*** june typhoon tokyo ***

第97回全国高校野球選手権大会 16強からの展望

 8月6日から開幕した第97回全国高校野球選手権大会も9日を経過し、49の代表校が16校に絞られた。

 史上8校目の春夏連覇を目指す敦賀気比(福井)のほか、大阪偕星(大阪)、智弁和歌山(和歌山)、天理(奈良)、滝川二(兵庫)などの近畿勢の強豪などが姿を消し、四国に関しては4校とも初戦で敗戦。西日本勢で勝ち上がったのは鳥羽(京都)、九州国際大付(福岡)、興南(沖縄)の3校のみと、東高西低の図式となった。

 ベスト8を目指す16強の組み合わせは、次のとおり。

◇◇◇

■第10日:8月15日(土)
≪3回戦≫
08:00 東海大甲府(山梨)× 早稲田実(西東京)
10:30 鶴岡東(山形)× 花咲徳栄(埼玉)
13:00 遊学館(石川)× 東海大相模(神奈川)
15:30 作新学院(栃木)× 九州国際大付(福岡)

■第11日:8月16日(日)
≪3回戦≫
08:00 健大高崎(群馬)× 秋田商(秋田)
10:30 関東一(東東京)× 中京大中京(愛知)
13:00 仙台育英(宮城)× 花巻東(岩手)
15:30 興南(沖縄)× 鳥羽(京都)

◇◇◇

 まずは東京勢2校から。

 早稲田実は東海大甲府と対戦。早稲田実の清宮が注目を浴びるが、東海大甲府の打撃陣も強力。3番角山、4番平井の中軸に加え、下関商戦では9番ながらも本塁打を含む3安打4打点を記録した飯塚とどの打順からでも得点を期待出来る。早稲田実は広島新庄戦、東海大甲府は1回戦の静岡戦とともに打撃戦を制しているが、そうなると複数の投手を持つチーム同士、投手の継投がカギになるか。

 関東一は夏最多7度の全国優勝を誇る中京大中京が相手。岐阜城北に4対1、鹿児島実に7対3とずば抜けたものはないが、ソツがない集中打で勝ち上がってきた試合巧者だ。関東一は中京大中京のエース上野をどう攻略するかにかかっているだろう。オコエ、伊藤などの攻撃陣に比べ、3回で8対0とリードしながら最後までもつれて、12対10としてしまった関東一の投手陣には不安が残る。先に得点を挙げて常にリードし、相手にプレッシャーをかけながら終盤を迎えたいところだ。

 ベスト8は、東海大相模、九州国際大付は有力か。小笠原、吉田の左右両エースを擁する東海大相模は投手力という意味では一つ上を行っている。九州国際大付は鳴門、大阪偕星を破っての16強。先頭打者の吉井、4番の山本武白志ほか強打者を揃えており、打撃戦となると一枚上だ。

 仙台育英と花巻東は東北勢同士の実力校の対戦。エース佐藤世那と圧倒的な打撃で明豊、滝川二を大差で下してきた仙台育英と、複数の左腕投手と機動力高く、敦賀気比を倒して勝ち残った勝負強さが光る花巻東。総合力ではやや仙台育英だが、ここぞという時の集中打で花巻東も対抗したい。

 興南と鳥羽は西日本対決により、確実に西日本勢が1校減ってしまう。興南は石見智翠館戦から中4日、鳥羽は中1日で試合を迎えることになる。まだ1試合で休養も十分な興南、2戦を消化し中1日で3戦目を迎えるため疲労が気がかりな鳥羽とみるか、甲子園でまだ1戦の興南に対し、既に2試合消化し甲子園のムードにも慣れた地元・近畿の鳥羽とみるか。どちらにせよ、僅差が予想される試合だ。

◇◇◇

 これらを踏まえて、ベスト8の予想を。

早稲田実(西東京)
花咲徳栄(埼玉)
東海大相模(神奈川)
九州国際大付(福岡)
健大高崎(群馬)
中京大中京(愛知)
仙台育英(宮城)
鳥羽(京都)

 早稲田実は西東京大会予選を考えると、西東京代表となったことも、ここまで勝ち残れていることも不思議といえ、正直なところ、清宮の話題性が先行していることは否めない。だが、伝統校ならではの“勝ち癖”と頭脳は有しており、その微妙な綾で東海大甲府に粘り勝ちしそうな予感がする。
 一方、東東京の関東一は、高岡商戦を見るに、やはり投手力が不安。四球や失策などを先にした方が不利になると考えると、中京大中京のソツのなさに一歩及ばないのかもしれない。東京勢として応援したいが。 

 東海大相模以外の関東勢、花咲徳栄、健大高崎はそれほど相手を上回っている訳ではない。どちらもそれぞれ鶴岡東、秋田商と東北勢との対戦だが、東北勢の夏の甲子園での成長度は他の地域に比べても劣らないものを持っており、均衡した接戦や早々と先手を取られたまま終盤を迎えたりすると、焦りを生み出す可能性も。

 興南と鳥羽も接戦が予想されるが、近畿勢で唯一残った京都の鳥羽を。100年の節目で選手宣誓もした“レジェンド校”があれよあれよのうちに決勝へ駒を進めて……といったストーリーも、あながちないとは言えない。

 猛暑ゆえ集中力を維持するのは並大抵のことではないが、その一瞬の隙で流れが変わり、勝負が決まってしまうのも事実。今後は精神的なタフさが益々左右する展開となっていくだろう。

 本命は東海大相模、仙台育英、九州国際大付だが、今大会のテーマ“高校野球100年”のキーワードからすると、鳥羽、中京大中京、早稲田実の古豪、伝統校が決勝へ駒を進めるというストーリーも今大会の花を添えるに十分。ただ、そう思い描いた通りにならないのも高校野球の醍醐味。残り5日間、存分に楽しみたい。





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