ライヴカルチャーに希望の灯が見え始めた2022年。
1年間で観賞したライヴのうち、特に印象深かったライヴを独断と偏見で決めようという拙ブログ恒例企画〈マイ・フェイヴァリッツ・ライヴ・アウォード〉を2022年もエントリー。依然コロナ禍が終わらず、完全にかつてと同じようなライヴ・スタイルで行なわれている訳ではないが、それでも次第にさまざまな制限が緩和される方向へ進み始めているのは、良い兆しといえる。
近2年のライヴイヴェント観賞数は、2020年は25、2021年は28と30を割っていたが、今年は55と大幅にアップ。これまで自粛傾向だったアーティストがライヴを積極的に開催する方向へと舵を切り始めたことに加え、外国人アーティストの来日が可能になったのも大きい要因の一つだろう。数年間来日公演を中止ではなく"延期”としていたサンダーキャットをはじめ、来日アーティストのライヴを9公演も観賞出来たことが、自身のライヴ観賞数アップにも繋がっていた。
2022年の超私的ベストアウォード企画〈マイ・フェイヴァリッツ・アウォード〉のライヴ篇は、引き続きノミネート形式はとらず、観賞公演の一覧を列挙した後に最優秀ライヴを発表していきたい。なお、本アウォードにおいては、観賞ライヴ一覧にあるインストア・イヴェントは対象外とする。
◇◇◇
【2022年観賞ライヴ/イヴェント一覧】
01 2022/01/16 Perfume@ぴあアリーナMM (*1)
05 2022/01/18 Nao Yoshioka@BLUE NOTE TOKYO
06 2022/01/26 〈生存戦略〉@高円寺HIGH 【HALLCA / 仮谷せいら / hy4_4yh】
07 2022/01/28 Mia Nascimento / 桐原ユリ @mona records
08 2022/02/13 WAY WAVE / ユメトコスメ @GARRET udagawa
09 2022/02/23 HALLCA @GARRET udagawa
10 2022/03/02 一十三十一 @Billboard Live TOKYO
11 2022/03/13 Furui Riho @Veats SHIBUYA
12 2022/03/27 脇田もなり / 天野なつ @Time Out Cafe & Diner
13 2022/04/17 FAREWELL, MY L.u.v / HALLCA @LOFT HEAVEN
14 2022/04/30 脇田もなり @Time Out Cafe & Diner
15 2022/05/03 FAREWELL, MY L.u.v @恵比寿CreAto
16 2022/05/03 WAY WAVE @TOWER VINYL SHIBUYA【インストア】※
17 2022/05/11 Soulflex @Billboard Live TOKYO
18 2022/05/16 THUNDERCAT @THE GARDEN HALL
19 2022/06/17 Mia Nascimento @mona records
20 2022/07/07 〈Like Sugar〉@新宿Red Cloth
21 2022/07/14 REBECCA @Billboard Live TOKYO
22 2022/07/17 FAREWELL, MY L.u.v @LOFT HEAVEN
23 2022/07/27 HALLCA @渋谷 7thFLOOR
24 2022/08/05 天野なつ @下北沢CLUB251
25 2022/08/06 HALLCA @代々木LODGE〈Hang Out!!〉
26 2022/08/11 WAY WAVE @GARRET udagawa
27 2022/08/17 脇田もなり @タワーレコード池袋【インストア】※
28 2022/08/19 脇田もなり @タワーレコード横浜ビブレ【インストア】※
29 2022/08/20 〈Softly Blue #3〉 @ROCK CAFE LOFT
30 2022/08/20 脇田もなり @HMV record shop 新宿ALTA【インストア】※
31 2022/08/21 Perfume@有明アリーナ
32 2022/08/26 THE ROOTS@Billboard Live TOKYO
33 2022/09/08 野宮真貴 with 矢舟テツロー・トリオ@BLUENOTE TOKYO
34 2022/09/15 Emma-Jean Thackray @WWW X
35 2022/09/19 FAREWELL, MY L.u.v @LOFT HEAVEN
36 2022/09/20 Nao Yoshioka @WWW
37 2022/09/23 脇田もなり @月見ル君想フ
38 2022/10/08 Joyce Wrice @Billboard Live TOKYO
39 2022/10/10 〈うたの秋味〉@下北沢LIVE HAUS
40 2022/10/21 MISIA @日本武道館
41 2022/10/30 Bruno Mars @東京ドーム
42 2022/11/07 Moonchild with special guest Kiefer @恵比寿The Garden Hall
43 2022/11/11 一十三十一 @Billboard Live TOKYO
44 2022/11/14 Niia @Billboard Live TOKYO
45 2022/11/22 天野なつ @下北沢CLUB251
46 2022/11/23 サリー久保田グループ FEAT. 清浦夏実/加納エミリ @タワーレコード渋谷【インストア】※(*2)
47 2022/11/29 BONNIE PINK @Billboard Live YOKOHAMA
48 2022/12/07 〈歌とおしゃべり 冬物語〉@mona records
49 2022/12/09 Blue Lab Beats @BLUE NOTE PLACE
50 2022/12/10 WAY WAVE @LOFT HEAVEN
51 2022/12/13 Roomies @BLUE NOTE PLACE
52 2022/12/14 INCOGNITO @恵比寿The Garden Hall
53 2022/12/18 宇佐蔵べに @新宿Marble
54 2022/12/18 AFRO PARKER @渋谷GRIT
55 2022/12/21 黒川沙良 @下北沢SEED SHIP
(*1)1/9、1/10、1/15、1/16の4公演を観賞
