*** june typhoon tokyo ***

HONEY DIP@Billboard Live TOKYO


 2014年もあと僅かとなった12月29日。90年代に渋谷ハーレムで毎週火曜日に開催されていたイヴェント“Honey Dip”が、当時同イヴェントのメインDJを務めていたDJ HASEBE、DJ WATARAI、YANATAKEによって“イヤーエンド・パーティ”として復活。時を2014年、場所をビルボードライブ東京へと移しての〈HONEY DIP -Back In The Dayz 90's“Year-End Party”〉へ駆けつけてきた。
 DJ HASEBE、DJ WATARAI、YANATAKEと日本を代表するDJたちのプレイももちろんだが、90年代のR&B“ディーヴァ”ブームにも名を連ねた露崎春女、嶋野百恵、傳田真央がスペシャルゲストに来るということで、特に嶋野百恵目当てで参加を決断。会場は普段テーブル席がある3階フロアをスタンディングにしたクラブ仕様に。さらに、通常ならライヴ開始時には閉まるステージ後方のカーテンを開けっ放しにして、六本木の夜景を背景にしながらフロアにはミラーボールが回るという“らしい”空間演出でキラー・チューンが次々と繰り出されていく。

 “最後に青春の曲をかけます”といってm-flo「come again...and again!」などで煽ったYANATAKEのDJタイムを終え、DJ HASEBEにスイッチ。MCを挟んでスペシャル・ゲスト登壇によるライヴ・セクションがスタート。最初は傳田真央が登場。メジャー・デビュー曲となった「耳もとにいるよ…~Ring the bells~」などを披露した。



 傳田真央は2000年にメジャー・デビューだから、“J-R&Bディーヴァ”ブームとしては後発の部類で、その後GTSにフィーチャーされたりと、個人的にはR&Bというよりクラブ・シンガーのイメージが強かった。一時期に“MAO/d”名義で再デビューしていたのも今は昔。キラキラした楽曲は近年のセツナ系R&Bの先駆かも。

 続いて目当ての嶋野百恵。「baby baby,service」「45℃」「Hot Glamour」の3曲を。DJ HASEBEに“エロイ”と言われていたキース・ヘリング柄の背中をパックリと開けたワンピース・ドレスで歌う。当時は歌謡曲じゃないかとかヒップホップ・ソウルなのかブラコンなのか解からないなど言われていたが、この日の3人のなかでは一番“黒い”サウンド。オリジナル・アルバムが久しくリリースされていないが、彼女が2010年代としてどのような楽曲をアルバム単位で構成するのかを、改めて聴いてみたいと思った。
 それと、やっぱり各3曲は物足りない気が。3曲でも次のようなコラボがあったら、そこまで文句は言わないけれども。



 ライヴ・セクションの最後は露崎春女。一時“Lyrico”名義でも活動していた。彼女は当初“和製マライア・キャリー”と呼ばれていて(個人的には“真矢みき”の方が近いと思うが……笑)、ゴスペルの経験もあって確かに歌唱力は圧倒的なもので、この日もその一端を「Believe Yourself」などで見せていた。



 ただ、彼女は1995年デビューということもあり、曲風も素地もR&Bというよりはブラコンで、ジャズやフュージョン・シンガーへの親和性が強そうな印象を持っていた記憶がある。R&Bの新星かと思ったら、次第にポップ・シンガーへとシフトを移すというタイプ……それも“和製マライア”として本家同様に適合しているといえば、そうなのかもしれない。

 3名のライヴを終えると、DJ WATARAIにスイッチ。DJ WATARAIはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDへ多く楽曲を提供していた……というよりも、MUROをフィーチャーしたMISIAの「つつみ込むように…」のリミックスを手掛けて、MISIAを一躍J-R&Bディーヴァ・ブームのトップへ押し上げたDJといった方が解かりやすいかもしれない。元来、陰影のハッキリしたキラー・フレーズを強調する作風が特色だと思うが、このステージでも90年代のヒップホップ、R&Bのネタをふんだんに仕込んだトラックで盛り上げた。

 最後はDJ HASEBE。個人的にはBONNIE PINKやm-flo、Crystal Kayらのリミックスをよく聴いていた。洒落っ気のあるアレンジ/リミックスをし、原曲の素材を壊さずに色彩を鮮やかにする印象あるが、ここでは時には宇多田ヒカル、Crystal Kayらの楽曲も組み込んで、90年代の音楽で楽しませてくれた。

 ビルボードライブでのクラブ・イヴェントという良き90年代の思い出を甦えらせるようなアーバンなスタイルのステージが、2014年のライヴ納め。来年も良き音楽に出会えるよう期待しながら、六本木を後にした。(アフター・パーティに行かなくてすみません)

◇◇◇

<MEMBER>
DJ HASEBE(DJ)
DJ WATARAI(DJ)
YANATAKE(DJ)

露崎春女(vo)
嶋野百恵(vo)
傳田真央(vo)






◇◇◇

 RHYMESTERでは「B-BOYイズム」「The Choice is yours」などがかかっていたけど、「B-BOYイズム」の例のフレーズはやっぱり盛り上がっていたな。

Jimmy Castor Bunch/It's Just Begun


 また、デスチャ、SWV、ジャネット、マライア、メアリー・Jらの楽曲が矢継ぎ早にフロアを熱くしていったが、なかでもこの曲がヴォルテージを上げていた。実に懐かしい。

Chante Moore - Straight Up


 もちろん、オールドスクールな定番ヒップホップもガンガン流れていたのだが、そこは言及し始めると収拾がつかなくなるので割愛。(笑)

 初期m-flo好きな自分としては、YANATAKEがm-flo「come again...and again!」をプレイしている時にさりげなく「Mirrorball Satellite 2012」(「flo jack」もあったか?)を忍び込ませていたのに胸が熱くなったりも。

 さらに、いわゆるダンクラ曲もセレクトされていて(開演前BGMがそもそもクール&ザ・ギャングだったりしたし)、マクファーデン&ホワイトヘッド「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ」なども。全然90年代の楽曲じゃないけど。(笑)

McFadden & Whitehead - Ain't No Stoppin' Us Now


 超名曲。

 と書き出すと本当にキリがなくなるので、この辺で。

 
 後日、恒例の身勝手なライヴ・アウォードを発表したいと思いますが、いましばらくお待ちください。(誰も待ってないか)












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