
中島京子さんの「小さいおうち」が直木賞をとりました。おめでとうございます

ブログのこの本の紹介のところでも、書いたのですが、だいぶ前から中島さんの本はいいと思っていたので、なんだかとても嬉しいです。この方は題材の選び方が多彩で、その扱い方も巧みだと思うので、また面白いお話を書いてほしいなと期待しています

「小さいおうち」について、戦前・戦中の中流家庭の様子を今書いておかなくてはと思ったというインタビューの受け答えがあって、年齢を見たら、46歳ということだったので妙に納得しました。
私とだいたい同じ世代に属していて、私たちの世代が戦中・戦後の中流家庭の様子を(祖父母や親戚から)伝え聞いた最後の世代なんだなと思います。紹介ブログでも書いたけれど、こういう昔ながらのお手伝いさんを知っているのも、私たちが最後の年代なのでしょう

こういう、あまりに当然のようにあった仕事や役割や生活が、普通だったがゆえに、消える時にもあっというまに忘れ去られてしまうということは、けっこう多いと思います。30代よりも若い人には、この本にあるような生活は、なんだか違う世界のように感じることでしょう。この話にちょっとでも地続き感を持って読めるのは、少なくとも40代以上の人だと思います。
だからこそ、中島さんはこの本の中で、この時代のこの家庭、この人達を書きたかったんだなと妙に納得しました

芥川賞は赤染(あかぞめ)晶子さん(35)の「乙女の密告」でした。
こちらは読んでいないのですが、解説を読んだらこちらも面白そうでしたよ
