もう1カ月になるけど、
いまだにこの日のライブは自分の中で鮮明な記憶として残っている。
それは自分たちのライブだけでなく、
競演のみんなの素晴らしい演奏があまりにも印象的だったからだ。
ツダイーンの後に登場したレディオライダーズは、
往年のクラッシュを彷彿とさせる正統派パンクバンド。
パンクってテクニックを度外視した音楽と言われるけど、
「やっぱり良いパフォーマンスに技術は不可欠だ」
と思わせる、堅実でスキのない演奏を聞かせてくれた。
そしてボーカルのマサさんが迫力のある声で歌を乗せて行く。
MCでツダイーンを意識してくれている旨の発言をしてもらって嬉しかった。
自分たちの拙いパフォーマンスが少しでも刺激になったとしたら光栄だなあ。
そしてはるばるみちのくからやって来たハードロックバンド、
ロザリンド。
プロテクターに身を包んだ超テクギタリスト、トチ沢さんのプレイが引っ張り、
ボーカルのチヨさんが気合いの入った、それでいて女性らしい華やかな歌声で飾る。
さすがはUHUボス、シンヤさん一押しのバンドだ。
自分としてはロザリンドとショットガンブルースバンドが出演する日のステージに
立たせてもらえるということは、ボスに選んでもらえたということだと思っている。
本当にこの日の出演者で良かったと思えるステージだった。
そして不動のUHU選抜と言えば
青田ケンイチさん。
この日はサイドギャザーズを率いての登場!
このバンドには圧倒的なグルーヴがある。
メンバーが全開で暴れ回っているのに、調和がとれているのがすごい。
お互いを認め合って、阿吽の呼吸が出来ているのだな。
で、この時なんかひらめいたような感覚が自分の中にあった。
「ああ、こんなすごいところにいられるなら、悩むことないな」
実はこのライブがあった11月中にちょっと落ち込んだことがあって、
怒りのような悲しみのような感覚にとらわれていたのだ。
ツダイーンのステージもそれを吹き飛ばすべくがんばったんだけど、
アオケンさんのステージを見てなんか確信のようにふっ切ることが出来た。
ここでライブをやって自分が楽しんで、みんなに楽しんでもらって、
みんなが仲間になって行くのなら、
これまでこだわって来た小さなことを捨ててしまえる。
そう思ったんだ、すごくさっぱりした気分だった。
(つづく)