┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 『世紀末救世主伝説 北斗の拳』 ┃フジテレビ系列
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 19:00~19:30
‡1987(昭和62)年02月19日(木) 第107話「決戦場は北斗練気闘座!もう誰も奴らをとめられない!!」
第4部・・・最終章 第25話 本編25話+総集編2話=全27話構成
脚本・・・戸田博史
(絵コンテ)演出・・・石田昌久
作画監督・・・増田信博
美術・・・市谷正夫
OP・・・♪SILENT SURVIVOR♪ 第083話~第109話<第4部>
ED・・・・♪DRY YOUR TEARS♪ 第083話~第109話<第4部>
北斗2000年の歴史の中で最も神聖な修行の場、北斗練気闘座で向かい合うケンシロウとラオウ。哀しみを背負った者のみが体得できる無想転生のケンシロウ。そして愛する者を涙してまで手にかけたラオウも無想転生を体得していた
「おまえはもう死んでいる!!」原作は少年ジャンプに連載されて人気を集めていた武論尊、原哲夫の同名漫画。シンに奪われた恋人ユリアを取り戻すために荒野に立ったケンシロウの登場から、北斗兄弟の長兄・ラオウとの決着までを描いた前期シリーズ『北斗の拳』。激戦から数年が経過し、動乱の世で再び現れたケンシロウと帝都の軍の戦い、さらにはケンシロウの生い立ちと北斗2000年の歴史が明かされる後期シリーズ『北斗の拳2』。北斗、南斗、元斗の男たちが入り乱れ、覇を争う世紀末…。宿命によって繰り広げられる戦いの果てに、時代は誰を最強の男として選ぶのか!?
(C)武論尊・原哲夫/NSP・東映アニメーション 1987,版権許諾証TH-116
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『北斗西斗』北斗練気当座。歴代の伝承者争いの決着の行われてきたこの神聖なる場所が、最後の闘いの舞台であった。北斗の掟を守るために。そしてラオウは天をつかむために。だが、今のラオウにとっての天とはケンシロウという強大な存在に他ならなかった。開戦を告げるラオウの剛拳は虚しく空を切った。北斗神拳究極奥技無想転生。実態を空に消し去るその哀しみの奥技の前には、どんな攻撃も無に等しかった。逆に攻撃を喰らい、崩れるラオウ。すかさずケンはそのラオウへと止めの一撃を放とうとする。しかし、ケンの拳もまた虚空を切った。捉えた筈のラオウの体は背後へと周り、そしてケンシロウの拳には攻撃を受けた痕が残されていた。無想転生。哀しみの果てに得るその究極奥技を、ラオウもまた会得していたのだ。ラオウに哀しみを与えたもの、それは背後にある巨大な像の上にあった。巨大な手に体を預けるかのように横たわっていたのは、安らかに眠るユリアの姿であった。二人の戦いを見届けるためにバイクで駆け付けたバットとリン。しかしそこで二人が見たものは戦いではなく、あまりにも哀しい現実であった。その目で確かめるがいい。そう言ってラオウは、放った闘気で像の腕を落とした。瓦礫と共に落下したユリアの体を抱きとめるケン。その愛した女の体に、もう脈はなかった。生まれて初めてラオウは女に手をかけた。しかしその血がラオウの体に哀しみを、無想転生を吹き込んだのであった。その頃、ラオウの城では一つの時代が終わりを告げていた。愛する者を涙してまでその手にかけたラオウ。それを見て戦いの無残さを知った拳王軍団達が、武器や防具を炎へとくべ始めていたのだ。彼らは凄惨な戦いより、肉親の愛を選んだのである。抱き合う兵士達と妻、子供達。それはまさに新時代の夜明けであった。その光景を崖の上から眺めていたリハク。彼の下に訪れた拳王軍団の団長達は、事実上の拳王軍解体による降伏をつげた。しかし、全ては遅すぎた。ユリアを守る宿命を持つ五車星のリハク。そして彼女から戦いの虚しさを教わった拳王軍たち。彼らの願いも虚しく、ユリアは果てた。しかし、彼女こそがこの新時代を切り開いた光だという事実は、彼らの心から永久に消えることはなかった。そしてもうひとつの時代を変える者達、ケンシロウとラオウ。二人の闘いを見届けんため、彼らもまた北斗練気闘座へと向かうのだった。互いに奥技を極めた者同士の凄まじい闘気がぶつかり合う。拳が触れるたび、凄まじい衝撃が周囲の地面を吹き飛ばす。だが究極奥技無想転生の応酬の前に、互いに致命の打撃を与えることはできないでいた。しかし、掌に凝縮された闘気が激突した瞬間、二人の体は鮮血に染まった。力、技、奥技。全てにおいて拮抗する二人の戦い。互いに無想転生を会得した今、もはや他の奥技は武器にはならない。その事を悟った二人は、この闘いを無防備な殴り合い、赤子のケンカへと転身させた。リンの瞳には、そんな二人の戦いに中に、互いの少年時代の頃の姿が重なって見えていた。その幼き日、二人が初めてユリアと出会った場所も、ここ北斗練気闘座であった。リハクに手を引かれ、リュウケンの下に連れてこられた少女。それは幼き頃のユリアであった。既に後の南斗の将となることをさだめられていたユリア。しかし、彼女はその感情をすべて母の胎内へと置き忘れてしまっていた。北斗と南斗は表裏一体。それが宿命ならば、北斗を訪れれば何か変化があるかもしれない。そう考え、リハクはここ北斗練気当座へとユリアを連れてきたのである。だがその時、彼らの会話を遮るように子供の声が響いた。それは、まだ少年の頃のラオウとケンシロウが闘う声であった。何故禁を破った。そう言ってラオウを叱るリュウケン。まだ道場に入ることすら許されていないケンシロウに拳法を教えることは、北斗の掟に反することだったのである。だがラオウは言った。才なき者はいずれ拳を奪われ追い出される。ならば今ケンを追い出すことこそがケンシロウのためだ、と。既にこの頃から、ラオウの最強への自負、そして野望は揺ぎ無いものになっていた。そして、後にもう一つの野望となる一人の少女との出会いがそこにあった。ラオウの視線が、ユリアの瞳を捉える。その瞬間、ユリアの中に何かが走った。ピクリとして、手に持っていたマリを落とすユリア。そのマリを拾い上げ、笑顔でユリアに差し出したのはケンシロウであった。優しいそのケンシロウに瞳が、またユリアの中に電流を走らせる。そして扉は開かれた。感情を無くして生まれてきた少女は、初めてその顔に笑顔を浮かべたのであった。その強い力でユリアをいざなったラオウ。方やその優しい力で心を開け放ったケンシロウ。後に北斗を背負うこの二人と、ユリアを結ぶ数奇な運命はこの時始まっていた。そしてこの一人の女を巡り、二つの北斗が点を二分してぶつかり合うこともまた宿命として動き出したのであった。互いの剛拳をその身に受け続けた二人の体は、もはや限界を迎えつつあった。終わりのときは近い。そう考えたラオウは、残る闘気を全て放出し、己の体に纏わせた。