平成最後の早慶戦は早稲田に軍配。勝率の差で法政が秋季リーグ優勝を飾る。
自力で勝って完全優勝を成し遂げたい慶應、優勝の望みは消えても早慶戦には是が非でも勝ちたい早稲田、その行方を固唾を呑んで見守りながら早稲田の勝利を祈って優勝を手繰り寄せたい法政という三すくみの状態で迎えた、東京六大学秋季リーグ第8週3回戦。平成最後の早慶戦は、追いつ追われつの接戦の末、早稲田が土壇場9回に逆転で勝利し、慶應に2勝1敗で勝ち点を獲得。この結果、早稲田が慶應の3連覇を阻止し、法政が12季ぶり45回目の優勝を決めた。
慶應は高橋佑(川越東)、早稲田は小島(浦和学院)ではなく、昨日先発し4回を投げた西垣(報徳学園)が2日連続で先発へ。4回に郡司(仙台育英)がレフトへ2ランホームランを放って先手を打てば、5回に早稲田は黒岩(長野日大)のレフト前タイムリー、加藤のショートゴロの間でそれぞれ1点を返し、同点に追いつく。すると慶應はその裏すぐに二死満塁から嶋田翔(樹徳)のセンター前タイムリーで2点を追加。慶應が2対4と2点リードで終盤へ。
慶應の高橋佑が気迫の投球で優勝へ一つずつアウトを重ねていけば、早稲田もエースの小島が登板。6、7回を無失点に抑えてリズムを作ると、8回に代打・福岡(川越東)の犠牲フライで1点を追加。早稲田が3対4と1点差まで詰め寄ると、9回に一死一・三塁から加藤(早稲田実)の犠牲フライで土壇場で同点に。さらに、二死二塁から岸本(関大北陽)が慶應のショート・瀬戸西のグラブを弾くセンター前タイムリーを放って、早稲田がついに逆転に成功。9回裏の慶應の攻撃も、エース小島の後を継いだ今西(広陵)が8回に続き9回も抑えてゲームセット。5対4で早稲田が2勝1敗で慶應を降して勝ち点を獲得。これにより、慶應は完全優勝と3連覇を目前にしながら3位へ後退。勝率の差で既に日程を終えていた法政が、勝率の差で12シーズンぶり45度目の優勝を決めた。早稲田としては第1週の法政戦で1勝1敗の後、3回戦で4対5と接戦を落としてしまったのが、優勝へあと一歩足らない結果となってしまった。
これで通算優勝回数はこれまで単独1位だった早稲田に法政が追いついた形に。また、偶然にも、平成最初(1989年春季)と平成最後(2018年秋季)のリーグは、どちらも法政が優勝ということにもなった。
最後まで勝負の行方が分からなかった熱戦に次ぐ熱戦。現地で生観戦出来なかったのが残念で仕方がないが、平成最後の早慶戦、東京六大学リーグに相応しい、中継放送でもその気迫と両校の勝利への執念が伝わってくる手に汗握る後世に名を残す好勝負となったといえよう。
優勝した法政は、11月9日から14日まで開催される明治神宮野球大会へ東京六大学連盟代表として出場。初戦は、11月11日の第3試合で函館大(北海道二連盟代表)と環太平洋大(中国・四国三連盟代表)の勝者と対戦する。
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■ 2018/10/29(月) 東京六大学 2018秋季リーグ戦 3回戦
早稲田大 - 慶應義塾大
神宮球場 第1試合 試合開始13:00 終了16:20 試合時間3時間20分
球審:上野/塁審:溝内、元雄、浅田/外審:
観衆:15000人
早 大 000 020 012 5
慶 大 000 220 000 4
【バッテリー】
(早)西垣、増田、早川、小島、今西-岸本
(慶)高橋佑、菊地、津留﨑-郡司
【勝】(早)今西
【S】
【敗】(慶)高橋佑
【本塁打】(慶)郡司1号(4回 2ラン)
≪早稲田大≫
(7) 黒 岩(4 長野日大)
7 真 中(2 早大本庄)
(4) 西 岡(4 早稲田実)
(6) 檜 村(3 木更津総合)
(9) 加 藤(3 早稲田実)
(2) 岸 本(4 関大北陽)
(5) 金 子(2 早稲田実)
(8) 池 田(4 高岡南)
H 重 田(3 佐賀西)
R8 小太刀(4 日本文理)
(3) 三 木(4 早稲田実)
H 福 岡(3 川越東)
3 山 岡(4 早稲田実)
(1) 西 垣(1 報徳学園)
