朝早く大阪を出まして、お昼に東京到着。東京都交響楽団のプロムナードコンサートを聴くために、そのままサントリーホールへ。大好きなチャイコフスキーの第4交響曲と、グラズノフのヴァイオリン協奏曲なのでテンション上がります。
プログラムは、
- チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」~ ポロネーズ
- グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.82
- チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
指揮のアクセルロッドさんは、去年の12月からずっと日本に滞在して色々なオーケストラと共演していますが、どれもが素晴らしい演奏だそうで。それにしてもレパートリーどれだけあるんだろ。
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チャイコフスキー(1840-1893)の歌劇「エフゲニー・オネーギン」と交響曲第4番は、ほぼ同時期の作品。傑作が続々と誕生した時期ですが、その背景には不幸な結婚があることを忘れてはなりません。結婚破綻後、失意のうちに海外へ旅立ち、スイス、フランス、イタリアで保養することになり、そこでこの2作品を書き上げます。
歌劇の内容は、厭世的な青年詩人エフゲニー・オネーギンと田舎地主の娘タチアーナを中心とするもので、タチアーナの一途な愛を拒絶したオネーギンが、時が経って侯爵夫人となって成熟したタチアーナに再開し、今度は彼の方がタチアーナに求愛するものの彼女に拒絶される、というもの。
「ポロネーズ」は、第3幕冒頭、ペテルブルクの上流階級の人々が集まるパーティで踊られるもので、極めて華やかな作品です。冒頭のトランペットのファンファーレが聞きもの。アクセルロッドが登場し、拍手が止むと間髪入れずにファンファーレ。熱気がオーバーアクションな指揮ぶりとともに伝わってきます。オーケストラをグイグイ引っぱっていく力がありそうです。
プログラム最後の交響曲第4番も同様に、アクセルロッドのドライブ感がすごい。華やかな「ポロネーズ」のファンファーレとは対照的に、第1楽章冒頭のホルンとファゴットによる運命の動機のファンファーレからかなり力が入り、熱のこもったものを感じました。音の強弱といい、テンポの緩急といい、一時も気が抜けない。第1楽章の終わり方は、バーンスタインが指揮した演奏によく似てました。バーンスタインの元で学んだことがあるので、影響を受けたんでしょうね。
第2楽章の哀愁を帯びた印象、第3楽章のおどけた感じと表情をコロコロと変え、再び第4楽章で大爆発。これだけブラスをガンガン鳴らすとは。耳が壊れそうです。それにしても、何度聞いても気分が盛り上がります。
プログラム2曲目。グラズノフ(1865-1936)の唯一のヴァイオリン協奏曲イ短調。本格的に作曲が行われたのが1904年で単一楽章で書かれています。
ヴァイオリンの富田心さんは、Coco Tomitaとして活躍中。2002年生まれ。2017年イーストボーン交響楽団ヤング・ソリスト・コンクール優勝。2019年ウィーン国際音楽コンクール、ベルリン国際音楽コンクールにおいてともに金賞受賞。カール・フレッシュ・アカデミーにれカール・フレッシュ賞を受賞。2020年BBCヤング・ミュージシャン2020弦楽器部門優勝。という素晴らしい経歴の持ち主。
緑のドレスで登場したCocoさん。冒頭の一音から貫禄のある響き。音がよく鳴り響き、情熱さと甘美さとを合わせもった表現力が感じられました。カデンツァでの高度なテクニックも素晴らしい。フィナーレでの華やかさも良かった。
アンコールは、エネスク(1881-1955)の「幼き日の印象」~ I. 辻音楽師Op.28-1。音がきれいで、テクニックも抜群。若いのに堂々としていて、これからの活躍に期待したいです。
グラズノフのヴァイオリン協奏曲のフィナーレでもトランペットのファンファーレが鳴り響きます。ということで、今日の3曲に共通するのは「ファンファーレ」でしょうか。2日連続の演奏会は今までにもありますが、今回は距離が長すぎた。疲れたので寝ます。