*** june typhoon tokyo ***

SWEET LOVE SHOWER 2012@山中湖きらら

■ スウィート・ラヴ・シャワー2012 2日目

 スペースシャワーTVが主催する夏フェス“SWEET LOVE SHOWER 2012”のチケットがたまたま手に入るという幸運に見舞われ、またPerfumeと山下達郎が出演するということもあり、普段はあまり夏フェス形式のライヴに行くことはなかったのだが、今回参加することに。9月1日も参加出来たのだが、自分は味スタでのFC東京の試合を観戦した後で、会場である山中湖方面へ向かうこととなった。

 今回は「河口湖・山中湖セレクトフリー乗車券」を購入。“JR往復乗車券+富士急行線(乗り降り自由)+周遊バス等引換券(4種類のうちから選択)”がセットになったもので、2日間有効。周遊バスは「ふじっ湖号全エリアフリークーポン」を選択すると、富士山駅~忍野八海~山中湖周遊コースが2日間乗り降り自由。これで東京都区内からだと休日は4500円ですむ。それと、大月駅の乗り換えが結構手間がかかって面倒なのだが(富士急行がSuica/Pasmoが使えないため)、この乗車券だと改札で係員に見せるだけでOK。今回は夜、さらにJRと富士急行との接続時間が短いタイミングだったので、かなり助かった(しかも、自分の前で係員と問答を繰り広げる乗客がいて、かなりギリギリだったのだが、サクッと提示して、あっさりその乗客数人を追い越せて列車へ辿り着けた)。

 さらに良かったのはバス。今回のフェスでは、直通バスも臨時増発しているが、会場から富士山駅への帰途の時は、バス乗り場はあっという間に長蛇の列となる。そこでは同じ富士山駅行きでも、事前に周遊バスクーポンを持っている人とそうでない人が振り分けられていたため、既にバス運賃を支払っているクーポン持参組は、比較的スムースに発車するバスに乗れたのだ。おそらく、これから運賃を支払わなければならない手間がないからだろうか。富士急行もそんなに本数が多くないため、早く駅へ着けるのはかなりの利点だった。

 詳細は富士急行のHPなどにあるので、参照してもらえれば。

◇◇◇

 以下は、自分が観賞したライヴ。もちろん、全部ではないので詳細はSWEET LOVE SHOWER 2012のHPへ。

□ MAN WITH A MISSION
≪Mt.FUJI STAGE:11:25~≫

Manwithamission

 オオカミの顔を持つ“究極の生命体”5頭組。かなり人気がある模様。比較的キャッチーなミクスチャー・ロック風な曲が多かったので、単純にノリやすかった。こういうフェスにはうってつけのバンドだろう。なかなかグルーヴィ。
 一応、オオカミ人間(?)という設定なので、MCはカタコト風にしゃべる。途中でニルヴァーナ「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」のカヴァーを披露。やはりこの曲はアガるのだろう。オーディエンスの歓声も一際高まっていた。
 「昨日は海だったんですが、やっぱりオオカミは山の方がいいということで、テンション上がってます」とかなんとか言いながら、ホーム=山へ戻ってきたということで「TAKE ME HOME」、そしてラストの「FLY AGAIN」で終了した。

 ところで、あの被り物しながら歌うのって、マイクにちゃんと声が通るんだろうか。籠もってしまうから、実は口パクなんじゃないか? とか考えてみてたりした。あ、被り物じゃないか、究極の生命体か。(笑)

<SET LIST>
01 DANCE EVERYBODY
02 Get Off of My Way
03 distance
04 FROM YOUTH TO DEATH
05 Smells Like Teen Spirit(Original by NIRVANA)
06 TAKE ME HOME
07 FLY AGAIN
 
□ アルカラ
≪Mt.FUJI STAGE:13:50~≫

Photo

 LAKESIDE STAGEの藤巻亮太を遠くに耳にしながら、腹ごしらえもしつつ、その後Mt.FUJI STAGEへ戻り、アルカラを観賞。アルカラは2002年に神戸で結成された4人組で、オルタナっぽい感じ。やはり関西人ノリというやつで、気前がいい感じ。サウンドチェックの時にも本番っぽく演奏してファンを沸かせていた。

 以前少しだけ曲を聴いたことがあったのだが、それ以上にハードでアグレッシヴな印象。ただし、メロディアスなので、盛り上がりやすくはある。MCでは「毎回なんか笑わしたろ」的なところがある。でも、そんなに爆笑するほどの話はしないのだが。(笑)
 ただ、サーヴィス精神は旺盛。演奏を何度も止めては弾き、止めては弾きしながら、「だるまさんがころんだ方式でやってます」だとか、さだまさし「関白宣言」をレゲエ風にやるとか。
 ラストの「半径30cmの中を知らない」を演奏後、ステージにはヴォーカル/ギターの稲村太佑だけが残り、ア・カペラで「気球にのってどこまでも」(NHK全国学校音楽コンクール小学校の部 昭和49年度課題曲)の2番を歌い出す。“ときにはなぜか 大空に/旅してみたく なるものさ/気球にのって どこまでいこう/星をこえて 宇宙をはるか/星座の世界へ どこまでもいこう”ときて、“そこに かがやく 夢があるから~!!”と歌いきってステージ・アウト。そう「夢が“アルカラ”」が言いたいためだけに歌ったのだ。今後もネタの出るステージが続くんだろうな。

