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*** june typhoon tokyo ***

福岡 vs FC東京【J1リーグ】

 
 松木プロ初ゴールも堅守崩壊し、苦手な福岡に惨敗。

 前節、国立競技場が新しくなってから初のJリーグの試合となったG大阪戦を2対0で快勝したFC東京。その勢いを持って連勝に繋げたかったが、その試合終了間際にエンリケ・トレヴィザンが負傷。先日、4月20日の名古屋戦で負傷し、右腹斜筋筋挫傷で全治約4週間との診断を受けた森重に続いて、CBが離脱する形となり、どのように埋め合わせられるかが関心事だったが、いつもは左SBに配される小川を木本とのコンビで起用。だが、最終列からビルドアップしていくための要件の一つである、広範囲をスピードをもってカヴァーするというタスクが思うようにこなせず、青木がディフェンスラインに落ちてフォローしようとするものの、安部や松木は運動量こそ豊富だが、前へ重心が掛った際に中盤と最終ラインのスペースを与えてしまう。
 また、福岡の前線からの素早いプレスを躱すのに苦心し、ボールは保持しているものの推進力に欠け、何度もボールをブロックあるいはカットされる場面が散見。パスコースが限定されて出したチャレンジパスを奪われてカウンターという悪循環にも陥ってしまった。

 ケチのつけ始めは、序盤のクリアミスから。4分、立て続けにセットプレーでFC東京陣内へ攻め入った福岡は、ジョルディ・クルークスのCKから宮がヘディングシュートを放つも、FC東京DFがブロック。ゴール前が混戦となるなか、一度はディエゴ・オリヴェイラがボールを収めたかに思ったが、GKヤクブ・スウォビィクとの意思疎通がままならず、ディエゴ・オリヴェイラはGKが処理、ヤクブ・スウォビィクはディエゴ・オリヴェイラがクリアと双方がそれぞれに委ねてしまったことで、お見合いのような状況に。そこへ福岡の選手が雪崩れ込み、最後は宮が右脚で押し込む。山岸らのファールを主張していたFC東京側だが、オンフィールドレヴューにはならず、得点が認められ、福岡が先制。

 これでバタついたFC東京は、なかなか相手陣内へ攻め込むことも出来ず。17分にバングーナガンデからの速いクロスをアダイウトンがヘディングシュートで狙うもGK村上が好セーヴという場面もあったが、全体的にパスミスや連係ミスが多発し、各選手との距離も広がり、落ち着きを取り戻せず。福岡にカウンターを喰らう場面も少なくなく、最終ラインを上げられず。一方、福岡は、多少コンタクトの粗さが目立ち、ファールも重ねたが、コンパクトに距離を保ち、スピーディに前からプレスをかけるスタイルをキープ。運動量も豊富でボール保持率こそ低かったが、福岡陣内ではそれほどプレーをさせずに、心身ともに優位に立っていた感じも。

 それが油断に繋がったかどうかはわからないが、24分に志知のバックパスが勢いなく短くなったところを松木が見逃さず、素早くパスカットからGK村上をかわして無人のゴールへ流し込み、FC東京はラッキーな形で早い時間帯に同点に追いつく。これで流れを引き寄せ始めたFC東京は、長友のクロスからアダイウトンのヘディングシュート、アダイウトンの低く速いクロスにディエゴ・オリヴェイラが僅かに合わずなどのチャンスが続き、一気に逆転への流れも見え始めた矢先の38分、FC東京陣内で安部、青木などと混戦となった山岸がボールを奪うと、ドリブルを仕掛けてエリア内へ侵入。山岸に対してディフェンスの頭数は4、5人と揃っていたが、守る位置や人に対してのズレが響き、最後は木本や長友が身を挺してスライディングをするも及ばず。前半に再び勝ち越しを許してしまった。

 前半終えて充分に盛り返せる点差だったが、最も気を付けなければならない後半開始から10分の時間帯に失点。福岡は後半からフアンマ・デルガド、北島をそれぞれルキアン、田中へ交代させると、48分に左サイドから田中が上げたクロスにドンピシャのタイミングでゴール前へ駆け込んできたルキアンがヘディングシュートをネットに突き刺して、福岡が3点目。後半開始早々ゆえ、2点差は追いつけない点差ではないが、この日のFC東京にとっては、精神的なダメージを負わされたほぼトドメの一発に。その後は、幾度もディフェンスラインの背後を狙われて、FC東京は失点を重ねることになった。

