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アメリカの先住民族、ホピ族の神話の中にSF的なアトランティス文明の話が出てくるからだ。
メシア──世界唯一のスケプティックハンター。懐疑論者の嘘を暴く達人。
リネンちゃん──メシアの弟子。
リネンちゃん 山本弘さんはと学会の『トンデモ超常現象99の真相』の中で次のようなことを言っています。
(前略)一方、プラトンが言ってもいないことを主張する者も多い。「アトランティスには現代を上回る高度な科学技術が存在した」とする説がそれだ。プラトンの文章の中には、オリハルコンという正体不明の金属について言及されてはいるものの、それ以外の点では、高度な科学技術の存在を示唆する部分はまったくない。爆薬、電気、飛行機、テレビ、原子力といったものは、プラトンの文章のどこを探しても出てこないのだ。本当にそんな驚異的な科学力があったら、それこそ伝説として語り継がれそうなものである。
実はそれを言いだしたのはプラトンではなく、19世紀イギリスのオカルティスト、ウィリアム・スコット=エリオットなのである。彼は霊視によってアトランティス人たちの生活を知ったと主張した。アトランティス人は「ヴリル・パワー」という未知のエネルギーを用い、時速200キロで飛ぶ飛行機(えらく遅い飛行機だ)で戦い、超能力も持っていたという。スコット=エリオットの描写するSF的なアトランティス文明は、プラトンのそれとはまったく異なっていたのだが、大衆には受けがよく、いつの間にかこちらのイメージのほうが定着してしまった。
現代では、「アトランティス文明が空飛ぶ亀の怪獣を作っていた」と言っても、誰も不自然には感じなくなっているのである。
メシア 実はあまり知られてないんだけど、アメリカの先住民族のホピ族の神話の中にもアトランティス大陸は出てくるんだ。
リネンちゃん えっ!それははじめて知りました。
メシア その中に「空飛ぶ盾」と呼ばれる宇宙船が出てきて、SF的な話が展開されるんだ。
ウィリアム・スコット=エリオットの霊視が正しいかどうかはわからない。
しかし、プラトンがSF的なアトランティス文明について言及しなかったのは、アトランティス大陸にそのような時代があったことを、単にプラトンが知らなかっただけだと思われる。