<SET LIST>
01 癇癪玉のお宮ちゃん
02 チクショー
03 踊れやフリーダ
04 シェイクスパイ
05 キャッチーを科学する
06 夢見る少女でいたい。
07 半径30cmの中を知らない
 
□ ONE OK ROCK
≪LAKESIDE STAGE:13:50~≫

Oneokrock

 4人組ロック・バンド。ヴォーカルのTakaは森進一の息子、以前はNEWSのメンバーでもあった(黒歴史なのかもしれないが)。ただ、そんなことをうだうだ言う必要がないバンドになっていると思う。パンクというかエモ、時にはメタルっぽいサウンドも聴かせながら、高揚を誘う。ヴォーカルに嫌味がないので、ダークな印象もない。完成度が高いバンドなのではないだろうか。“全然時間がないから、やり切って帰るのでよろしくお願いします”と言ってからエネルギッシュな演奏へ。“一緒にジャンプするぞ”と会場全体を巻き込んだ「Let's take it someday」、そして「完全感覚Dreamer」で幕。なかなかメッセージ性のあるMCをしながらも、演奏ではガッチリとハジケまくる、メリハリの効いたステージだったのではないだろうか。

<SET LIST>
01 アンサイズニア
02 Re:make
03 皆無
04 C.h.a.o.s.m.y.t.h.
05 The Beginning
06 Let's take it someday
07 完全感覚Dreamer
 
□ 山下達郎
≪LAKESIDE STAGE:15:30~≫

Photo_2

 これまで山下達郎のステージを観たことがなかったので、かなりの期待感があった。話に聞くと、1日目は年齢層が若かったらしいが、この日は自分よりも上であろう人たちがその若い人たちのなかにも多く見受けられた。これは間違いなく“達郎”目当ての妙齢の方々と思われる(まぁ、大学生あたりから見たら、自分もどちらかといえばそっち寄りの年齢ではあるけども)。

 オープニングは「LOVELAND ISLAND」のコーラスをかましつつ「SPARKLE」へ。まぁ、フェス用の山下達郎入門篇みたいなセット・リストなんだろうとは予想していたのだが、その入門者にあたるだろう自分はそれで充分。MCもちょこちょこ挟んで、さすがステージ馴れしている。「思ったより若い人がいて…恥ずかしいです。大学の学祭の真ん中に先生バンドが紛れ込んじゃったような、そんな感じがします」だとか「30年ぶりの山中湖です。小学校の時に来ました。富士山の頂上も2回登ってます」など、どこか微笑ましい。

 甘酸っぱい青春ソング「DONUTS SONG」、ラストに“だから、オレの空を返せってんだよ!”と啖呵を切った「俺の空」、ダンス☆マンもカヴァーした「BOMBER」となかなかのラインナップだったが、やはり歓声が大きく沸いたのは、「フェスはお祭りなのでね。スペシャルゲストを呼びました。この人です」とのフリから登場したのが、竹内まりや。これには周辺の妙齢の女子の方の多くが感激の涙をする姿も。「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」「元気を出して」と馴染み深い曲を披露してくれた。

 終盤は圧巻。「アトムの子」「RIDE ON TIME」とこの流れだけでもヴォルテージはうなぎのぼりだったのに、「最後にもう1曲やります」といって歌い出したのが「さよなら夏の日」。この曲の歌詞を聴いていると、なんということもない言葉なのに、心にジーンと響く。良い文章や良い言葉っていうのは、すかした慣用句とか言い回しでもなければ、難しい熟語でもない。スーッと沁み込んで来るものに訴求力があるんだなあと実感。1フレーズだけで、なんかこうぶわーっと風景が脳裏に広がっていく力があるのだから。
 「アトムの子」も言っていることは多くはないが、今の暗い教育や社会問題を解決するヒントが詰まっている。“ぼくらは、アトムの子供さ”だけで、世界を繋ぐ力が備わっていそうな、そんな感じさえした。

 “またどこかで会いましょう”“この次はPerfumeです。僕も見て行きたいと思います”と告げて、ステージ・アウト。9月末にオールタイム・ベストがリリースされる予定だが、それを手に取る若い人たちも少なくないのではないか、そんな印象さえ与えたパフォーマンスだった。そして、言い忘れたが、難波弘之、佐橋佳幸ら(コーラスには佐々木久美も)バック陣のスキルが素晴らしい。安定感とツボを押さえた演奏。一体感というのは、こういうことをいうんだろう。

