過去の今日の出来事etSETOraですヨ(=^◇^=)

過去の今日のエトセトラ等だヨ(=^◇^=)O♂

 


「 新宿伊勢丹前事件(2) 」http://www.tamiya-p.com/diary/d2011_1112.html
「 新宿伊勢丹前事件(7) 」http://www.tamiya-p.com/diary/d2014_0222.html
 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 松本修“朝日放送制作局局長プロデューサー” ┃1949(昭和24)年11月5日(土) 生誕
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 ┃ 松本修“演出家&俳優” ┃1955(昭和30)年5月18日(水) 生誕
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 削除動画◆2009(平成21)年9月25日松本修声音声8:31映像◆『アラジンからの留守番電話!?』http://youtu.be/qCDfV7nTCIk
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 http://www.tvco.tv/interview/index.php?action=detail&id=116
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E4%BF%AE_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E4%BF%AE_(%E6%BC%94%E5%87%BA%E5%AE%B6)
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 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 探偵!ナイトスクープ チーフプロデューサー  松本修氏インタビュー ┃制作者と視聴者の架け橋テレビコ
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ライバルは紅白歌合戦です。"生の笑い声は番組のバロメーター
探偵!ナイトスクープとは……朝日放送、金曜23:17~24:12放送。系列各局でも放送中(テレビ朝日を除く)。首都圏では2週遅れで神奈川テレビ(略称tvk)、東京メトロポリタンテレビ(略称MXテレビ)で放送中。「この番組は、視聴者から寄せられた依頼にもとづいて、探偵局長が優秀なる探偵たちを野にはなち、世のため、人のため、公序良俗と安寧秩序を守るべく、この世のあらゆる事どもを徹底的に追求する娯楽番組である」という番組オープニングテロップがすべてを表している。88年3月に、上岡龍太郎を初代局長にスタートし、深夜帯の放送ながら、30%超の最高視聴率を叩きだし、関西地区での20年間の平均視聴率が20.1 %というオソロシイ番組。2009年1月9日現在で放送回数は1021回。丸21年を迎える今年3月には、初のゴールデン特番も決定! 世のさまざまなバラエティで使われる手法やネタの“オリジナル”がこの番組で会うケースも少なくない。
アホである。アホでありながらホロリとさせられる。いや、そんなことなくまるっきりアホのときもある。調査・報告を続けて21年、20%越えの実績を誇る探偵局……。番組の成り立ちや、これまでの展開については、番組伝『探偵!ナイトスクープ アホの遺伝子』にくわしい。このインタューの言葉は、本の内容と重複することも多分にある。だがまぎれもなく、番組の生みの親であるチーフプロデューサー、松本修氏の“今”感じている生の言葉である。"
 ■第1話 ⇒ 新しいコンセプトと、連動したMCの魅力。一瞬で見えて、間もなく22年目に突入 
もちろんそもそもは「番組を作れ」という命があったのだ。が、いくつかの要素が並行して存在していたのだ。当時、撮影機材の小型軽量化が進んでいて、それを生かしてロケとスタジオをうまく融合させたバラエティはできないかと考えていたこと。『わいわいサタデー』のワンコーナー『あの人は今!?』の、“調査・報告” という体裁。上岡龍太郎という“司会者”の知られざる才能に気づいたこと。『ラブアタック!』の闊達な番組作りの雰囲気、……。 
それが、ひとつの言葉で、瞬時に番組のビジョンとなった。 
 Q:番組が生まれたきっかけを教えてください。 
 A:「何か調べて帰ってきて報告するっていうと……、探偵ですよね」と、石原康男くん(『探偵!ナイトスクープ』初代ディレクター)が言い出して、そのときに一挙に、番組の姿が見えたんです。ふたりで毎日、朝日放送前のホテルプラザでお茶を飲みながら、どういう番組を作ろうかと考えていました。その日は、上岡龍太郎さんを中心にすえて、何か面白い番組が作れないものかと考えた。 
そのとき思い出したのが、上岡さんの批評の才能。それ以前に私が担当していた『わいわいサタデー』に『あの人は今!?』というコーナーがあって、もうテレビから姿を消してしまったかつての有名人の消息をVTRで調査してくるんです。そのビデオを見たあとの司会の上岡龍太郎さんの批評コメントが絶妙でした。上岡さんのこの才能を生かして画期的な番組作りができないか?……っていう話をしてるときに、石原くんから「探偵」というキーワードが出てきて。 
 Q:一瞬で!? 
