Charaが「CAROL」をプロデュースした鳥山雄司をバンドマスターに迎えて送るステージを観賞@ビルボードライブ東京。2ndショウ。
バンドマスターでギターの鳥山をセンターに配し、左からキーボードの斉藤有太、コーラスの加藤哉子、鳥山雄司、ベースの山内薫、ドラムの小田原豊。小田原豊は、そう、あのレベッカのドラムの小田原豊だ。多少年齢を重ねた様子が窺えたけれど、ここで会えるとは。
コーラスの加藤の呼びかけに応じてステージインするChara。白いウェディング風ドレスを着てステージをゆるゆると動けば、彼女の世界観が一瞬にしてホールを染める。ファンは圧倒的に女性の比率が高い。「鳥山さんのギターで歌ってみたかったんですよ」「音楽っていいよねぇ~」と語る彼女は、音楽とファンとに純粋に向かっている感じがした。
コーラスの加藤以外は通常のライヴ・メンバーとは異なるらしく、曲構成もアルバム『Carol』中心というよりはCharaの人気曲をこのバンドならではのアレンジでといった趣旨か。とはいえ、「あたし、歌っちゃうわよ」と盛り上げてから歌ったファイヴ・ステアステップスの「ウー・チャイルド」や、鳥山とだけでアコースティックに奏でた「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」に続き、バンド・メンバーを再度呼び寄せて送ったアンコール・ラストでは、デビュー曲「Heaven」を披露。ファンにとっても貴重な選曲となった。
その「Heaven」については「ミルク」演奏後のMCで、昔、六本木にWAVEというCDショップがあって(「あ、ここで『ああ~』とか頷いた人は、アラフォーですね」と笑いをとる)、近くにスタジオ(?)もあったと。デビュー当日、自分のCDの短冊(8cmCDのこと)を探しに行ったら、ない。そこで店員に「Charaの“Heaven”って今日発売日だと思うんですけど」と聞いたら、「あー、売り切れちゃったみたいですねぇ。お取り寄せしますか」と言われたので、「いいえ、結構で~す」とにやけながら帰ったとか。また、「あたし、結構CDショップに自分のCDチェックしに行くんです」とカミングアウトした後、中古CDショップにも行くことも告白。子供と一緒にCD棚に行き、「A、B、C……Chage&ASKAと。で、Charaは……な、ない」というと、子供に「ここにない方がいいじゃん」と言われ安心したなどのエピソードを語ってくれた。
というように、非常にアットホームな形でステージは進んでいく。
特に声量がある訳でもなく、ずば抜けた音感がある訳でもない。しかしながら、壊れそうで壊れない、芯の強さを感じるハスキー・ヴォイスは、一瞬にして聴くものを虜にしてしまう。それは、独創的な世界観であることはもちろんのこと、音楽やファンに対する愛しさが溢れている声でもある。愛をダイレクトに訴えながら、その触れ方は実に柔らかい。でも、そこには一聴だけでは判らない、強い絆のような力が紡ぎこまれている。
そして、彼女自身がバックに身を委ね、音楽を楽しむことだけを意識して歌うのだから、心地良くない訳がない。また、バックも彼女の声を聴いてうっとりして、自身の楽器へその反応を起こしているようだ。愛の連鎖、幸せの連鎖がそこには幾重にも連なっていた。
デビューから20周年。さまざまな思いを綴り続けたが、一貫しているのは、愛する人へ、友へ、ファンへ、衒いのないCharaのラヴ・メッセージだということ。これが揺るがない限り、彼女の楽曲には愛が満ち溢れ続けるのだろう。
◇◇◇
<SET LIST>
00 BAND INTRO
01 Happy Toy
02 初恋
03 やさしい気持ち
04 ミルク
05 大切をきずくもの
06 FANTASY
07 TROPHY
08 breaking hearts
09 Ooh Child(Original by The Five Stairsteps)
10 タイムマシーン
11 I miss you
12 CAROL
≪ENCORE≫
13 Swallowtail Butterfly~あいのうた~(Original by YEN TOWN BAND)
14 HEAVEN(Including Member Solo)
<MEMBER>
Chara(Vocals)
鳥山雄司(Guitar)
小田原豊(Drums)
山内薫(Bass)
斉藤有太(Keyboards)
加藤哉子(Chorus)
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