ラオウを覆う凄まじい闘気の塊。それは、己の間合いを意味する己の領域。しかし、ケンはその常識を覆す思いがけない行動に出た。リハクたちが駆けつけたとき、既に戦いはクライマックスを迎えていた。だがそこで行われていたのは眼を疑うかのような光景であった。つま先、膝、片足・・・。己の体を、少しずつラオウの闘気の中へと進入させていったのだ。ケンが見ていたのはラオウの闘気、その乱れであった。互いに拳を見切った今、正面から戦っても決着はつかない。ならばラオウの闘気を誘い、それを間合いとし、その闘気の乱れのスキをついた一瞬の無想の拳でしか勝負はつけられないと考えたのである。そんなケンの眼には、いつしか涙が流れていた。次の一撃が、二人にとって最後の別れとなることを、ケンシロウは悟っていたのだ。ケンの心には、未だラオウは、トキと同じく目指した偉大なる長兄として焼きついていたのであった。一撃での勝負。そのケンシロウの意思を察したラオウは、闘気の放出を止めた。すべてを最後の一撃に乗せるために。一瞬の沈黙。そして動き出す時間。まばゆいばかりに放出されたラオウの闘気が、爆風の如くケンシロウの体を叩く。ラオウの生涯をかけた全霊の拳。迎え撃つケンシロウの全ての想いを乗せた拳。永かった戦いに決着をつける二つの拳が、今放たれた。
[漫画版との違い]
・拳王軍団団長達がリハクに降伏を申し入れるシーン追加
・黒王に乗ってこなかったので、リンとバットはバイクにのって練気闘座へ。
・ユリアと初めてであったのを思い出すのが、服が破れる前から後に変更。
・幼女ユリアを北斗練気闘座へと連れてきたのが、痩せた老人からリハクに変更。
・互いの服が吹き飛ぶまでの、無想転生の応酬などの戦いのシーン追加
・ケンが闘気を見て闘うとバットに話すシーンは、黒王に一緒に乗ってきてないのでカット
◎PICK UP◎
・声 ⇒「ケンがユリアさんの心と一緒に~」の後の、「もうすぐくるわ・・・」とかの台詞が、ユリアの声になってます。が、これは普通に考えてリンの台詞だと思うのですが。それを察してか次話ではリンに変更。はっきりしてください。
・練が足りない ⇒ 前話で「俺たちは呼ばれてないんだ・・・」といって留まったバットとリン。なのに今回いきなりバイクで練気闘座へ参戦。でもって今回頑張って練気闘座へと赴いたリハク達なのに次話ではどこかようわからん村を視察。なんか前後のつながりがテキトーじゃありませんこと?
・愛は魂 ⇒ 最後の戦いのさなかにいきなり流れるこの曲。歌っているのはユリアの声の山本百合子さんですが、結構不評。個人的にはあの歌のおかげで本来なかった二人の闘いのシーンが書き足されたような気がしますし、結局戦いの理由の半分は女を巡ってのものなんだからあの女くさい歌が流れてもしかるべき場面であると思います。最近はカラオケの機種によってはこれ入ってるの結構増えてきてるので、歌いたい方はどうぞ。
************ http://www.hokuto-no-ken.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/B00M7IUXVY
https://www.uta-net.com/song/39521
https://www.uta-net.com/song/50000
http://hokutosite.com/sakuhin/gensaku/hokuto/107.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/北斗の拳_(テレビアニメ)#北斗の拳
****************************************
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 北斗語り 北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
VOL.01 武論尊
‡2013(平成25)年02月19日(火) 01:52
日本マンガ史にその名を刻む名作「北斗の拳」が2013年、連載開始「30周年」を迎える。この記念すべき年を意義あるものにすべく、原作の公式親善大使が豪華ゲストを迎えて対談。これまで語られてきた北斗、語られていない北斗。北斗に魅せられし者たちが届ける大型新連載、愛深きゆえに行われる。
──ガル憎(以下略)改めまして、今回はよろしくお願いします。
武論尊(以下略)はい。よろしく。
──この対談は北斗の拳の集大成的な意味合いもあるので、自分が知っていたり、先生が何度もお答えになっていることも聞かせていただきますが、どうかご了承ください。
はい。了解しました。
──まずは原作を担当することになった経緯からお願いします。
依頼が来てね。当初は現代劇…あれは少年院だったかな? そこから高校生のケンシロウが脱獄するみたいな設定になってて。現代版の仕置人のような感じだったんだよね。
──つまり、読み切り(※1)の流れを汲んだ感じですか?
【※1】北斗の拳(読切版)・・・主人公・霞拳四郎が北斗神拳で恋人の敵討ちをする現代劇。ケンシロウのモデルとなる主人公や「お前はもう死んでいる」の元になるセリフはこの時から存在。1983年に「フレッシュジャンプ」誌上で2作が描かれ、共に読者人気1位を獲得。同年に連載がスタートした。
読み切り版を見て、まずは北斗神拳の面白さがあった。あと「あんたもう死んでるよ」。あのフレーズがポンと頭の中に入ったんだな。
──先生の中でも、あのセリフがポイントになったわけですね。
この拳法とこのフレーズがあれば面白くなるんじゃないかなと。あの死に方ってタイムラグが使えるから。
──あ~。何秒後に死ぬとか、それを書く側で調整して使える…と。
ただ、現代劇じゃダメだろうなっていうのがあってね。俺が『ドーベルマン刑事(※2)』の原作をやった時、まさに仕置人のような感じでという提案があったんだよ。たしか、1~2話分は原作を書いたのかな? でも面白くなくてね、ぜんぜん。その時の原作者としての直感というか、そういうものがあったから、北斗も現代劇じゃ絶対にダメだと思った。
【※2】ドーベルマン刑事
1975年から1979年にかけて「週刊少年ジャンプ」誌上で連載された、平松伸二&武論尊コンビのヒット作。映画「ダーティハリー」をヒントに描かれた刑事モノだが、これは原作者である武論尊が連載開始直前に考案(変更)したストーリー設定である。
──そこで出会ったのが映画『マッドマックス2』というわけですね?
そう。マッドマックス2。無法の荒野というものが映像として目の前にあるわけでしょ? そこにケンシロウを置いてみたんだよね、イメージ的に。その瞬間に「これはイケるかもしれない!」って思ったんだ。
──まさに「力こそ正義」を地で行く暴力世界。大好きな映画です。
近代兵器が無い世界なら、間違いなく拳法というものが生きてくるし最大の武器になるだろうと?