 A:「探偵」というキーワードを得て、一瞬で番組の構造がすべて見えたんです。目にありありと浮かんだのは、ロンドンのベーカー街のシャーロック・ホームズとワトソンのオフィスです。そこで、視聴者一人一人の依頼に応えるべく努力をして調べて「この結果はどうでしょう!よくやったでしょ?」と、局長の上岡さんに向かってビデオで発表する。そのスタジオのイメージが一瞬のうちに全部見えたわけです。「あ、できた!もう完璧!これはぜったい面白い番組になる!」と。その場で想定依頼文までいっぱいできた(笑)。それで各プロダクションのいろんなディレクターに声をかけたらみんな乗ってきた。「この番組って、あらゆることが映像にできるんじゃないですか!?」って(笑)。 
それまで上岡さんの司会進行がすごくうまいということは、世間のみんなが知っていたんです。でも一言コメントが非常に鋭くてユニークであるということについては、当時あまり気づいてる人はいなかった。私は『わいわいサタデー』という番組をやっていたおかげで、そのことをよく知っていたんです。上岡さんの、物事の本質をとらえてスパッとコメントする才能。この才能を生かせば、まったく新しい、画期的な番組が作れると思ったんです。  
 写真◆下手からみる全体図 上手からみる全体図 
 Q:『ラブアタック!』でも上岡さんと御一緒されてましたけど、この番組をやったことも大きかったと本(『探偵!ナイトスクープ アホの遺伝子』)に書かれてましたね? 
 A:『ラブアタック!』は私が25歳のときに、自らの失恋体験をもとに企画立案して、立ち上げから6年半ディレクターとして演出していました。上司の人たちは、25歳の若造に「好き勝手にやれ!」って、好きなようにさせてくれた。朝日放送にはそういう伝統がありました。テレビというものをゼロから自由に作り上げ、成功してきたかつての若者たちが当時ちょうど管理職クラスになっていて、今度は新参の私に同じような自由を与えてくれたんです。そういう風土で育てられたので、自分が30代後半になってナイトスクープのプロデューサーになったときに、若いディレクターに同じように自由にやってもらおうと思いました。そこで、みんな好き勝手にやれる場所を作りました。 
 Q:それがうまく機能して……。 
 A:ネタ選びから、演出から、どの探偵と組むかというところまで全部ディレクターが自分の意志でできるというシステムを作りあげたんです。ディレクターと探偵の組み合わせは毎回変えるんですが、次に誰と組むかはディレクター自身に選んでもらっている。完全にトップダウンを排除したこういう構造でやると、ディレクターは言い訳できなくなるんです。彼ら自身が選んで彼らの好きなような演出で撮ってきたビデオですから、そこには彼らの全人格・全能力が込められてる。うまくいったときには「すごい!天才!」となり、まったくダメなときには「最低!カス!」ということになるわけです。 
 Q:なるほど。 
 A:最近、私、この番組の構造を分析するとき、“プレゼン形式”という言葉をよく使うようになりました。この番組は、「おそらく世界初の“ビデオをプレゼンすることに特化した番組”」だということなんです。かつて、映像は司会者側から出ていた。ニュースもアナウンサーが紹介しているし、クイズ番組でも問題VTRも解答も司会者が紹介していた。つまり番組内での“権力のある側”から映像が出されていたわけです。ナイトスクープではそれを“下っ端”から出して、“権力の側”にプレゼンする。そう説明すると、この番組の特徴がすごくわかりやすいでしょ?まず依頼文という課題が与えられる、それに対して探偵が「最高のやり方で答えを出してきました」と、ビデオのアピールをする。そして評価を仰ぐ……上岡さんは非常に鋭い評価の言葉をくれる。そういう構図で番組は成り立ち、成長してきたんです。 
 Q:探偵局長に対する探偵たちのプレゼンであるというのはすなわち、ディレクターたちの作品のプレゼンでもあるんですね。 
