児童虐待被害との戦いを制する 其の１５

僕は３０歳くらいまではほとんど精神科病棟にいて普通の暮らしがどんなものなのか解らなかった。自動車免許も取りに行ったが、昔の教官は怒鳴るだけで苦痛で途中で辞めてしまった。取りあえず通信制の高校は卒業したが、担任の教師からは早く自立するように言われていた。

後に自分の苦しさを何故周囲の人に訴えなかったのか聞かれたが、僕には狂った家庭以外知らなかった。そんな全てが敵だった状態から比べれば、難病があるとはいえ天国だと思える。同じような仲間もいたが２０代で自ら命を絶った人も多かった。その頃はＡＣではなく情緒障害児と呼ばれていた。だからＡＣに出会った時は夢見心地だった。

けれど難病が悪化し入院生活が始まり自分の運命を呪ったが、今は寛解し生きる喜びに溢れている。今まで縁がなかった女性にも恵まれお話しした女性の多くから話しやすくて楽しいと言われるようになった。
今まではＡＣ概念の素晴らしさを書いたが、ＥＭＤＲは即効性があり１時間ほどで３年分ほどの課題が解決する場合がある。昔は保険が効いたが今は自由診療しかない。催眠には３秒でかかるのでどんな苦しい想いでも話せるが、催眠が解けると興奮状態になり、死ぬ思いをすることになる。

先日有名なルポライターの講演があった。でも僕は行かなかった。ぼくより中身が無いかもしれないからだ。それだけ僕は実戦を積んでいる。僕が尊敬しているのは斎藤学氏だけだ。彼の人間性が問われる事もあるが、ＡＣに掛けている情熱は本物だからだ。これからどんな運命が待っているか分からないが、全力で臨みたい。