──たしかに、あの場所にケンシロウがいればヒューマンガスなんて怖くないですね。銃は持ってるけど数発しか弾も無いんで(笑)。
あと、カンボジアのキリング・フィールド(※3)に行った時の体験も生かされてるよね。かつて大量虐殺が行われて、いまも頭蓋骨がゴロゴロ転がってるあの光景。そこで暴力の凄さや無残さみたいなものを見て北斗神拳が合うと思ったんだ。
【※3】キリング・フィールド・・・カンボジアのポル・ポト政権時代に大量虐殺が行われた場所の俗称。知識人や文化人、教師などは反革命者であるとして、それらの人々を次々と虐殺。現地には当時の痕跡が色濃く残されており、人類の「負の遺産」として世界中にメッセージを発し続けている。
──世界観ですよね。文明というものが崩壊した、暴力と恐怖の世界。
でも、これって第1話の話だから。そこでもう「第2話はどうしよう」ってなるわけよ。第1話はインパクトだけで押し切ったけど、そもそも、なんでコイツは旅をしてるんだと。
──ケンシロウがミスミの爺さんのお墓に「実るさ…」と言いながら種モミをくラストシーンのアイデアが出た時に「このマンガは本当にイケる!」と思った。北斗ファンもしくは僕の中では有名な話ですが。
あれは本当に〆切ギリギリでね、この話じゃダメ、これもダメとやってるんだけど、時間が無いから原先生は描き始めてるわけよ。そこで「実るさ…」というセリフが、ポンと出てきて「これだ!」と。完成を待ちわびてた堀江君(※4)がその原作を手に飛び出して行って、いままでの原作をぜんぶボツにして。あの時の原先生は本当に振り回されたんだ(笑)。
【※4】堀江信彦・・・北斗の拳の担当編集にして「週刊少年ジャンプ」の5代目編集長。物語の骨子となる北斗神拳のアイデアを考案した人物で、北斗の拳における第三の作者とも言われている。2006年から制作された真救世主伝説「北斗の拳」の脚本なども担当。
──その話、どこかで聞いたことがあります。原先生かも…(笑)。
俺も何回、第2話の原作を書いたか分からないよ。でもあのラストで物語の流れができたっていうか、展開が見えたんだよね。それで、今度は女を出そうと。つまり、ユリアね。あとは胸に七つの傷があるから、その理由を解き明かすことにした。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/01/1.html
──あれって、最初は特に意味が無かったんですか?
もう、完全なファッション。入れ墨やトレードマークみたいなもので。カッコイイから入れてくれって原作に書いてね。それを見ればケンシロウであることが分かるでしょ? 胸に七つの傷がある男と言えば、名前は出てこなくてもケンシロウなんだと。
──そこにシンという重要な人物が登場して、理由が解き明かされる。
ユリアを奪うためにシンがケンシロウの胸に傷をつける。あれを思いついた時「俺は天才か?」と思ったね。後付けのくせに完璧だぞって(笑)。
──どこかの天才と似たようなセリフですね。彼は贋作ですが(笑)。
でも、そういう瞬間が無いと話が進んでいかないからね。
──大人になってから、なぜシンは北斗七星の形に傷を付けたのかを考えたことがあったんです。ケンシロウが強くなることをシンは最初から感じていて、這い上がってこさせるために、あるいは北斗を背負っていく新たな伝承者のために、あえて北斗七星の形に傷をつけたんじゃないのかと。救世主の象徴として。
でも連載当時は小学生だから、シンは単純に悪い奴だと思っただろ?
──思いましたね。そういう意味で言えば、胸に七つの傷がある設定も僕が考えたシンの気持ちも、どちらも後付けということになります。
ははは。そうだな。でも、北斗は本当に後付けだらけなんだよ。言葉の響きとしては悪いけど、それは先を考えなかったんじゃなくて、考える余裕が無かったんだよ。週刊だから。
──読者としては「北斗の拳は1年は続けていいよ」とか言われてそうなイメージがあるけど違う。まるで高校野球みたいな感覚ですよね。
まさにそう。毎回が勝負で、なにひとつ手が抜けない。だから原先生が「この先はどうなるんですか?」って聞いてきても「俺も分かんないよ!」となるわけで。俺が考えないと話が進まないから、待つ立場の原先生は本当に苦労したと思うよ。でも逆に、先を見据えて伏線なんて張ってたらダメなんだよね。ネタバレするんだよ。
──テレビドラマの撮影もそんな感じですよね。その都度、1話分の脚本が渡される。たとえば誰が犯人なのか分からなくて全員が芝居を続けてるみたいな。先生が言われるネタバレっていうのは、犯人役と決まってたらどこかでそういう芝居が出るみたいなものですかね。
そういう感じかもしれないね。もうとにかく壮絶な日々だったから。
──シンの出現によって生まれた南斗聖拳。やがて強敵(とも)と呼ばれることになる漢たちの出番ですね。
北斗神拳は、どちらかと言うと剛拳というか、ナタで、力強く切るような拳じゃん。でも南斗聖拳っていうのは日本刀。華麗で艶やかなんだ。あとは軽さだね。身軽さという部分で鳥の名前を入れるようにした。
──レイなんですが、どこかで『ハイスクール!奇面組』の一堂零がモデルになってると聞いたことがあるんですが、本当ですか?
いやいや。それ、ぜんぜん違うよ!
──うわ。良かったです。なんかもっともらしく書いてあったんで。30年目の真実というと大げさになるかもしれませんが、真相が判明したので本当に良かったです。いずれにせよレイは重要キャラだし、物語のターニングポイントですよね?
俺の中でのターニングポイントはレイじゃなくてジャギなんだよな。
──え? そうなんですか?
レイがダメとかじゃなく、兄がいるという設定的な意味合いで。もしあそこでレイだけを押してたら、マミヤもいて、恋愛モノっていうかね、そういう方向になると思って。だからジャギが出てきた瞬間、話の展開が広がったよね。レイとも絡んだし。
──あ~。なるほど。レイは胸に七つの傷がある男を探していた。しかもそれはケンシロウの兄だった。
ジャギが兄弟じゃなくて、そこら辺にいる盗賊だったらダメだった。兄弟だから広がったんだよね。もっと言えば名前がケンシロウ(四郎)だから…。
──合計3人の兄がいると。
そう。そうなると「伝承者争い」という新しい展開が出てくる。ただ、ジャギは作ったけど残りの二人はまだ考えてない。だからシルエットだけで描いてくれと原先生に伝えた。
──ひとりはデカい奴で、もうひとりはスマートな奴。とりあえず、それだけ描いておいてくれと。
読む人にしたらね、シルエットだけなんていい加減だなあとか思うかもしれないんだろうけど、いいストーリーってそんなもんなんだよ、意外と。
──実際にいいストーリーの北斗を作られた先生がそう言われるなら間違いないですね。結局、どこまで情熱を注ぐかですもんね。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/01/2.html
ちなみに俺、作品が単行本になってもあまり読まないんだよ。北斗の拳に関して言えば、第2部は1回も。
──え? 1回もですか? まったく読んでなかったんですか?
そう。でもこの間、ぜんぶ最初から読んだんだよね、単行本を通巻で。
──それは事件ですよ! 30周年を迎えるからですか?
それもあるし、今回のようなインタビューもある。これまでは、いろいろ聞かれても「よく覚えてない」って答えてばかりだったからね。だから今日に関して言えば、ここ30年で最も北斗の記憶があるよ。
──非常に助かります(笑)。ではその勢いで兄弟の話に戻ります。性格はどうやって決めたんですか?