 A:その通りです。この“プレゼン形式”って、視聴者が番組をいろんな立場から観られるのも強みでね。まず依頼文があって、依頼者に探偵が会いに行くから、最初は探偵に思い入れをするんですよね。そして次に依頼者にも。で、ビデオを提出した後、視聴者は今度はプレゼンされる側、上岡さんや西田さんの側に立って「うーん、これはよかった!」とか、「ここがダメだ」、「無駄が多い」っていう批評する方に回る。 
私はこの“プレゼン形式”は、1980年代の日本の視聴者にとって、ものすごく新鮮だったと思います。 
 Q:意外にもそこが本質だったわけですか。 
 A:ナイトスクープに似た番組ってたくさん作られましたし、ネタをそのままパクる番組もありましたが、“プレゼン形式”という本質をとらえたものはなかったですね。うまくとりいれて成功したのが、『情報プレゼンター とくダネ』ですよね。かつてのワイドショー番組って、レポーターは視聴者に向かって情報を伝えていた。あの番組は小倉(智昭)さんという司会者に向けて取材ビデオをプレゼンしますよね。うまく成功したのが、お笑いじゃなくて情報の世界だった。『とくダネ』を立ち上げた西渕憲司さんが「ナイトスクープも好きで参考にもしました」っておっしゃってくださいました。いまはこの形式、日本のテレビにはたくさんありますが、意識的にそれに特化してレギュラーでやったのは、おそらく私たちが世界で最初ではないかと。日本はTVの先進国のはずですから、日本で最初ということは世界で最初じゃないかなと(笑)。 
 Q:タイトルの由来を教えてください。ナイトスクープの“ナイト”って“KNIGHT”ですよね。 
 A:パリッとした品のいい雰囲気でいこう、ということを最初から考えていて。探偵には、フォーマルな感カメラ越しセットじでと、ネクタイしめてもらってました。べつに彼らに「騎士であれ!」と思っていたわけではないんですけどね……まあそういう思いもあったかもしれないかなあ。実はこれでよかったのかどうか迷いもあって(笑)。吉本ばななさんの『ハチ公の最後の恋人』という小説にナイトスクープが登場するんですけど、これがイタリア語に訳されたんです。それを見てみると“NIGHT”になってた。そんな風に海外に紹介されるなら、わかりやすく“夜”でもよかったかなあ(笑)。 
http://www.tvco.tv/interview/index.php?action=detail&id=114
 ■第2話 ⇒ 重要なのは企画の新しさではなく、「視聴者とともに」というスタンスだった。
午後11時17分からの放送で、視聴率はおおむね20%台をキープしている。松本CPは、プレゼン形式の番組構成をすごく新鮮なものだといった。でも、今ではそれ自体がさほど珍しくなくて、多くの番組に取り入れられていることを松本氏自身も認めている。ならばどういうものが、放映開始丸21年にならんとする『探偵!ナイトスクープ』を人気番組の地位に留めているのか。 著書には「テレビの原点」に忠実な番組作りのことがあげられていたが、そのことを問うと、松本氏、うーん、えーと…と考え始め「iPS細胞」と言った。 
 Q:なぜここまで支持を得ていると思われますか? 
 A:もちろん基本に忠実、というのはそうなんですけど、それが21年人気であるの秘訣なのかどうか……。いま話を聞きながら考えてたんですけど……この企画は、たぶんとんでもない発明だったんですよ。iPS細胞みたいに! 視聴者とともにいろんな形に変貌することができる。 番組が古びないのはね、たぶんこういう理由があるんですよ。依頼は時代とともに新しくなっていって、時代の先端を反映するわけです。番組が始まったころ人間にすらなっていなかった10代とか“ヒトケタ代”の子どもたちが依頼人になってくれているし、時代や社会の背景もどんどん変わっていく。それが自然と依頼に反映されている。 