BONNIE PINK TOUR 2005 “Golden Tears”
10/22@東京厚生年金会館大ホールから始まった“Golden Tears”ツアー。
その2日目、10/23(日)@東京厚生年金会館大ホールのライヴレポを。
ネタバレなので、嫌な人はスルーで。
鼻水ズルズル、クシャミ連発の最悪に近い状況のなか、ボニピンのライヴに行ってきました。
座席はステージ左寄りの前から7、8列目。角度をそれほど考えなければ、なかなかいい座席。
暗転前は、小鳥のさえずりや風のざわめきのようなSEが流れる。
新譜『Gorden Tears』のリード・シングル「So Wonderful」のPVでは、自然観ある景色を雨が降り注ぐ中前進してくるのだが、その自然観ある景色を想起させるようなSEだった。
暗転。
オーディエンスは総立ちでメンバーを迎える。
メンバーは、左奥にキーボード・奥野真哉(ソウルフラワーユニオン)、左手前にギター・“アイゴン”こと會田茂一(EL-MALO)、センター奥にパーカッションのナナ、右奥にアメリカ人ドラマー(FROM NY、名前失念)、右手前にベース・高桑圭(GREAT3)という布陣だったと思う。(かなりうろ覚え)
そして、浅田香織 a.k.a. BONNIE PINK。
新譜、タイトルツアーにちなんで金色のオートクチュール・ドレスを着こなしての登場。
今回は10周年ということで、MCでもそのことに触れていた。
10年というと決して短くはないが、ステージは衒うことなくいたってシンプル。
あくまでも自然体でありのまましかないというスタイルは、変わってない様子。
その他、MCでは、
・かなり緊張して眠れず、自分で書いた詞が覚えられず悪戦苦闘していて、羊が一匹、二匹…の代わりに詞を覚えていた。
・昨日、10周年に因み、10時間寝たが、マライア・キャリーは12時間寝たということで、まだまだだな、と。今日のライヴでクタクタになるまで歌って、12時間寝てみようと思う。
・ドレス姿でいいスタイルに見えるけど、靴の中は五本指ソックスを履いている。
などなど言っておりました。
◇◇◇◇◇◇
ありのまま。
BONNIE PINKは10年のキャリアで、自然体のスタイルを崩さずに貫き通してきた女性ヴォーカリストだ。
その持ち味は、高音へ一気に突き抜ける独特の浮遊感と、湿度を表立ってはそれほど感じさせない爽快感だ。
比較するにはやや強引過ぎるかもしれないが、独特の浮遊感を持った女性ヴォーカリストとしては宇多田ヒカルもそう。
宇多田ヒカルは、一気に突き抜けるというよりは、低い重心を保ったまま、日本的な情緒や陰りを持ったまま揺らぐという、湿度を感じるヴォーカルだ。空で言えば曇天のような、地域的には東欧的な匂いがする。過去を引きずりながら、今という時間に存在価値を見つけようとしながら漂うその表現方法が、日本人の心の糸を弾くのだと思う。
一方、BONNIE PINKは湿度がない訳ではないが、どちらかというとアメリカ的というより西欧的な、偏西風のような清々しさとポジティヴさが際立っている。もちろん、日本人的な細やかさを持っているのだが、現在から未来を見据えるような先進性が見て取れるのだ。
この日のライヴも、MCは短めに、淡々と新譜の曲を中心にこなしていく。
ギターを片手にして歌う姿は、訴えかけるというほどしつこくはないが、浸透水のようにスーッと肌に耳に脳に馴染んでいくその加減が、ついつい足を目を身体を傾けてしまう魅力なんだろう。
前半は緩やかな感じ中心に。
アコースティックなギターを中心にして、自然体で泳ぎながら、適温を察知していくバランス感覚がイイ。
そして、枯れた地にはオアシスとなり、潤いの地にはさんさんと降り注ぐ陽の光となり、豊かな地にはそよ風となって、音の滴を投げかけていく。
さらに、彼女の持ち味には、意志の強さもある。
潤いを与えるような母性的な一面もあれば、目を見張り突き抜けようとする芯の強さも垣間見られる。
「Only For Him」や「Heaven's kitchen」そしてラストの「Do you crash?」で魅せたようなロックな先進性を持ち合わせていて、その表情の多彩さが、ヴォーカルやサウンドに柔軟性をもたらせているのだろう。
ありのままに、しかしながら柔軟なフットワーク。
その自在性が信念を持った音楽を表現できる強みなのだ。
BONNIE PINK。そのPINKは派手なピンクではなく、人肌の温かみを持った色彩のピンク。
体温を感じ、適温を察知するレーダーでこれからも、心地よい音楽を提供してくれるだろう。
<SET LIST>
01 Coast to coast
02 Wildflower
03 日々草
04 Addiction
05 Robotomy
06 I just want to be happy
07 Paradiddle-free
08 Mirror
09 Trust
10 Rise and Shine
11 Believe
12 Cotton Candy
13 Present
14 Building a Castle
15 Only For Him
16 Private Laughter
17 Ordinary Angels (original:Frente!)
18 Heaven's kitchen
19 So Wonderful
<ENCORE #1>
20 You Got Me Good
21 Tonight, the Night
<ENCORE #2>
22 Do you crash?
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