 そのオールタイム・ベスト。せっかくだから買ってみようかなと思案中。

<SET LIST>
01 SPARKLE(Including Phrase of“LOVELAND ISLAND”)
02 DAYDREAM
03 DONUTS SONG
04 僕らの夏の夢
05 家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)(Special Guest with 竹内まりや)
06 元気を出して(Special Guest with 竹内まりや)
07 俺の空
08 BOMBER
09 アトムの子
10 RIDE ON TIME
11 さよなら夏の日

Photo_4
スペシャルゲストの竹内まりや。
 
□ Perfume
≪LAKESIDE STAGE:17:55~≫

Perfume2012

 開演予定時刻より10分ほど遅れて、Perfumeのステージがスタート。“SWEET LOVE SHOWER”には初参加となった彼女たち。まずは「Spending all my time」「Spring of Life」と新しい楽曲を披露。無表情で無機質的なダンスを繰り広げながら観客の視線を釘付けにしていく。最近“見ざる、言わざる、聞かざる”的なダンスが多いのは気のせいか。

 この日のために用意した曲ということで「マカロニ」を。ここで一旦ゆったりして、後はラストまで一気に飛ばすという構成か。PTA(“Perfume To Anataが一緒に楽しむコーナー")では、まず“まだこの夏に心の扉を開いてない人の扉を開いちゃいます”というフリから松田聖子「夏の扉」のサビ“フレッシュ、フレッシュ、フレーッシュ”のフレーズを連呼。さらに、“イェイ、イェイ~ウォウウォウウォウウォウ!”のTRF「survival dAnce」、そしてB'z「ultra soul」の決めサビを叫んで観客とのコール&レスポンスをはかる。そのままなだれ込むように「FAKE IT」。タテノリジャンプでヴォルテージもさらに上昇する。
 そして、9月だが「チョコレイト・ディスコ」から「ポリリズム」と代表曲を披露して終了。あっという間に時間が過ぎていった感じだ。

 個人的にはコール&レスポンスももちろん楽しいのだが、時間も限られているので、PTAのコーナーの代わりに楽曲を1、2曲やってもらえばよかったという思いはあるが、Perfumeをはじめて観る人たちに“Perfumeのライヴは面白そう、行ってみたい”とさせるのには有効なのかも。そのあたりは、個人的に他のアーティストとは違って数回ライヴを観ているからの感想になったのだと思う。

 日本武道館も東京ドームも経験し、自信が漲るようなステージにも見えた。長い充実期の最中と感じられる貫禄や安定も伝わるパフォーマンスだった。でも、やはり、短い。山下達郎が1時間ほどやった後だけに、なおさら。

<SET LIST>
01 Spending all my time
02 Spring of Life
03 マカロニ
04 PTAのコーナー
05 FAKE IT
06 チョコレイト・ディスコ
07 ポリリズム

◇◇◇

 Perfumeを観賞したあと、荷物を預けてあったクロークを経て退場。富士山駅行きのバス乗り場へ、チャットモンチーのステージからの曲を耳にしながら向かった。
 このあたりでおおよそ19時前。富士山駅から大月経由で吉祥寺あたりを過ぎたのが23時をちょっと回っていたくらいだったから、東京都心や近郊部へ電車で帰る人たちは、翌日が休みでないとすると、次のチャットモンチーが終わる19時30分くらいがギリギリなのかも。もちろん宿がある人は、1泊して翌日始発で向かうという手もあるだろうけども。

 次回の参戦は解からないが(自分の趣向からすると、ラインナップ的なこともある)、なかなか楽しめたフェスだった。
 ただ、知らず知らずのうちに屋台のグルメを堪能していて、予想以上に食費がかかってしまうという…ね。

201200901_sls_01
行きに大月駅から乗車した富士急行の列車内。
室内が銭湯みたいだった。そのドア連結部がこれ。
中刷りも壁もポスターはすべて“SWEET LOVE SHOWER”。

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2日目当日、河口湖から富士山駅へ向かうトーマストレイン。

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トーマストレインの車内。
連結部寄りの向かい合い座席は、トーマスの顔が背もたれ部になっていた。
それを見て恐がる幼児も。(笑)

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きらら敷地内から山中湖を望む。

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全体は見えなかったが、富士山の稜線がチラホラ雲間から見えた。

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ONE OK ROCKのステージ終了直後をPANORAMA GROUNDあたりから。

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Mt.FUJIステージ。
七尾旅人開演前あたり。

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Mt.FUJIステージから入場ゲート方面を望む。

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スワンボートが寄り添っていたのでパシャリ。
WATERFRONTステージあたりから。

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Perfume開演前。

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Perfume開演直前。

◇◇◇

 最初、富士山駅って聞いた時、どこだよそれ?と思ったら、昨年7月に改称してたらしい。自分としてはやっぱり“富士吉田”のがしっくりくるなあ。ただ、駅名の英語表記が“Mt.FUJI”なのは、海外にもインパクトがあると思われます。車内放送も“次は~富士山。Next Stop is Mt.FUJI”って、それだけでOh~ってなるかもしれないし(自分も心の中でオォ~と唸りました…笑)。
 


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