時代が新しくなれば、それにつれて内容も新しくなっていくんです。 たとえば、20年前とちがって、いま離婚は普通のことです。そうすると父一人娘一人の親子なんかもいっぱいいて、そんな生活の中から生まれた新しい依頼が寄せられて来る。家族の形態だけじゃなくて、フリーターとかニートの人も増えています。やっぱりそこにも、かつてなかった新しい悩みなんかがあって。それを忠実に拾い上げて行く。だから??くり返しますけど(笑)??時代が新しくなればなるほどさらに新しい番組になっていく、それはもう宿命でもあるんです。 
 Q:そこはやはり、上から「こんなのどうだ」と下ろすんじゃなくて、みなさんから吸い上げて作ってるから維持できる時代感なんでしょうね。 
 A:依頼人からのテーマを私たちの手の内でねじまげるんじゃなくて、あくまでも依頼者に寄り添って、その人たちが行きたい目的地に、もっと幸せに、もっと面白く行き着けるようサポートしようと心がけています。そうなると、探偵とかディレクターも毎回、経験したことのない世界に行くことになる。毎回違う依頼人という新しい感性に寄り添いながら、どこまでも暴走していくわけです。 
 Q:ディレクターをまとめるうえでのルールみたいなものを明文化されてるとか。 
 A:ああ、それは番組初期の話ですね。『ディレクター心得』というのがあって。開始当初はディレクターはみんな20代で、自分たちと同世代の若い視聴者を想定した番組が一番作りやすかった。深夜ということもあって、ときにはシュールなものを作りたくなったりもします。だから「若者のノリだけで作らないで」と、むしろ親とか年寄り世代にも受け入れられるように「ベタな番組を作ろう!」と言ってたんです。さらにまた、「どんな下らないことを扱っても、品格ある番組にしよう!」とも。いまはいちいちそれを言わなくてもみんなわかっています。ちなみに、ディレクターの年齢層は今、20代から40代後半までとバラエティー豊かになって、ビデオ作品の品揃えのバリエーションも豊かになってきています。 
 Q:依頼は、1週間にどのくらいありますか? 
 A:500通ぐらいです。最近グッと増えました。いままでは、手紙・ハガキか携帯メールだけで募集していたのが、PCからも受け付けるようになったので。これで100通ぐらいは増えたのかな。でも、普通の懸賞とかに比べたらすごく少ないですけどね。 
 Q:依頼を取り上げる基準はどういうところにあるんでしょうか? 
 A:依頼文の中に“核”があるものを探すんです。たとえば子どもの依頼人も非常に多いんですが、文章がヘタクソだったり短かったりして、表現がすごく拙いケースが結構あります。しかし、その裏側には少年のものすごい思いが込められている可能性もある。電話してしゃべったりして「ああ、本気やなぁ」と感じられたらいきますね。ついこの間撮影したのは、「野球の審判員になりたい少年」。依頼としては単純だったんです。「みんなは野球選手になりたがってるけど、僕は野球の審判になりたいです。どういうふうにしたら審判になれるでしょう?」。でも話してみたらすごく熱心で、やってみたらものすごく一所懸命やる。本物の審判員に指導してもらって、最後は大人の試合の審判を本当にやるんです。いろんなシチュエーションを作って彼を試すんですけど、乱闘が起きたとき、彼、ちゃんと大人の中に割って入ろうとしましたからね!「審判になりたい」っていうだけじゃ、企画として面白いかどうかはわかりませんよね。でもここに真剣な少年の思いがあり、それに大人たちが感銘を受けて、是非なんとかしてあげたいと考え、実際に教える過程で少年はグングン伸びていく……同じような依頼文でも、個人の思い入れの強さで、面白さは全然違うものになるんです。“核”っていうのはそういうことですね。 依頼自体は地味なものでも何でもいいんですよ。
 Q:21年やってこられて、松本さんが個人的に面白かったものはなんですか? 