 10試合で5失点とリーグ最少失点だったFC東京だったが、この試合だけで5失点。一方、10試合で5得点、そのうち7試合が無得点と攻撃に課題を抱えていた福岡は、この試合だけで5点を獲得し、今季リーグ戦ホーム初勝利。明暗がはっきりと分かれる結果となった。

 FC東京は森重、エンリケ・トレヴィザンの離脱で小川を急造CBに起用したが、結果的にこれが悪手に。小川はボールを収めてからパスを出すまでにワンテンポ置く“クセ”があるため、その間に福岡の前線からハードなプレスを受けて出しどころを失っていた。また、ポジショニングも悪く、青木がディフェンスラインへ下りてスペースを埋めようとすることがかえって小川の立ち位置を甘くさせ、対人でもことごとく抜け出しを喰らっていた。

 もちろん、小川だけの責任ではなく、2失点目の対応でも顕著なように、バングーナガンデの寄せの甘さ、小川とのコンビネーションでやや戸惑いや疲弊を感じさせた木本、CBの守備範囲を埋めることに重きをおくことになり、前線へのパス供給に影響が出た青木など、人がいるにも関わらず守り切れないというバランスと連係の悪さを露呈したこともあるが、CBの本職でない小川では対応が難しいことを証明してしまう結果に。CBは森重、木本、エンリケ・トレヴィザンのほかには岡崎、蓮川などがいるが、ベンチ入りメンバーとしても選択肢に挙げられなかったとなると、木本以外に使えるCBが不在という緊急事態といえる状況だ。次節は福岡と同様に相性が悪い、リーグでの対戦が5連敗中の鳥栖が相手。今日の結果を踏まえて、FC東京が勝ち点18の5位、鳥栖が勝ち点16で直下の6位と、鳥栖にとっては勝って順位を抜けるというモチベーションの高い試合に繋げられそう。対照的にホームのFC東京は、チームスタイル構築中で、リーグ序盤に試合延期などのアクシデントがありながら、現時点で首位・鹿島から勝ち点差7、3位の柏と勝ち点差1の5位というポジションは上出来な部類だが、しばらくCBが安定しないとなると、同じような大量失点を繰り返すことにもなりかねない。今季も得点力に課題があり、勝ち切れない試合も多い中で上位に位置しているのは、紛れもなく安定した守備、失点の少なさだったゆえ、これが崩壊するとなると、最後方からのビルドアップをテーマの一つにしているだけに、そのスタイルが足かせになる可能性も孕んできている。

 この状況をどのように打開するか。レアンドロが復帰し、惜しいシュートを続けていた松木もプロ初ゴールを決めるなど、ポジティヴな要素もなくはない。多くの予想をいい意味で裏切る岡崎、蓮川の奮起に期待したいところだが、しばらくは我慢が続く展開になりそう。アルベル監督の手腕も問われることになりそうだ。 

◇◇◇

【明治安田生命J1リーグ 第11節】
2022年5月3日(火)17:03試合開始 ベスト電器スタジアム
入場者数 8,787人
天候 晴 / 気温 20.4℃ / 湿度 32%
主審 小屋幸栄 / 副審 大塚晴弘、船橋昭次
第4の審判員 村田裕介
VAR 池内明彦 / AVAR 渡辺康太

 福 岡 5(2-1 / 3-0)1 FC東京 

得点:
(福)宮 大樹(4分)、山岸祐也(39分)、ルキアン(48分)、山岸祐也(62分)、ルキアン(72分)
(東)松木玖生(24分)

〈試合経過〉
04分 得点 福岡 宮 大樹
24分 得点 東京 松木玖生
28分 警告 福岡 フアンマ・デルガド
30分 警告 福岡 奈良竜樹
39分 得点 福岡 山岸祐也
46分 交代 福岡 フアンマ・デルガド → ルキアン / 北島祐二 → 田中達也
48分 得点 福岡 ルキアン
55分 交代 東京 松木玖生 → 永井謙佑
62分 得点 福岡 山岸祐也
65分 交代 東京 バングーナガンデ佳史扶 → 渡邊凌磨 / アダイウトン → 紺野和也 / レアンドロ → 山下敬大
71分 交代 福岡 ジョルディ・クルークス → 金森健志
72分 得点 福岡 ルキアン
77分 交代 東京 長友佑都 → 中村帆高
83分 交代 福岡 山岸祐也 → 田邉草民
90+2分 警告 東京 木本恭生
90+2分 交代 福岡 前嶋洋太 → 湯澤聖人

