JQ7AREの「和文ラグチューができるようになるまで」

和文電信は激ムズです。
私が、和文で高速ラグチューできるようになるまでにやったことをみなさんと共有します。

ゼロから始める和文 その1

2023年05月26日 16時22分27秒 | 日記

みなさん、こんにちは。JQ7AREです。

今回からはシリーズで、ゼロから始める和文学習法をお伝えします。

第1回は、まったく和文をやったことない人が学習を始めることを想定します。

欧文での599BKやラバースタンプ交信はやったことあるけど、今まで「ホレ」符号を聞いただけで嫌厭していた。そんな人が和文を始めることになりました。

まず、何から始めたら良いか。

まずは、当たり前ですが、符号を覚えましょう。

欧文は26文字ですが、和文は倍の50文字あります。
がんばって「あいうえお〜」と順番に50音順に覚えていきましょう。

わたしは一日10文字ずつ覚えていきました。翌日になると、前日覚えた符号を半分くらい忘れていたので、復習しながら次の10文字を覚えていく感じです。

符号は一気に覚えた方が効率が良いので、休まず1週間くらいで一気に覚えてしまいましょう。

楽しくない作業なので嫌になるかもしれませんが、ここは踏ん張りどころです。

ヱとヰは会話では使いませんので覚えなくていいです。

 

ここで絶対にやってはならないことがあります。

それは「合調法(ゴロ合わせ)」です。

こればかりは絶対にやっては行けません。わたしも和文を始める際に、ローカルのOMさんから、合調法は絶対にやるなと言われました。

合調法で覚えてしまうと、符号を聞いた時に、一度脳内でゴロ合わせをしてから文字を導き出すことになります。

これでは、低速符号であればなんとか送受信できますが、スピードが上がると対応できません。

そればかりか、符号を聞くと、頭にこびりついたゴロがまとわりついて、まともに符号が受信できなくなる弊害まで出ます。これで苦しんでいる和文局が実際にたくさんおられます。

何度も言いますが、合調法でだけは、和文符号を覚えないでください。

 

では、どうやって覚えるかというと、簡単。
単に符号の音を聞いて覚えてください。

PCやスマホのアプリでモールス符号を再生できるフリーソフトがたくさんあるので、好きなものを使ってください。

わたしはJI1JDI局が作成された「モールス練習帳」というWebアプリにお世話になりました。

モールス練習帳
https://ditdah.undo.jp/morse-trainer/

ちなみにJI1JDI局は本当にすごい人で、モールス符号を楽しく覚えるためのアプリを数々開発されています。

さらに、和文ラグチューができるようになると「DitDahChat」というWebアプリで和文電信が楽しめてしまうので、その日を楽しみにして学習を進めてください。

DitDahChat
https://ditdah.jp/ditdah-chat/

 

符号を何度も何度も流して、音で覚えるようにしてくださいね。

最初のうちは、受信の方が送信より難しいので、ひたすら受信しながら符号を覚えてください。

この方法で、1日10文字、1週間で50音を一気に覚えましょう。

10wpmで符号単体をランダム再生して、ほぼ取れるようになったら完了ですので、次のステップに進みます。

 


アマチュア無線の和文電信はなんでもありです(無線規則を守る限り)

2023年05月01日 18時03分38秒 | 和文ラグチュー

 

私は毎晩144Mhzでローカル局と和文交信を楽しんでいます。

このローカル局は私の師匠なのですが、いつも大切な事を教えてくれます。

 

アマチュア無線を続けていく上での心構えや、和文の楽しさ(難しさ)など、様々なアドバイスを数え切れないほど与えてくれました。

今でも毎晩の交信で、はっと気付かされることがあるので、自分の技術を磨くことに加え、会話すること自体が楽しみになっています。

 

聞いた時点では理解できなかったことも、いろんな局と交信を重ねていくうちに、自分の中で腑に落ちる瞬間がありました。

 

今回は、私が師匠から教わって、今でも心に留めていることを紹介します。

 


 

その1

 アマチュア無線での和文電信はいくら速くてもいい

 

いきなり元プロの方から怒られそうですが、私もそのとおりだと思います(思うようになりました)

 

プロの通信は一言一句間違ってはいけませんので、確実に書き取って、他者にも共有できるようにしなければなりません。

記録も残さなければなりませんからね。

 

しかし、アマチュア無線の世界は違います。

 