 A:うーん、どれもこれも印象深いんですが……たとえば、マネキンと結婚したい女の子かなぁ。これが一番面白かったというよりは、象徴的な人だったので。つまり「危ない人」なのか、「TVに出していい人」なのか。そういうきわどいところを見極めなくてはいけないのもナイトスクープです。このときは、ディレクターが依頼人を呼び出して面接したんです。本気なのか、冗談半分なのか。本気だとして、テレビに出しても大丈夫か。面接したディレクターは「これは純愛だ!」って感じたんです。そう確信して、結局マネキンとの結婚式までやったわけです。 依頼文は、それだけ見たらいろいろな解釈ができます。最初は「危ない人なんじゃないか」と見えるかもしれないけれど、探偵がその人の味方になって一緒に調査し、「とってもすばらしい人なんだ」と親しみの持てるところまでわずか10分そこそこのVTRでもっていってしまう、その醍醐味を味わってほしいと、私たちは視聴者に問いかけ続けているわけです。そういう作品ができたときはすごくうれしいですね。最初やばいんじゃないかとも見えた依頼人が、「かけがえのないすばらしい日本人である!」というふうに見えてくる瞬間があるんです。 
 Q:依頼の傾向を教えてください。 
 A:放送しているバリエーションが、まさに依頼のバリエーションとイコールなんです。だから傾向っていうほど偏ってはいないです。まあ「誰かを捜してください」とかっていうのが何割かを占める程度で。採用しにくい依頼の傾向はありますよ。「友だちが結婚するんですけど、盛り上げるアイデアが何もないので、一緒に考えてください」とか。結婚式だけじゃなくて卒業記念とか謝恩会とかも盛り上げてほしいと。これはちょっと採用しにくい。あとはね、「芸能人の○○さんが好きですけど、1日デートをさせてください」とか。こんなもん、できるかーっ!ってね(笑)
 http://www.tvco.tv/interview/index.php?action=detail&id=115
 ■第3話 ⇒ みんなに観てもらいたい!なんでもない人たちの人生の1ページ。 
昨年は『探偵!ナイトスクープ』20周年イヤーで、記念特番として6月20日に『グランドアカデミー大賞』を2時間で放映した。キャパ2700人の大阪国際会議場を会場に、大いに盛り上げ、結果、視聴率23.5%、シェア50.5%を達成したという。これは、すべての層に向けて番組が発信されているから。そして松本氏、ある思いを実感したという。それは「紅白歌合戦に負けない」。 そんな番組作りと、これからの話。松本氏のボルテージもガンガン上がるのである。 
 Q:番組の冒頭に、番組の趣旨説明がテロップで出ますね。 
 A:「この番組は、視聴者から寄せられた依頼にもとづいて…」という。黒バックで30秒ぐらい使って。あれはなぜですか? あれは私がいちばん最初に書いた企画案の文章を簡略化したものなんです。こんな形で番組の趣旨を放送する番組は、たぶんTVの世界にはないだろうと。今でもずーっとやっているのは……音楽を流すためにはそれなりの寸法が必要ですからね(笑)。あのテーマソング、みんな気に入ってるんですよ。視聴者にナイトスクープの世界に入り込んでもらうためのアプローチの行進曲、そこで脳波が「楽しもう!」っていうモードに入っていく。大人の人はおそらくお酒呑んだりしながら、「さあ今晩も楽しもうか」って思ってくれる。そのための序曲ですね。 
 Q:探偵が捜査に行き詰まったとき、いろんな専門家に電話をしますね。あの状況でみなさん初めて電話をしてるんですか? 
 A:探偵さんは、VTRに映っているまんま、初めて電話をしています。ナイトスクープには台本はありません、すべてアドリブで展開してゆきます。世の中のバラエティでは、台本を暗記しながらロケしていると聞いていますが、ナイトスクープはまったく台本はないんです。ですが……捜査に同行しているディレクターは、たまにヒミツを握っているときがあるかもしれません(笑)。 
 Q:これ、聞いていいのかどうかわからないんですが、グーグルとかで調べれば一発で解決する依頼も……。 
 A:ナイトスクープでは、インターネットというものは“ない”ことになっています。そんなものは知りません(笑)。捜査していく過程の人の輪が面白いのですからね。簡単に片付いてしまえば、ビデオにして1分もかからずに終わってしまう。そんなの何も面白くないでしょ? 楽しく回り道をしながら核心に迫ってゆく、これはナイトスクープの輝く芸風のひとつです。 現在インターネットはすごく普及していますから、グーグルで一発で解決するというような依頼は、実際問題として、まず届きません。 
 Q:撮影のときには、カメラが絶対に前に出ないと聞きました。 
 A:だいたい横からか後ろから。たまに前に出てバックしながら撮ることもありますけど、絶対に先回りして待っているようなことはない。臨場感を大切にしているので。旅番組とかグルメ番組が撮る画のキレイさは求めてないんです。事実を探り当てるというドキュメンタリー性が大事。先にカメラ位置を決めて三脚立てて待ちかまえるような、映画みたいなことはできません。三脚なんか使ったことがないですよ(笑)! 