性格の設定はシンプル。いわゆる普通の兄弟像。長男は強くて、次男は頭が良くて、三男はワル。末っ子は純粋無垢で、ただ付いて行く存在。
──性格の基本設定はシンプルでも口調なんかは個性としてよく出てますよね。ラオウは「うぬ」みたいな古語を使うとか(※5)。
【※5】うぬ(己)は、二人称の人代名詞。貴様、テメェなどと同義であり「おの」の音変化ともいう。ラオウの強さ、あるいは立ち位置を表現する意味で、原作内でもかなり重宝された。それ以外にも語尾に「わ」を付けるなど(=蚊ほどにもきかぬわ!)、威厳を表す言い回しが多く使われた。
なんていうのかな。やっぱりこう、強い奴が使う重い言葉ってなると、サムライ言葉が合うんだよ、大きさや風格的な重さにハマるっていうか。
──逆に次男であるトキは自分のことを「私」と言います。古語とかサムライ言葉どころか、牧師さんのような感じですね。しかも、合う。
キャラクターとセリフはイコールだから。セリフのしゃべり方によってキャラクターが決まってくるからね。トキはそうだし、ジャギはチンピラ言葉だし。とにかく……そう。書く方は苦労したんだよ!
──お陰で、こうして38才になっても好きでいられます(笑)。
そう言われると、苦労して書いて良かったなということになるけどね。
──ちなみに、前に堀江さんと話した時に「ラオウは意外とズルい」みたいな話題が出たんです。
ほう。ズルいっていうのは?
──ラオウは闘う前に「うぬは死兆星を見たことがあるか?」と聞いて相手が「無い」と答えると「まだ俺と闘う時ではない」と返す。サウザーが相手だと、身体の謎が分からないからケンシロウに闘わせる。勝ち戦しかしないんだよと。堀江さんは冗談半分で言われてたんですが、たしかにそう。良く言えば圧倒的な勝利至上主義者で、悪く言えばズルい。
なるほどね。まあ、ラオウにはラオウの考え方があるからな。修羅の国を平定しないといけないとか。
──あ~。そのあたりは先の話になるんで、もう少し後に聞かせてもらいます。いずれにしてもラオウに対してズルいとか考えたことが無かったんです。30年近くそんなことを1回も思わなかったというのは、それだけラオウの存在感が絶対的で、疑う余地が無かったからですよね。キャラクターの完成度が勝ってる。
うん。ズルさを超えて、もう「ザコはいらん!」って感じでしょう、彼は。
──ラオウが登場した時は本当に印象的でしたよ。なんていうか、熱いインパクトじゃなくて冷たいインパクトというか。子供心に「コイツはこれまでの連中とは格が違う」というのを瞬時に悟りました。黒王号と共に現れた時の目を見て。
象みたいに巨大な馬を出そうって話になって足跡だけ描いてもらった。こんなのに乗ってるのは誰だと。そうすると原先生の中でドーンと膨らんでくるから。たしか、崖の上から見てたんじゃなかったかな(※6)。
【※6】一見するとラオウの初登場シーンのようにも見えるが、ラオウとしてはすでに登場しており、これはむしろ「拳王の初登場」という表現がふさわしい。圧倒的な強さを誇るラオウにさらなる不気味さ、怖さを加えたこの描写で、拳王のイメージが一瞬にして築き上げられたとも言われる。
──そのシーンです。ラオウ自体はすでに登場してるけど、黒王号に乗って兜をかぶる姿。ようするに「拳王」が明確に描写されたのは、あの崖のところでしたね。あれがラオウそのものの初登場シーンじゃないかと思うくらい印象に残ってます。
もうね。その時点で勝ちなのよ。とんでもない奴が出てきたんだぞと。そう思わせればね。まあ、振り返って考えると、原先生もよく7日間とかで描いてたよね。週刊で、ずっと。
──話は少し戻りますが、ケンシロウは原先生、シンは武論尊先生が考案したキャラクターですよね。どういうイメージで考えたんですか?
シンは宝塚のイメージ。きらびやかで颯爽とした、宝塚の男役のような感じでね。あとは歌舞伎とか、そういう様式美のようなものだね。
──なるほど。でも、あの全裸の初登場シーン。小学生には随分と刺激が強かったですね~(笑)。
まあ、ナルシストだからね。たしか原作では「筋肉美の男が両脇に女を従えてる」って書いたのかな。それを原先生が感性で膨らませるんだよね。
●北斗の拳、記念すべき「最初の強敵(とも)」。それが南斗聖拳のシン。当初は南斗六星拳という設定が無かったため、後付けで「南斗孤鷲拳」という流派名が考案された。サウザーやシュウなど、他の六星拳と比べると登場期間は短いが、北斗に対しての南斗、ケンシロウの胸に七つの傷をつけたなど、物語を軌道に乗せる幾多の役割を担った功労者であるのは事実。
──それもある種のコンビネーションですね。シンのインパクトもラオウと黒王号の登場シーンも。
シンとかラオウとか、改めて考えると名前がいいんだよなあ。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/01/3.html
──名前はインスピレーションで決めていたんですよね?
シンは初期だったから本当にインスピレーションだけど、たとえばサウザーは南斗だから南(South)、ラオウは羅王でジャギは邪気。
──そして、儚(はかな)いという意味でトキは天然記念物のトキ…とか偉そうに続けましたが、じつはシュウとか知らないんですよね。
シュウ? あれは…たしか「優秀」から取ったのかな?
──おおおおお! 初耳です!
レイは麗しい。綺麗、華麗の「麗」の字からだよね。水鳥の舞いが美しい。
──でも、そういう数多くのキャラクターがいて、話が複雑で、僕は9才そこらで、よくこの話を理解していたなと思うんです。もちろん大人になっていくに従って「こういうことだったのか!」と分かるようになった部分も多いですが、むしろ、拳法のインパクトより登場人物に心を奪われた印象の方が強くて。
単純にね。弱い者は守らないといけないとか、いじめちゃダメとか、卑怯だとかは子供も分かるじゃない。何才に向けて書いてるかって、俺も分かってないからね。大人向けのようではあるんだけど、結局は全員だよね。
──そうですねえ。月曜日にジャンプが出るから急いで帰ってダッシュで読むんですけど、次の日に担任の先生が「サウザー強すぎじゃろ!」 とか言ってましたもん、朝礼で。でもその先生だって、考えたら20代とかだったわけですもんね。読みますよね。
なるほど。そういう意味で言えば、これは原哲夫にしか描けないマンガだろうね。まだ小学生だったガル憎君が話に入り込めたのも、彼が描いたからこそ。このストーリーに関しては原哲夫しかいないんじゃないかな。
──う~ん。深い言葉です…。
あとは感性だよね。原作依頼を受けて読み切りの北斗を読んで、絵を目にする。北斗神拳の面白さと「あんたもう死んでるよ(※7)」。あのフレーズに触発されたんだけど、もし絵が気に食わなかったら原作を断ってたかもしれないから。
【※7】ケンシロウが倒した相手に放つ決めゼリフは、表現こそ変わったものの読み切り段階から使用されており、その「視覚的には生きているが身体は確実な死に向かっている」という極めて特殊な状態が北斗神拳の神秘性を高め、結果として武論尊の原作意欲をもかき立てることとなった。
──他人に任せるだけに、絵は自分の感性に合わせたくなりますよね。
うんうん。僕は原先生の絵が気に入ったし、それと同時に「この絵は変わるだろうな」って思ったんだよ、ストーリーをしっかり生かしていけば。
──変わる…と言いますと?
