくりと彼女の心に届くように。
だれがこんなにしたんだ。 まるで別人じゃないか。 あんなに明るかった彼女の笑顔を奪ったがんがにくい。 ことし僕の友達を三人も連れて行ってしまった。
願わくは彼女のあたたかな記憶がよみがえりますように。 不可能を可能にしたい。 だれにだめといわれてももっと長くいっしょに生きていたい。