 Q:テロップで突っ込んだり笑わせたりするツッコミスーパーというのがありますね。あるいはコメントフォロースーパー。いまでは当たり前になった技法を開発されたようですが、ナイトスクープが開発したそうですね。 
 A:東京のテレビ局が盛んに使い始めたのが90年代半ば。私らは88年からやっているんです。スーパーは、必要なところだけに、うまーく出す。スーパー出して笑いを取る。コメントフォロースーパーも同じ。スーパーテロップで笑いを取るというのは、ものすごくセンスのいる高度な技術なのです。東京の番組の中には、とにかく機械的にいっぱい入れていくのが多い。ナイトスクープは、そういうセンスのない入れ方は最初からしていないですよ。 
 Q:ナイトスクープはただ言ったことを出すのではなく、ちゃんとツッコミになっている。 
 A:多くのバラエティ番組と違うところは、何百人ものお客さんの前で収録しているという点です。寄席と同じで、楽しむために来ているお客さんが何百人もいる。そんなみなさんに爆笑していただくために、あらゆる努力と工夫をしようとスタッフの誰もが考えた。スーパーテロップも爆笑を誘うためのひとつの手段として確立されていったんです。 
 Q:あ、そうだ! お客さんを入れてますよね。公開録画にしているのはなぜですか? 
 A:笑い声を拾いたくて入れたんです。当初はスタジオに階段席を組んで、50人ぐらいかなぁ。いまは多くのバラエティ番組で、スタッフとかADが笑ったり、そうでない場合は笑いのSE入れたりしているでしょ? でも私たちは普通のお客さんに、ホントに面白いところで笑ってもらって、それをオンエアしたいと思ったんです。最初はそういう規模だったのが、人気が上がってきて、「会場に行きたい」というハガキがいっぱい届くようになった。「この数ならABCホールをいっぱいにできるな」。少ない笑いよりも多い笑いの方がいいに決まっているので、思いきってホールで収録するようになったんです。50人の笑い声が一気に600人になりました。 もう「笑い声を拾う」とかいう話ではなく、こうなると本番をやるだけで、この番組が面白いのかどうかたちどころにわかるんです。お客さんは基本的に笑いに来ているので、そんなに面白くなくても笑ってくれるんですが、ホントに面白いときは会場がどよめきに包まれるんですよ。お客さんが観ている顔を見ると「ああ、これはやっぱりオモロイんや!」とすぐわかる。そこから作り手として「次回どうすべきか」が見えてくるんです。この編集はまずかったなあ、笑いを誘うところまでが長すぎてだれたなあ、もうちょっとタイトにしよか……とか。  左、探偵から見る  
 Q:目の前にモニターがちゃんといるんだと。 
 A:笑いの数、リアクションの大きさ、それはディレクターにとっての成績表なんですよ。司会者や他の探偵がどう見るかも気になるでしょうけど、お客さんを見ていれば、どの作品がベストだったかはすぐわかる。ここで得られる大爆笑感は、ディレクターにとってはエクスタシーですよね。この喜びが「おれはすごいんだ!もっと面白いのを作ったる」という自信と意欲につながっていくんですよ。 
 Q:収録にはどのくらいの時間がかかってますか? 
 A:本番の日は6時過ぎにスタートして、2本撮って終わるのが8時30分ぐらい。あいだの休憩が20分あるので、1本1時間……ほとんど編集していないですね。収録は、5分オーバーぐらい。効率のよい番組です。 
 Q:初代局長の上岡龍太郎さんが2000年春で降板して、2001年から現局長の西田敏行さんに変わりました。上岡さんって、番組誕生のきっかけにもなった、いわば“顔”で、まったくキャラクターの違う二代目局長がやってきました。すごい英断ですね。 
 A:21年前、上岡さんは非常に希有なタレントでした。司会進行するときはシャープな司会者でしたが、徐々に増え始めていたフリートークの番組とかナイトスクープではズバリ本音を言ってくれました。当時、本質を見極めて理屈のある辛口なコメントのできる人がテレビ界にあまりいなかったんです。ところがここ10年ほどテレビ界を振り返ると、上岡さんの劣化コピーみたいな人ばっかりなんですね。ワイドショーのコメンテーターでもズバリ、ばっさり、斬りまくり。日本のTVはそうなってしまった。では西田敏行さんのキャラクターはどうなのか。ピュアで感激屋ですぐ泣いてしまう……西田さんって「かわいそう」と思って泣くんじゃなくて、うれし泣きなんですね。「よくやった!」「すばらしい!」というピュアな心の涙。平成のこの時代に、みんながわれもわれもとさかんに毒舌を吐いているこの時代に、ひとりだけピュアな心で「僕は感動してしまいました。泣きます」っていう人が現れたんですよ。これは衝撃的じゃないですか! 折しも時代は癒しを求めていたところもありました。 
 Q:探偵局の局長に問われる資質とは、なんでしょう? 