とても上手いんだけど、まだ若い新人でしょ? つまり底が見えてないわけよ、可能性という意味での。底が見えるようなマンガ家だったらこっちも面白くないから。いい作品っていうのは、どんどん絵が変わる。
──たしかに北斗は、どんどん絵が変わってますね。ケンシロウの足が鬼のように長い時期とか(※8)。
【※8】原作の中でケンシロウの足が最も長く描写されていた時期は、レイがラオウに闘いを挑み、敗北するあたり。ガル憎は「キャプテン翼の影響で原先生が足を長くしたはず」と語っているが、真偽は不明。やがて本人と対談することになるであろうその時期に、改めて確認してもらおう。
まあ、原先生は最初、俺が原作をやることを嫌がってたみたいだけど。
──あ~。その話ですね。正直、聞いていいかどうか迷ってました。
前にも話してるけどね、俺は『ドーベルマン刑事』以降は大きなヒットが無かったから、もっと確実な人が良かったんじゃないかなあ? もちろん、依頼段階でその話を聞いてたら僕も絶対に断ってたけど(笑)。
──ははははは。
でも、そしたらこれ(単行本を指差しながら)無かったんだよ。この部屋の棚もガラガラだっただろうな。
──つまり僕もここに座っていないということになりますね。それは困ります。 人生に関わる問題です。
でもまあ、それは昔話でね。別に仲が悪いとかじゃないんだよ。彼も若かったから、こだわりが強かった。
──そうなんです、若いんです。まさか22才の人が描いてたなんて、38才の自分に置き換えると想像できません。僕が22才の時なんてパチスロしか打ってませんでしたから(笑)。
公式親善大使として面識がありながらも相変わらず「雲の上」の存在である武論尊先生。我が生涯における至福の時…。次回へと続く。
次回は武論尊先生が語る「漢の死に様」をお届けします!
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/01/4.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 北斗語り 北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
VOL02 武論尊
ガル憎(以下略)──それでは、今度は各キャラクターについて少し掘り下げていきたいのですが、僕はサウザー、シュウ、トキが好きなんです。次いで、ラオウ。
武論尊(以下略)シュウは上手く書けたんだよ。でも最初は狙ってなかった。ただ「盲目の強い奴」っていうだけの設定で、幼いころのケンシロウを救ったエピソードは考えてなかった。
──え! シュウが登場した時点では決まってなかったんですか?
そう。途中で「これはケンシロウの幼少期で上手いこと使えるぞ!」って。
──だから初登場シーン(※1)ではあんなに悪い顔をしてたのか!
【※1】シュウの初登場シーン・・・ファンの中で、いまも語り継がれる「サウザー編」。その幕開けとなった回の最終ページに登場したのが、南斗白鷺拳のシュウ。翌週からケンシロウの味方であることが判明するが、キャラクター設定が決まっていなかったこの回は、新たな敵キャラを彷彿とさせる「悪人顔」であった。もし敵として描かれていたら、一体どんな展開に?
その時は俺、シュウがいい奴か悪い奴か、まだ決めてなかったんだね。
──うわ~。衝撃の事実です!
ガル憎君もだろうけど、シュウは俺も好きだった。だから、死に場所を与えてあげたいと思ってね。つまりかっこいい死に方。それを考えて、聖帝十字陵の頂上。あの聖碑を担がせたいと思ったんだよシュウに。
──いわゆる、キリストの最期。ゴルゴタの丘(※2)ですね。
【※2】ゴルゴタの丘・・・新約聖書において、イエス・キリストが十字架に磔にされたとされる場所。一般的にはエルサレム旧市街にある聖墳墓教会がその場所と言われており、多くのファンが涙したシュウの壮絶な最期は、このキリストの最期をモチーフとして描かれた(ゴルコダの丘=聖帝十字陵)。余談だが、トキの容姿はキリストがモデルとなっている。
そうだね。あの十字架を違うものにして、どこかで書こうっていうのが頭の中にあったから。
──それに対して、サウザー。善悪で言えばシュウの正反対ですが、その最期もまた、感動的なものに。
うん。ワルのまま終わらせちゃうともったいないのよ、サウザーが。他のワルとは違うワルを、あそこまで書いたからね。ただのザコと同じ扱いにしたら、かわいそうなんだ。だから最期を変えたんだよね。
──あの「お師さん…」以外の終わり方もあったんですか?
聖帝十字陵で倒れるだけというのもあったかな。あと、最初に話したキリング・フィールド。あの原風景があってね。大人は殺されて子供だけ生かされて、やがてその子供たちが国家の新しい礎になるっていう。そこが聖帝十字陵を作るところの発想につながった。これだけ悲しい男っていうのは、大人がいらないのよ。
──悲しさゆえ、ですね。でも、なんて言えばいいのか…。原作者としては、どれだけ好きなキャラでも殺さなければいけない。当たり前と言えばそうなんですが、それと向き合う先生の想いとか、本気度とか。ある種の親心のようなものを感じます。
それはやっぱり、ストーリーテラーとしての義務だろうね。思い入れがあればあるほど、いい死に方をさせてあげたい。いいキャラクターっていうのは、特にそうなワケで。
──いつだったか、レイが当初よりも重要なキャラになって、殺すに殺せなかったというか、言い方は悪いですが、原作上で何度か延命されたという話を聞いたことがあります。
レイはラオウに秘孔を突かれて、数日後に死ぬと言われるんだよな…。
──ええ。断己相殺拳がマントで回避され、新血愁を突かれてます。
そんな名前だったかな?
──ええ、覚えてますんで。
最期は小屋に入って中から血が出るんだったかな?
