青空の傘の話。

ちゃんと傘を持つようになったのは、

社会人になってからでした。

学生の頃はビニール傘を持つのが流行りで、

100均のいろんな色のビニ傘ばかりを持ってたものです。

社会人になって、そろそろビニ傘もなぁ…

と、当時日本に進出しだしたAmazonを使って、

外側は黒いけど、内側が青い空の傘を購入。

開くと、青空が広がったみたいに見えて、

ほんとに気に入って、大切に大切にして、

骨がゆがんだときは、修理屋さんを探して、

わざわざ郵送して直してもらいました。

結婚して、1号妊娠中の帰り道、突然のスコールに見舞われ、

なかなかやまず、普段なら走って帰るけど、

さすがにまずいと思い、水玉の女子っぽい傘を買いました。

なんだか浮気した気分。

でもその傘はほとんど使いませんでした。

1号が生まれて、引っ越して、仕事を辞めて、

夫は転職し、自転車通勤から電車通勤に。

ある朝、ビニール傘と折りたたみ傘しか持っていなかった夫が、

自分のがどれかわかんないから、普通の傘がいい

と急に言いだして、しかたないので、青い空の傘を貸しました。

それ以来すっかり夫専用になってしまいました。

ふと気づくと、家にまったく持って帰ってこなくなったのです。

あの傘どうしたの？と聞くと、

え？会社に置きっぱなしかなあ。と無責任な話。

翌日会社を探したけれど、見つかりませんでした。

なんてこと！

ほんとにほんとに悲しくて、

ものすごく怒って、夫も謝ってくれて、

かわりに同じような傘を買ってくれたけど、

違うのですよね…。中が印刷ではなく、

二重になっていて、青空が広がった感じに

まったくならない。

ほんとにくやしい。

でもどこでなくしたかさえ覚えていないし、

もうどうにもならない…

がっかりしたまま、あれから何年経ったでしょう。

水玉の傘も年季が入り、スイッチ部分が割れ、

開くたびに指が痛いし、ちょっと穴も。

新しい傘を探さなきゃ。

と思っていたところ、100均で550円だけど、

かわいい傘を見つけました。

いいじゃない？

これから来る梅雨に向けて、ひとまずはこれにしよう。

スヌーピーのビニール傘。

最近はビニ傘も色ではなく、柄なのね。

ビニ傘に戻るという笑

あの傘は今はどこにいるのかな。

もしかしたら捨てられてしまったかもしれないけど、

傘がなくて困っていた誰かのために、

雨をしのいであげていたらいいなあ。

梅雨が近くなると、そんなふうに思い出すのでした。