 A:「この人にこれを見せたらどんな反応をしてくれるだろう」「この人の意見を聞いてみたい」という、大きな存在感ですね。僕らが10代のころ、若い作家の人たちは「自分の作品を、三島由紀夫ならどう見てくれるだろう」って意識してました。そういうミシマ的な存在感ですね。 
 Q:探偵の方はどうですか? 
 A:うーん……いろんなパターンの人がいないと面白くないんです。ジミー大西くんがいて、彼がやめると代わりに間寛平さんが入ってきた。ふたりともアホ路線ですよね。一方うまく依頼をこなしていけるスマートな人も必要です。松村邦洋くんみたいに、丁々発止ではないけれど独自の存在感で面白いビデオを撮ってくる人……いろんなキャラクターがいないと……というより、いろんなキャラクターがいてイイと思うので、これ、ひょっとしたら誰でもいけるのかもしれない(笑)。 
 Q:スタッフは何名ぐらいですか? 
 A:私のほかに栗田正和プロデューサーがいて、ABCのディレクターとプロダクションのディレクターが合計14名。ADが数名。構成関係が10名ほどいてますね。これがいつも会議に出るメンバーです。 
 Q:どういった層に観られてるんでしょう? 
 A:ほぼ全層です。深夜では、老若男女すべての階層を集めないと、テレビをつけている人の絶対数が少ないので数字は稼げないんですよ。ゴールデンだったら若者だけ、あるいはおばさんだけに発信していてもそれなりの数字はとれます。深夜は半分以上寝ていますので。 
 Q:いまこんなふうに全世代とれる番組って…… 
 A:私たちのライバルは『NHK紅白歌合戦』です。去年、『探偵!ナイトスクープ グランドアカデミー大賞』のときに実感しました。『NHK紅白歌合戦』の近年の番組視聴占拠率は40%台ですが、私たちの『グランドアカデミー大賞』は、なんと50、5%を獲得しました。 
 Q:参考にしてるもの、気になる番組はありますか? 
 A:『プロジェクトX』は好きでしたね。会社の歯車みたいな目立たない人たちが自分のすべてをかけて取り組んだことを丹念に見せる……たぶんに大げさに演出している部分もあったかもしれないけど、私らと共通してるところがあるような気がする。テレビの素人が主人公になってゆく点です。『鶴瓶の家族に乾杯』も、鶴瓶さんが地方に出向いていろんな人に出会って、みんな心を開いて接してくれるんですよね。これもナイトスクープと共通しているところがあって。一見なんでもない人の、よき人生の1ページを表に引っ張り出すところに共感できるんですよね。 
 Q:どんなことにこだわっていきたいですか? 
 A:テレビってもともととても大衆的なもので、ファミリーがみんなで観ていました。それがいつからか、それぞれが部屋で観るようになってしまった。いまちょっと時代が変わってきて、テレビが再び家庭のものになりつつあるんです。すごく映像のキレイな大画面テレビがどんどん発売されて、それを観るには家族が居間に集合しないといけなくなったから……つまり再び、私たちの番組のための時代が訪れようとしている気がするんです。深夜だけど、親と子が一緒に笑える番組を私たちは作り続けてきた。この間の『グランドアカデミー大賞』で、ずっとこの番組に関わってきた古株たちが言ってました。「こっちががんばったら、みんなちゃんと反応してくれるんやなぁ」って。「がんばらなあかんなぁ」って。 
 Q:まさに視聴者と共に生きてる番組ですね。 
 A:笑いのために素人さんを道具として利用したりするような番組はよくあるんですよ。でも「その人と一緒に幸せになろう」という番組はなかなかない。人を大事にし、絶対に視聴者をバカにしない、そして人を差別しない、それが私たちの誇りなんですよ。長い試行錯誤の末に、到達した境地です。仮に「ヘンだなあ」っていう依頼でも、そこには僕らの気づいていないすばらしい価値があるのかもしれない。そういう風に考えて、その人に寄り添う。そのマインドは今、番組に関わる者みんなにありますね。ナイトスクープは、みんなで築き上げてきたそんな心の王国なんですよ!……ハハハハ(照笑) 
(取材=小杉文彦/MEDIACo) 
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