──そうです。聞いてる人と答えている人が逆な気もしますが(笑)。
ははは。でもやっぱり、みんなに無様な姿、汚い姿を見せたくないというのがレイの美学だよね。
──そこなんですよ。おそらく、どう死んだか分からないのはレイだけだと思うんです。トキに心霊台を突かれて白髪になった時ですら、あんなに壮絶だった。だとしたら、どんな死に方なんだと。見えないけど頭の中で想像しますよね、読者は。
美学だね、美学。みんなそれぞれの美学を持ってるから、それをもって死んでいくっていうのがある。
──なんと言うか、架空のキャラなんだけど先生の中では生きてて、その生涯を先生が決める。もしかすると代弁者のような部分もあるのかなという気がしてきました。それだけの想いで書いているというか。
美学という部分で言えば、たとえば風の…ヒューイ(※3)。 そう。風のヒューイとか、あっという間に死んでいくじゃん。あれも彼の美学だね。
【※3】風のヒューイ・・・南斗五車星のひとり。バイク部隊「風の旅団」を率いるリーダーだが、ラオウに一騎打ちを挑み一撃で葬られる。扱いの低いキャラにも見えるが、ラオウの進軍に身を捧げた死に様はあくまでヒューイの美学であり、原哲夫先生もまた「手抜きをすることなく懸命にキャラを考えて描いた」と、過去のガル憎との対談で強く語っている。
──うわあ! 先生の口からヒューイの名前が出るとは思いませんでした。あっという間に死んだから、逆に思い入れが無いのかと。
雲のジュウザも、俺は誰の味方にもならないよと言いながらも、あっさりと自分の美学で死んでいく。
──そうですね。
ユリアのために動いたんだけど、最期は自らを貫き通す。つまり、どう生きるかじゃなくて、どう死ぬか。それこそが生き様。結局、死ぬか生きるかの闘いだから格闘技じゃないのよ。闘いそのものが生き死にだから、拳銃で撃ち合うのと同じようなことなんだよね。それはもう、普通の人たちとは生きてる世界が違うんだよね。
──なるほど。そこには想像を絶する精神世界があるんですね。
うん。あと、これは改めて読み返して思ったんだけど…凄いねえ。みんなユリアのことが好きなんだね。
──ははははは。簡単に言えばユリアという女を取り合う壮絶な兄弟ゲンカですからね。しかも、みんなを容赦なく巻き込んじゃって。
だからケンシロウのためにね、結構みんな酷い目に遭ってるんだよ。
──そうですね。最終的には、ほとんどの拳法家が死んでます。南斗聖拳なんて壊滅状態ですからね。
そうそう。悪い奴なんだよ。
──ははは。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview02-01
でもね。そうやっていく内に、ケンシロウってどんどん言葉が少なくなっていくんだよな。背負っていくものが多いから、高倉健みたいになっちゃう。無言でも闘うみたいなね。それがケンシロウの成長なんだけどね。
──でも、そのユリアが南斗最後の将だったというのは、ある意味では究極のサプライズでした。じつはユリアが生きていた(※4)。
【※4】生きていたユリア・・・ユリアの生存は、サザンクロスから身を投じた際、地上に落ちた描写が行われていなかったこともあり「五車星に守られた」という設定が加えられた。その回想シーンでは久しぶりにシンが登場。ユリア殺しの悪名をかぶりケンシロウと決着をつけるという、彼なりの美学も描かれた。ケンシロウとシンの闘いに“深み”が増したのだ。
これ…(しばらく考え)…賭けだったよね~。あまりにも唐突じゃないかっていうのがあって。でも、そこに賭けないと話が転がらないから。
──転がらないと言いますと?
本来は使い道が無いのよ。ただの弱い女で。ユリアが生きていたことにしようかという話が出て、それをどうにかしないといけないとなって。
──当時は「マジかよ~」とか言いながら読んでたんですけど、結局、ケンシロウとラオウの最後の闘いに進むまでの重要な人物になって、気づいたら文句を言わなくなってて。
南斗最後の将にすると、死なずに済んだことの理由付けもできるし、空白の時間は身を隠していたということで収まる。結局、その賭けによって五車星という味方が生まれて、ラオウの足止め役になったりした。
──ケンシロウとユリアを引き合わせようとする流れ…大義名分みたいなものができましたよね。
うん。俺も最初はどうかなと思ったんだけど、ユリアが生きていたお陰でケンシロウとラオウの闘いまでの話を膨らませられたし、ラオウが哀しみを背負う描写も書けた。
──哀しみを背負うという、子供には無い感覚が、闘いをより壮大なものにしてくれた感はあります。
結局「ケンシロウってなんで生きてるか?」っていうね。まず、子供のころにシュウに助けられ、今度は核戦争でトキに救われた。コイツは背負っていくものがあって、生かされて強くなっていくという。つまり、生きなきゃいけないんだよ。
──う~ん。生かされているから、生きなければならない。深いですね。
ケンシロウのために何人が死んでくれたかってことでね。ケンシロウは生かされてきたから死ぬわけにはいかない。でもラオウは逆で、ぜんぶ殺して生きてきた。無敗であるがゆえに、なんにも無いんだよ。
──あ~~~。なるほど。ラオウには圧倒的な強さがあるんだけど、無敗であるがゆえの弱さ、もろさ。そういうものも持ち合わせている。
つまり、ラオウの欠点は1回も負けてないってことなんだよね。だからフドウを前にした時に「あれ?」ってなるわけじゃん。あそこでラオウはキャラクターが変わるんだよ。
──恐怖が蘇ることになるフドウとの闘いですね。あれは精神的な敗北というか、自分を射なかった拳王軍に対するあの激昂ぶりは、もしかすると敗北を知らないがゆえの戸惑いが、怒りとして表れたのかもしれませんね。ある種の、焦りが。
そう。自分に足りないものがあると気づくわけだ。
──この時は、話がすごく深いところまで行ってるなと思うんです。生き死にが哲学的になってきて。
乗ってる時期なんだよね、俺自身。だから漢の強さ、格好良さの出し方。そういうものが、いちばん俺の中で出てた時なんだろうね。年齢で言うと37才とか38才くらいの時期。
──それ、いまの俺です。ほぼその年齢なんで。乗ってるどころか、乗ってた先生の書いた物語を、延々と30年ほど読んで、乗ってます。
ははは。でも、結局はどうやって泣かせるかっていうところもあってね。
──ものの見事に、ほとんどのシーンで泣いてました。
泣かせたら残酷なシーンが全部、消えてくれるんで。
──あ~。そうですね、たしかにそうですね。サウザーの最期で泣いたからこそ、あの残虐な生き方をも認めてしまったという(※5)。
【※】サウザーの最期・・・トキが得意とする有情拳でケンシロウに敗れたサウザーは、最期にそれまでの残虐性が嘘であったかと思えるほどの穏やかな表情を見せた。非情の道を選ばざるを得なかった哀しい漢の最期はファンの涙を誘い、結果として、この「サウザー編」は多くのファンにベストバウトと評され、いまなお色あせず語り継がれる物語となった。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview02-02
北斗が終わったあとに拳法マンガや格闘マンガ、いっぱい出たよね?
──拳法や格闘どころか、マンガ界の流れそのものが大きく変わりましたよね。北斗が無かったら、いまどうなっていたかも分かりません。
でも、そのほとんどはね、血を飛ばすとか目が飛び出るとか、単なる残酷なマンガにしかなってなくて。
──たしかに。どれだけ強烈に相手を倒すかとか、強いだとか、そういう暴力描写が増えましたね。
そうなんだよ。暴力描写だけをマネするなと。俺は「そこを取るんじゃない。盗むところが違うだろう!」って、ずっと思ってたから。
──主人公がいかにして勝つかではなく、主人公と対峙した相手、運命を共にした相手が、どう死ぬか。
そう。殺し方じゃないんだ。何度も言うけど、死に様なんだよね。そこを勘違いしていた作家たちは、いま、ほとんど残ってないでしょう。
──死に様が生き様になり、死に方がその人物の人生を物語る。先生の視点にあったものが、北斗の根底を大きく支えてたんですね。ぜんぜん違う角度で闘いを描いていて。漢たちの友情とか、そういう部分も。
うん。ただ、さすがにラオウが死んだ後、その翌週から続きを書かされるとは思わなかったけどね。
──あ~~~。なるほど。読み手としては苦笑いするしかありませんが、そうですね。そろそろ修羅…というか第2部。その話に入っていきたいところですね。
本来だったら何か月か休ませてくれるじゃない。でも休ませてくれないんだから。ラオウの最期を書いて原作を渡して「よっしゃあ!」と最高の達成感を味わった次の日に「あと4日で次の話を渡してください」だよ。これ、キツい話だぜ?(※6)
【※6】第2部の開始・・・多くのファンが「最終回」を覚悟したラオウの昇天だったが、当時の編集部の要請で翌週から第2部に突入。これには賛否両論があったが、北斗軍として成長したバットとリン、元斗皇拳のファルコなどの登場で、物語は新たなるステージへスムーズに突入。結果として、修羅の国、北斗琉拳など、北斗の歴史にさらなる深みが増した。
──逆に僕らもビックリしましたよ。ラオウの壮絶な最期、まだその余韻に浸ってる時に「次が始まったよ!」って。ある意味、僕たちの脳にも休む時間が欲しかった感はありますけど。これ以上の話があるのかよみたいな。それこそ、あしたのジョーの「真っ白に燃え尽きた」ですよね。
そうそう。もう必死だよ。書くためには自分の頭を根本的に変えなきゃいけないわけだから。
──考えに考えて次の展開を…いや。現実には、そこまで考える時間なんて無かったですよね(笑)。
無い無い。いままでと同じ、4日。ラオウの死後、4日で次の話だよ!