(*2)7/31開催予定「サリー久保田グループ FEAT. 加納エミリ トーク&ミニライヴ」延期分との合同開催:記事なし
※ インストアライヴ/イヴェント
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予約において思い違いがあり、4公演も行くことになってしまった(出費も大きかった…汗)PerfumeのぴあアリーナMM公演から2022年はスタート(Perfumeは夏の有明アリーナの杮落とし公演にも行ったから、年間5公演を観賞することに)。国内組ではチケット争奪戦となったREBECCAのビルボードライブ公演のような目新しいシチュエーションや、Soulflex、Roomiesなど初見となるステージを観賞出来たのは新鮮で良かった。以前からファンのアーティストの公演に行くのもいいが、これまで観ていないアーティストのライヴに足を運び、新たな発見をしたり、ファンとなったりするのは、自身の音楽体験を広げるという意味でも有益だということを改めて感じた。
海外勢では、前述したように「俺は必ず日本に行く……」というメッセージのもと、当初はコロナ禍の影響によって開催出来なかった来日公演を中止にせず(チケットも当初購入したもので対応可)、度重なる延期を乗り越えて2年越しに実現したサンダーキャットや、突如発表されて即完売、追加公演も大盛況に終わったブルーノ・マーズ、26年前にライヴを行なった同日同会場でのステージとなったインコグニートなど、強く印象に残るライヴが多かった。海外勢9公演のうち、サンダーキャット、ムーンチャイルド、インコグニートはいずれも恵比寿ザ・ガーデン・ホールが会場。スタンディング公演ということもあって、胸に強く刻まれそうだ。
今年初見となったのは、単独公演では、Soulflex、サンダーキャット、エマ・ジーン・サックレイ、ジョイス・ライス、ブルーノ・マーズ、ナイア、ブルー・ラブ・ビーツ、Roomies、宇佐蔵べに、黒川沙良といった面々。それぞれに刺激と好奇心をそそられるライヴを体感することが出来た。
それでは、2022年のマイ・フェイヴァリット・ライヴを発表する。
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【MY FAVORITES LIVE AWARD 2022 最優秀ライヴ】
★THUNDERCAT @THE GARDEN HALL (2022/05/16)
何度も言及している通り、ライヴ開催までの経緯やアーティストの想いなど、さまざまに期待を抱かせ、当日も圧巻のパフォーマンスを披露してくれたサンダーキャットのステージを、2022年のマイ・フェイヴァリッツ・ライヴにしたい。キーボードにデニス・ハム、ドラムにルイス・コールという辣腕を従え、終始フロアに感嘆の声が響いた、待望が心酔に昇華したステージだった。
ステージの質という意味では、ザ・ルーツのビルボードライブ公演もサンダーキャットに比肩するもの。ほぼシームレスに展開する彼らだからこそなし得るスタイルで、大いに興奮させてくれたが、来日公演開催までのストーリーと、ザ・ルーツが初見ではないという些細な要素を踏まえて、サンダーキャットを選出した。ステージパフォーマンス自体は、どちらも圧巻の一言。
そのほか、縦横無尽に駆け巡る奔放なグルーヴで息を呑む光景を演出したエマ・ジーン・サックレイ、気鋭のバンド・メンバーとの"変態的”なセッションを展開したNao YoshiokaのWWW公演、90~00年代のR&Bマナーをリッチにアップデートさせたジョイス・ライス、スーパースターぶりを遺憾なく発揮したブルーノ・マーズの東京ドーム公演、親日ぶりと絶妙なグルーヴで観客の熱度を高めたムーンチャイルドやインコグニート、飾らないながらも洒落っ気とライヴの愉しさを示してくれたAFRO PARKERあたりは、見応え、聴き応えあるステージとして特に記憶に残っていた。
コロナ禍の収束は見通しが立たないが、2023年は今年より一層ライヴ観賞に相応しい状況へと進展し、多くの素晴らしいステージを体感出来ることを期待したい。
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【MY FAVORITES LIVE AWARD 歴代受賞ライヴ】
■ 2005年
ERIC BENET@BLUENOTE TOKYO
■ 2006年
LEELA JAMES@O-EAST
■ 2007年
m-flo@横浜アリーナ
■ 2008年
洋楽部門:EN VOGUE@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:SOUL'd OUT@JCB HALL
■ 2009年
洋楽部門:ANTHONY HAMILTON@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:CRYSTAL KAY@NHK HALL
■ 2010年
洋楽部門:LEELA JAMES@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:久保田利伸@東京国際フォーラム(1日目の記事はこちら)
■ 2011年
洋楽部門:KYLIE MINOGUE@幕張メッセ
邦楽部門:久保田利伸@NHKホール(1日目の記事はこちら)
■ 2012年
洋楽部門:ESTELLE@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:Perfume@さいたまスーパーアリーナ
■ 2013年
Maylee Todd@Billboard Live TOKYO
■ 2014年
John Legend@パシフィコ横浜
■ 2015年
Lalah Hathaway@BLUENOTE TOKYO
■ 2016年
Jill Scott@Zepp DiverCity TOKYO
■ 2017年
Nao Yoshioka with Eric Roberson@ミューザ川崎
■ 2018年
Leroy Hutson@Billboard Live TOKYO
■ 2019年
Janelle Monae @Zepp DiverCity TOKYO
■ 2020年
久保田利伸 @BLUENOTE TOKYO
■ 2021年
AFRO PARKER @WWW X
■ 2022年(本記事)
THUNDERCAT @THE GARDEN HALL
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