1 増 田(4 江戸川学園)
H 宮崎剛(4 早大本庄)
1 早 川(2 木更津総合)
H 中 林(4 三 重)
R 山 野(3 金光学園)
1 小 島(4 浦和学院)
H 瀧 澤(2 山梨学院)
1 今 西(2 広 陵)
P 西 垣 3 1/3/57/15/3/3/1/2
増 田 0 2/3/14/04/1/1/1/0
早 川 1 /36/07/1/3/2/0
小 島 2 /35/09/0/2/2/0
今 西 2 /33/06/0/1/0/0
※(投球回数/投球数/打者数/被安打/奪三振/与四死球/自責点)
≪慶応義塾大≫
(9) 中 村(3 中京大中京)
(8) 渡 部(1 桐光学園)
(7) 柳 町(3 慶 應)
(2) 郡 司(3 仙台育英)
(4) 小 原(3 盛岡三)
H 河 合(4 関西学院)
(5) 内 田(4 三 重)
(3) 嶋 田(2 樹徳)
(6) 瀬戸西(2 慶 應)
(1) 高橋佑(3 川越東)
1 菊 地(4 慶應志木)
1 津留﨑(3 慶 應)
P 高橋佑 8 0/3/139/38/8/7/5/4
菊 地 0 2/3/ 12/03/1/0/0/0
津留﨑 0 1/3/ 04/01/0/0/0/0
※(投球回数/投球数/打者数/被安打/奪三振/与四死球/自責点)
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早大は土壇場の9回表1死2・3塁と1打逆転のチャンスに、リリーフした菊地(④慶應志木)から、加藤(③早稲田実業)がセンターに犠飛。再び同点とし、ゲームを振り出しに戻す!【早 4-4 慶】https://t.co/52lkmoVuic 📺LIVE配信中📺#big6tv #六大学野球 #早稲田 #慶應 #早慶戦 pic.twitter.com/feIBhIrG5O
— BIG6.TV (@big6_tv) 2018年10月29日
続く岸本(④関大北陽)が放った打球は、名手・瀬戸西(②慶應)のグラブをはじきセンター前に。早大はこのゲーム初めてリードを奪う!慶大は最終回の攻撃で3連覇に向けて逆転をしたい!!【早 5-4 慶】https://t.co/52lkmoVuic 📺LIVE配信中📺#big6tv #六大学野球 #早稲田 #慶應 #早慶戦 pic.twitter.com/ya7Rck4Td8
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【東京六大学 秋季リーグ 順位表】※2018/10/29全日程終了
1位 法大 13/9/03/1/4/.750
2位 早大 14/9/04/1/4/.692
3位 慶大 14/9/05/0/4/.643
4位 明大 14/5/06/3/2/.455
5位 立大 12/4/08/0/1/.333
6位 東大 11/0/10/1/0/.000
※(試合/勝利/敗戦/引分/勝点/勝率)
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【東京六大学 秋季リーグ】
≪首位打者≫
渡辺佳(明大/横 浜) 50打数 21安打 0本塁打 5打点 打率.420
≪最優秀防御率≫
勝 敗 回 責 防御率
小 島(早大/浦和学院) 4勝 2敗 67 2/3回 13自責点 防御率1.73
≪ベストナイン≫
投 手 高橋佑樹(慶大3/川越東) 初(13票)
捕 手 岸本朋也(早大4/関大北陽) 初(12票)
一塁手 中山翔太(法大4/履正社) 2回目(満票)
二塁手 相馬優人(法大3/健大高崎) 初(14票)
三塁手 内田 蓮(慶大4/三 重) 初(7票)
遊撃手 渡辺佳明(明大4/横 浜) 2回目(16票)
外野手 中村健人(慶大3/中京大中京)初(満票)
外野手 小林満平(法大4/中京大中京)2回目(15票)
外野手 向山基生(法大4/法政二) 2回目(13票)
※満票=18
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