──結果、世の平安が逆に貧富の差を生む未来が生まれたという。
そう。数年後という設定で始めたよね。もちろんその数年間、ケンシロウは黒王号と長い旅を続けてる。いろんなことがあった。だから黒王号は片目を負傷したことにしよう。そこだけはイメージが強くあったね。
──うわ~。なるほど。空白の時間を黒王の負傷した目で表現したんですね。僕はこう、ケンシロウが黒王を乗りこなしてるというか、第1部より断然、信頼関係が生まれたように感じ取ったんですが、もしかするとそういう細かい描写から、気配で感じ取ったのかもしれませんよね。なんか「ケンシロウの馬になってる!」って思ったんですよ、当時(※7)。
【※7】ケンシロウと黒王号
ケンシロウが再登場する際に描かれた黒王号の「目の負傷」は、そこまでの壮絶な時間の経過を表した独特のアイデアで。物語のキーポイントになるセリフ、描写を入れるよう、第1部からつねに心掛けていた武論尊先生の真骨頂とも言える措置。このような細かな描写が随所に散りばめられているのも、北斗の拳が名作たる所以である。
でもね、明確に覚えてるのはそこぐらいしか無いのよ。当時「こうしよう!」と、ひらめいたものは。あとは全部、意図的に記憶から消した。
──消した…と言いますと?
強引に始めたお陰でストーリーが破綻してると思ったから、第2部で自分がなにを書いたかを完全に消した。だからそれ以降、インタビューで第2部のことを聞かれても「覚えてない」って言ってね。
──ええ。その話は有名ですね。先生にインタビューしても第2部は「知らぬ存ぜぬ」で答えてくれない。
頭から消してるからね。バタバタして、本当に苦労したイメージしか無かったから、見るのも嫌だったんだよ。対談で「カイオウは」とか言われても「カイオウって誰や?」って、こっちが聞いてたくらいだから。
──ははは。カイオウはラオウのお兄さん。実兄です。リンの前で手を広げ「悪!」と叫んだ人です。
そうそう。でも読む前までは「ラオウの兄? そんなのいた?」だよ。
──それがスゴいですよね。普通は記憶には残るはずだけど、とにかく頭から消し去るというのが。
だけど今回、第2部を改めて読んだでしょ? 俺ってスゲぇわと思ったの。上手くまとめてるな~って。
──はははははは!
ビックリしたよ~ホント。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview02-03
──無礼を承知で言います。思ったより、良くできてたんですね?
俺はクオリティが絶対に落ちてると思ってたんだけど、読んだら「落ちてないじゃん!」って。面白かった。
──そう考えると、今回のインタビューって本当に貴重ですね。
う~ん。でもね、やっぱり頑張ったから。苦労した甲斐があったなと思ったよ。ちゃんとキャラクターたちの面倒を見て書いてるなって。ただ、第1部と比べると、レイ、シュウやサウザーみたいな死に方を各キャラクターにさせてあげられなかったなと思う部分もあって、そこは少し後悔が残るかな。
──でも、それは第1部で出し切った部分が大きかったのでは?
修羅の国っていうのは、ラオウの影を引っ張らないと作れなかったのよ。すべてラオウが作ったという形にしないと、読者を引っ張れないと思って。だからラオウの「ほかに帰る地はない!」っていうフレーズを作った時、ラオウを全員が待ってるんだということで、ひとつの道が見えたんだと思う。修羅の国はラオウを待っていて、希望の星なわけだよ。
──ラオウが希望の星なんて。第1部ではありえなかった概念ですよね。
でも負けてしまったからケンシロウが来る。話が転がっていくんだよ。もしあそこでラオウの影を出さずにケンシロウが修羅の国に行って、第1部と同じようなパターンで救世主伝説を書いてたら、クオリティは落ちてたと思うよ。
──およそ25年の歳月を経て先生が第2部を改めて読んでいる姿を想像すると、面白いです、本当に。
読んでる時に、ふと時計を見たら夜中の2時で「おい。俺は何時間ほど読んでるんだ!」ってね。
──自ら引き込まれていくというのは、究極ですね。
ただ、第2部で苦しかったのはリンが双子だったというね(※8)。
【※8】双子だったリン・・・第2部で「北斗の軍」として天帝軍に反旗を翻し闘いを続ける中「双星が育てば天がふたつに割れる」という掟のもとで帝都に幽閉されていた双子のルイと遭遇。ここでリンは天帝の血を引いていたことを知る。この設定は修羅の国編でも重要な要素となり、結果として北斗琉拳、北斗宗家といった物語のスケールアップへと結びつくことに。
──あ~~~。はい! これは親善大使として、ファンを代表して言わないといけないかもしれません。リンとルイ。はい。あれは強引でした。
あれはちょっと作りすぎたね。
──ええ。こっちもビックリしました。でも、それも含めての第2部であり、その第2部があったからこそ、北斗神拳の歴史的背景が広がったというか、深みが増した部分があると思うんです。たしかにラオウが死んだところで終わっていたらスマートだったと思います。でも、そうなると北斗三家の拳が分派したとか、そういった歴史も生まれなかった。
そうだね。だから……うん。ラオウのところで終わらせてくれよと本気で思ってはいたけど、もしかすると、連載が終わって3年くらいして、また原先生と「続編やろう!」ってなったかもしれないよね。
──うお~~!! では、逆に3年なりの期間を空けて第2部を始めたとしたら、どういう話に?
う~ん…。やっぱり数年後。同じ時代設定から始めただろうね。修羅の国に行くのか、どこに行くのか。う~ん……やっぱり修羅の国になるかもしれない。同じパターンに。
──うわ~。これは凄い話ですね。つまり、時期はどうあれ「北斗の拳」という作品は2部構成で作られることになっていたと。
ラオウの少年時代を書こうとか、そこから書き直してみようとか、じゃあその国はどうなってるのか。どっちにしても修羅の国だな、うん。
──ちなみに、リュウはどうですか? ラオウの息子の。展開上、リュウが次の伝承者になるのは必然だと思うんですが、それ以前に、北斗ファンにとっての永遠の謎が…。
うん。謎っていうと?
──ズバリ…母親は誰ですか!