アマチュア無線は趣味なので、いくら高速で送信しようが、送信内容を間違って取ろうが問題ありません。

普段の対面での会話でもあるじゃないですか。他愛も無い会話のときは、全部聞こえなくても適当に推測して返事したり、冗談で返したりとか。

方言、口癖、なんでもありなんですよ。

みなさん、まずは気楽に行きましょう。

 

「和文電信は相手に伝わることが重要なので、ゆっくり確実な符号で打たなければならない。」

これ、よく耳にする言葉なのですが、高速ラグチューができる和文局同士であれば30wpmでも通信可能なので、わざわざゆっくり打つ必要はまったくありません。

例えば7Mhzなんかは全国放送(条件が良ければ全世界放送)なので、たくさんの局がワッチしているでしょうが、別にみんなに聞いて欲しくて電信を打っているわけではなく、相手局と自分がコミュニケーションを取っているわけですから、お互いが意思疎通できる最大スピードで符号を打っても、誰からも文句を言われる筋合いはないわけです。

 


 

その2

 受信よりも送信の方が遥かに難しい

 

今、CWの受信訓練をされている方は、耳を疑うような言葉ですよね。

 

私も師匠から何度もこれを聞かされて、信じることができませんでした。

だって、そこそこ送信はできるようになっても、受信だけはいつも緊張の中、集中力を全開にして挑んで、それでも取れなかったり・・・

受信ができなければ、自分の番が来たときに何を打ったらいいか分からない。

悪循環に陥り、頭が真っ白・・・

初心者の頃、皆さんもこんな経験があるのではないでしょうか。

 

ところが、実際のところ、受信よりも送信の方が遥かに難しいです。

最初は受信で苦労しますが、28wpmくらいの速度が取れるようになると、送信の方が難しいと感じるようになります。

受信は何も考えなくても符号が頭にダイレクトに入るようになりますが、その速度で、ミス無く送信するためにはかなりの訓練が必要になります。

私の師匠はたまに、「自分の送信技術を点検している」ようなことを言いますが、50年以上和文を続けてきた人でもそうなのかー、と感じてしまいますね。

ちなみに私はエレキー符号だと34wpmあたりまでは楽に受信できますが、その速度で送信するとミス連発になってしまいます。相当練習してもこの速度でよどみなく打ち続けるのは困難な作業だと思います。

 


 

その3

 高速送信の練習をしないと、受信が速くならない

 

これはとても大事なことです。

高速で送信できるようにならないと、受信速度が上がりません。

 

私は最初、何のことを言っているのかさっぱり分かりませんでした。

だって普通、和文の受信練習するときって、遅い符号から受信訓練を始めて、徐々にスピードを上げていきますよね。

私も最初の3ヶ月くらいはそうしていました。

 

しかし、師匠との交信が始まったころ、師匠はこう言いました。

「いつもあなたが打てる最高の速度で打ってください。私はどんな速度でも聞き取れますから気にせずに。ミスしまくってもいいので、とにかく速く打ってください。」

「みんな勘違いしてるんだけど、受信が速くなるためには、自分が速く送信できるようにならなくちゃいけないんだよ。」

 

狐につままれたような気分になりましたが、指示にしたがって、がむしゃらに、ミスしまくりでも、とにかく速く打電することを心がけました。

おそらく、エレキーにすると26wpmくらい。もちろんミス連発。

こちらがいくら高速で打っても、師匠は一定の速度で打ち返してくれます。

私は卓球のサーブマシーンに向かって毎回スマッシュで返しているような気分になりました。

 

こんなスポーツの特訓みたいなことを続けて(3ヶ月くらい続けたあとでしょうか)この言葉の意味がしみじみと理解できました。

高速で送信できるということは、頭で考えることなくその符号のリズムを指からキーに伝えることができるということです。

逆を言えば、符号のリズムを聞いただけで、文字に復元できるということになります。

 

うまく説明するのが難しいですが、これが速く送信すると受信が速くなるという原理なのです。

こればかりは、あなたが自身で体験してみてください。感動しますよ!

 


 

今回ご紹介した3つは、今でも目からウロコだ!と感じる金言です。

逆説的で遠回りしているようでも、実は最短距離で和文ラグチューができるようになる心構えなのです。

 

最後に、高速和文ラグチューでは2つの楽しさを感じることができるということをご紹介します。

1 相手の技量へのリスペクトと、それに対応できている自分の技量の満足感から、交信中に興奮してきます。(アドレナリンが出ます)

2 短時間でたくさんの情報が交換できますから、通信内容も充実します。

高速打電の爽快感は、できる人しか味わえない境地です。