
いやぁ、なかなかチャーミングだね、彼女は。大胆とシャイが同居してる感じが、またキュート。いいーシンガーです!
◇◇◇
バンド・メンバーが登場、セットしてからバンド・イントロからスタート。
メンバーは、左からキーボード、ドラム、ベース、キーボードとギターレスな布陣。ドラムの横にはラップトップ(ノートパソコン)がセッティングされていて、基本的にCD音源に各パートを重ねるという感じ。緊張している訳ではないと思うけど、ドラムのリーがスティックを何度もバシバシ落とすハプニング。非常にタイトなドラミングをするタイプで、変態的な独特な打ち方もする面白いタイプの人だと思うが、ちょっと落としすぎ。(苦笑) スペースに余裕がなく狭かったのかもしれない。
クリセットは、黒、グレー、白の横しま模様のワンピースを着ての登場。まだ23、4歳だと思うが、堂々としたステージング。3階(ステージと同階)もノリがいい感じではなかったが(序盤でほとんど手を上げたり叩いたりヒューヒュー言ってたのは、中央4階にいた黒人と自分くらいで少なかったな…爆)それでも慌てふためかないのは流石だなと感じた。
“My name is Chrisette Michele…”でスタートする「Let's Rock」は、日本公演のスタートとしてはバッチリだよなぁ、なんて思ってたら、それが事実上のオープナーに。スナップしながら両手を上へと広げて熱唱する姿には、ヴェテランの貫禄さえあった。
「If I Have My Way」に続いてはMC。普通に英語をスラスラとしゃべるので、語学力、読解力が極めてゼロに等しい自分にはなかなか事細かに理解することは難しかったな。ただ、かなり雰囲気的に要約すると、
東京(原宿?)に来て、山手線とかに乗るときに切符を買ったんだけど、どうやって買うのか解からなくて、バシバシ切符買いすぎてどうしようかと困ってたら、日本人が親切に助けてくれた。相手は英語が解からないし、私は日本語がしゃべれない! でも、何とか気持ちで通じたので、優しさに触れて、ホント日本に来てよかったわぁ~
みたいなことだったと思う。(爆)
ジャジーなバンド演奏をバックにスキャットしながら「Like A Dream」へ。いまいち弾けきれない客に業を煮やしたという訳ではないと思うけど(別に怒ってなかったし、弾ける曲が続いていたでもないけど)、急遽テーブル席の前方を周回し出したクリセット嬢。そうなりゃ、席に座ってる人も手を出しますよ。握手、タッチして周るパフォーマンスに、ちょっと温度も上がってきた感じ。
続いて「ジャパニーズ・イズ・ビューティフル!」などビューティフルを連呼したMCの後、クリセット嬢がキーボードに座って「Love Is You」を。いやあなたの歌のがビューティフルですよ!と思いながらじっくりと聴き入るオーディエンス。
丸椅子に座って「Best Of Me」を歌ったあと、ここで「Be OK」を。アルバムの中でもファンキーなアップ曲なので、ラストかアンコールで演るのかなぁと思っていたのだが、ここで披露。“ダイジョウブ~ゥ”と冒頭に言ったのは、“Be OK=ダイジョウブ”ってことですね。でも、もうちょっと反応してあげられたらいいのになー、なんて4階席から下を見てたり。アルバムの曲構成からガンガン、イケイケで展開するのはないなと予測はしていたけど、この曲はラストかラス前で聴けたらもっと盛り上がったかなぁとは思いましたな。ウィル・アイ・アムのラップ・パートは左側のキーボードが担当。なかなか様になってるラップで、そのフレーズに合わせてキーボーディストのところまで駆け寄ったクリセット嬢がいろんな表情やジェスチャーを見せる。こういうことをやらせると、黒人と言うのは表現力が豊かだなぁと感じてしまう。ステージのなかでのちょっとしたことなんだけれど。冒頭に“レクサスでショッピングに行って…”というフレーズがあるからか、この曲に入る直前のMCで車を運転するような仕草もしてたっけな。
「Mr.Radio」の情熱篭ったステージングのあと、即興だかオリジナルだか解からなかったのだが、“Oh~”“make say oh~”というようなコール&レスポンスを。それほど会場の声が出てる訳ではなかったのにもかかわらず、最前列中央の女子(歌っている最中にその場でサインをもらっていた!!)にマイクを向けると、この女性が予想外のレスポンスをしたもんだから、立て続けに彼女とのコール&レスポンスに発展。(笑) これでまた室内の温度が上がったのは確かだ。
「Golden」は今日一番の熱の入った歌唱だったか。そして途中に一曲(“One Day~”とか歌ってた??)アドリブで挟み込んでまた「Golden」のサビへと。さらに、ジェイ・Zとの客演曲「Lost One」をなんとア・カペラで! これには堪りませんでしたよ。
そして、「次の曲で最後なんだけど…」「え~」といった後、「これはヒップホップの曲で、私もヒップホップが好きなんだけど……私流のヒップホップの曲が次の曲なの」(当然適当訳…苦笑)みたいなMCをしてから「Good Girl」へ。スタンディングにはならなかったけど、かなり身体を揺らし手を叩くオーディエンスを前に、ファットなヴォーカルを見せながら、クリセットはノリノリでステージ・アウト。そのままバンド(ドラム・ソロ)・アウトロで終了。
拍手は鳴り止まず、アンコールへ。
「今楽屋にいて、アンコールの拍手がなかったらどうしようかと思ったわ。でも、クラップが聞こえて嬉しかった。ありがとう」(超適当訳)みたいなMCから、ラストは「I Am One」。会場をくまなく“One、One、One…”と指差していくクリセット嬢。言葉ではなかなか意思疎通が難しいけれど、彼女の楽曲を通じて、歌の美しさ、ビューティフルを堪能し、みんなが一つ=Oneになれたような気がした。
ヴォーカルは多少CD音源よりはくぐもっていた感もある、骨太なものだったが、一曲に入り込む表現力は流石。欲を言えば、もうちょっとアッパーな楽曲を制作してもらって、よりファンキーなパートがあるといいか。それと、ギターレスはそれほど問題ないのだが、コーラスがいてくれたらよかったなぁとは、かなり感じた(それも2人以上ね)。そうすることで、ヴォーカルやコーラスに深みを持たせることが出来るのは間違いないところだから。
まぁ、こまごま言えば満たされないところもあるにはあったけど、かなりの回数でクリセット嬢にプッチョハンズアップしたりクラッピングしてる自分を見やったり指差したりしてくれてたことで、許してしまいます、許してしまいますとも!(かなりの都合いい解釈)
ともあれ、日本を気に入ってくれたとは思うので、早い段階での再来日を期待してますよ。次回はコーラスを是非連れて来て!
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<SET LIST>
00 BAND INTRO
01 Let's Rock
02 If I Have My Way
03 Like A Dream
04 Love Is You
05 Best Of Me
06 Be OK
07 Mr. Radio
08
09 Golden
10 Lost One (A Cappella)
11 Good Girl ~ OUTRO
≪ENCORE≫
12 I Am One
<MEMBER>
Chrisette Michele (Vo/Key)
Ethan Gouldbourne (Key)
Joseph Harley (Key)
Stance Mason (B)
LeShawn Lee (Dr/MD)