リュウの母親に関しては、誰っていう設定は無いんだよね。
──あ~。やはりそうですか。だと思います。思いますが、こっちは「ユリアじゃねえか?」とか「ユリアはそんな女じゃない!」とか「マミヤの線もあるぞ!」とか、何年も…というか、ちょっと待ってください。リュウの登場時期から考えると…はい。約25年ほど母親を探してます。
ユリアでもいいんじゃないかな?
──ははは。でも、普通に考えると不倫というか、ありえないことなんですけど、北斗の拳の世界観だと大丈夫な気がするんです。あそこまで慈母の度合いが強いと「ならば私が生みましょう」とか言うかもしれないぞと。そうなると上手く…先生風に言うと転がると思うんですよ。ユリアが母親であれば、南斗の正統血統者の血も入る。北斗の拳と南斗の結びつきで言えば、原作の流れも崩れませんよね。
かもしれないね。
──では、最後になりますが、北斗の拳、生誕30周年に際し、月並みではありますが、メッセージを。
あのね。北斗の拳は、なにかを与えようとしたりとか人間はこうあるべきだとか思いながら作ったんじゃなくて、とにかくいい作品にしようと思いながら作ったマンガなのね。その中で、ただ普通に、単純に面白いなと思うだけじゃなくて、なにかを感じてくれれば嬉しいかな。読んで少し元気が出たとか、友達っていいなとか。30年経ってなお読まれているというのは、めちゃめちゃ嬉しいことだからね。それにしても君、本当に詳しいね。俺より詳しい。
──あ、ありがとうございます!
■先生の言う後付けと世間の後付けは違う。■今回の対談で、先生が何度となく口にされた「後付け」という言葉。これは一般論で言えば、決していい印象を持つ言葉ではない。だが、それがとてつもなく高い意識、高い次元で行われたとしたら…。そう、まさに北斗の拳という作品になるのである。毎回、一話一話が必死、命懸けの日々。先を考える暇が無いほど目の前の物語に心血を注ぎ、そこから行われた「高純度の後付け」が、世間一般の後付けとは一線を画すクオリティや奥深さを生み出した。そう言って間違いないだろう。
■立場に関係なく、すべての人が「北斗の子」■北斗の拳。その根底にある漢たちの「宿命」。俺は今回、それを武論尊先生にも感じた。原作を受けることになったのも、原先生が読み切りの北斗の拳を描いたのも、やがて大きなうねりとなり、自分を含むファンの心を掴むという「宿命」に吸い寄せられていたのではないかと。主観的な目線だけでいいはずの原作者でありながら、時には、実在する人物を語るように客観的に話す。それは、私たちファンだけではなく、先生もまた、北斗に魅せられた”北斗の子”なのだと。そして、この対談を行うにあたり、連載終了後に改めて先生が第2部を読んだ。もし読んでいなければここまでの話にはならなかったのだから、自らが考え企画として提出したこの『北斗語り』という連載もまた、大きな宿命のひとつだったのではないか。そう思えたし、心が震え涙が出た。みんな”北斗の子”だ。
■Interviewer ガル憎■フリーライター。
1974(昭和49)年01月04日(金)、広島県に生まれる。北斗の”第一世代”とも称される生粋の団塊ジュニアかつ原作の公式親善大使で、広島東洋カープファン。原哲夫らとの交流も深く、映画「真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝」のエンドロールにも名を刻む。好きなキャラクターは、トキ。
http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview02-04
┏━━━━━━━━━━━┓
┃『BE-BOP-HIGHSCHOOL』 ┃
┗━━━━━━━━━━━┛
‡1994(平成六)年02月19日(土) 東映配給
2008(平成20)年03月21日(金) DVD発売
amazon・・・超人気コミックがVシネマで完全復活! 新たなる超不良ヒーロー伝説が今始まる!!ご存じ愛徳・伝説の不良トオル&ヒロシが暴れまくりのキレまくり!若いエネルギーを過度に持て余し、売られた喧嘩は全部買う!嵐を呼んで只今参上、喧嘩ビーバップの集大成!(C)東映ビデオ
****************************************
https://www.amazon.co.jp/dp/B08JXGHK5C
https://ja.wikipedia.org/wiki/BE-BOP-HIGHSCHOOL_(1994%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)
****************************************
┏━━━━━━━━┓
┃ 『鬼滅の刃』 ┃吾峠呼世晴
┗━━━━━━━━┛ジャンプ・コミックス
2016(平成28)年02月15日(月)『週刊少年ジャンプ』連載開始
2020(令和二)年05月18日(月)『週刊少年ジャンプ』連載終了
2019(平成31)年03月XX日(X)時点 単行本 累計発行部数450万部突破
2019(令和元)年09月29日(日)時点 1200万部突破 アニメ第1期放送終了直後。アニメ放送期間中750万部累計発行部数
2019(令和元)年10月23日(水)時点 1600万部突破 累計発行部数 約1か月で400万部累計発行部数
2019(令和元)年11月27日(水) 累計発行部数2500万部、最新18巻初版100万部を突破し、アニメ放送開始前より約8か月で2000万部ほど部数を伸ばす。実売数はアニメ放送前の
2019(令和元)年04月08日(月)時点では累計315.3万部程度だったが、アニメ放送を経た
2019(令和元)年12月23日(月)付の累計は2040.3万部となり、売上規模が6.5倍に拡大した。また、同じ期間での第1巻の実売数の集計ではアニメ放送前は累計26.2万部であったのに対し、
2019(令和元)年12月23日(月)付の集計では累計123.9万部となり約97.7万部の増加となった。
2019(令和元)年12月23日(月)時点で既刊18巻すべての売上が100万部を突破しており、原作とテレビアニメの相乗効果により短期間で売上を伸ばす形となった『オリコン年間コミックランキング 2019』では期間内の売上部数1205.8万部を記録し、シリーズ初TOP10入りにして初の1位を獲得。
2020(令和二)年02月10日(月)付の週間オリコンランキングでは1位から10位を本作が独占する史上初の記録を達成。小説版『しあわせの花』『片羽の蝶』は
‡2020(令和二)年02月19日(水)の重版を以て累計116万部で、レーベル史上最速の100万部突破だった。人気の理由は本編で描かれていない話が吾峠によるイラスト付きで読めるからだという
2020(令和二)年05月13日(水)時点 シリーズ累計発行部数 6000万部突破
2020(令和二)年05月13日(水)発売 第20巻 初版280万部発行
****************************************
https://www.amazon.co.jp/dp/B07QFDRBJP
https://ja.wikipedia.org/wiki/鬼滅の刃
****************************************
映像◆Emblem Take 2 OVA https://youtu.be/50iqdpd4Xug
┏━━━━━━━┓
┃『代紋TAKE2』┃
┗━━━━━━━┛
‡1990(平成二)年02月19日(月)『週刊ヤングマガジン』10号
2004(平成16)年08月30日(月)『週刊ヤングマガジン』40号
1993(平成五)年10月25日(月) 東映VANIME OVA1巻
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
┃『代紋TAKE2 第Ⅱ章 PART2』┃
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
1995(平成七)年11月25日(土) 東映VANIME OVA2巻
****************************************
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E7%B4%8BTAKE2#OVA
****************************************