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 24 ヤクブ・スウォビィク
DF 05 長友佑都  → 中村帆高(77分)
DF 30 木本恭生
DF 06 小川諒也
DF 49 バングーナガンデ佳史扶 → 渡邊凌磨(65分)
MF 16 青木拓矢
MF 31 安部柊斗
MF 44 松木玖生  → 永井謙佑(55分)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 20 レアンドロ → 山下敬大(65分)
FW 15 アダイウトン → 紺野和也(65分)

≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 37 中村帆高
MF 10 東 慶悟
MF 23 渡邊凌磨
FW 11 永井謙佑
FW 17 紺野和也
FW 19 山下敬大

≪監督≫
アルベル


◇◇◇



◇◇◇

【FC東京 2022シーズンスケジュール・J1リーグ】
第01節 02月18日(金)19:00 ✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力
第02節 02月26日(土)15:00 FC東京✕名古屋(H・味スタ ※中止
第03節 03月06日(日)16:00 〇FC東京 1-0 C大阪(A・ヨドコウ
第04節 03月12日(土)15:00 〇FC東京 2-1 広 島(H・味スタ
第05節 03月19日(土)14:00 〇FC東京 1-0 京 都(A・サンガS
第06節 04月02日(土)19:00 ✕FC東京 1-2 横浜FM(A・日産ス
第07節 04月06日(水)19:00 〇FC東京 3-1 神 戸(H・味スタ
第08節 04月10日(日)14:00 △FC東京 0-0 浦 和(H・味スタ
第09節 04月16日(土)13:00 △FC東京 0-0 札 幌(A・札幌ド
第02節 04月20日(水)19:00 △FC東京 0-0 名古屋H・味スタ※代替
第10節 04月29日(金)19:00 〇FC東京 2-0 G大阪(H・国 立
第11節 05月03日(火)17:00 ✕FC東京 1-5 福 岡(A・ベススタ

第12節 05月08日(日)15:00 FC東京✕鳥 栖(H・味スタ
第13節 05月14日(土)14:00 FC東京✕磐 田(A・ヤマハ
第14節 05月21日(土)15:00 FC東京✕ 柏 (H・味スタ
第15節 05月25日(水)19:00 FC東京✕清 水(A・アイスタ
第16節 05月29日(日)15:00 FC東京✕鹿 島(H・味スタ
第17節 06月18日(土)18:00 FC東京✕湘 南(A・レモンS
第18節 06月26日(日)19:00 FC東京✕鳥 栖(A・駅スタ
第19節 07月02日(土)18:00 FC東京✕福 岡(H・味スタ
第20節 07月06日(水)19:00 FC東京✕札 幌(H・味スタ
第21節 07月10日(日)19:00 FC東京✕浦 和(A・埼 玉
第22節 07月17日(日)18:00 FC東京✕磐 田(H・味スタ
第23節 07月30日(土)19:00 FC東京✕広 島(A・Eスタ
第24節 08月07日(日)18:00 FC東京✕清 水(H・味スタ
第25節 08月13日(土)19:00 FC東京✕C大阪(H・味スタ
第27節 08月27日(土)19:00 FC東京✕ 柏 (A・三協F柏
第28節 09月03日(土)・04日(日) FC東京✕横浜FM(H・味スタ
第29節 09月10日(土)・11日(日) FC東京✕G大阪(A・パナスタ
第26節 09月14日(水)    FC東京✕神 戸(A・ノエスタ)※
第30節 09月17日(土)・18日(日) FC東京✕京 都(H・国 立
第31節 10月01日(土)・02日(日) FC東京✕鹿 島(A・カシマ
第32節 10月08日(土)    FC東京✕湘 南(H・味スタ
第33節 10月29日(土)    FC東京✕名古屋(A・豊田ス
第34節 11月05日(土)    FC東京✕川 崎(H・味スタ
※神戸がACLにおいてGS敗退の場合、8月20日(土)19:00に変更の可能性あり

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