*** june typhoon tokyo ***

近況注意報 0404 音楽篇

 グッド・ミュージックでグッド・ライフを。

 2017年に入ったかと思ったら、もう花見の季節。最近は相変わらず新譜などのチェックが滞ってばかりの今日この頃稲垣吾郎ですが、細木数子の本によれば、自分は今年から向こう3年間は大殺界らしく(というか、細木数子の本をたまに立ち読みするたびに「向こう3年は大殺界」と書いてあるので、自分はおそらく一生大殺界から逃れられない星のもとに生まれているんだと思います)、はたまた別なものでは天中殺でもあるらしいので、そんな状況では音源チェックなどままならないのも致し方ないということですね……。

 そんな苦難の状況のなかでも、気になった音源をいくつかご紹介。全てじっくりと聴いてはいないので、全てがオススメという訳ではありませんが、何かしら食指が伸びるものがあれば幸いです。
 ちなみに、最近は特に通勤の行き帰りはEspecia『Wizard』ばかり聴いています。はい。

 ということで、どんと見据えて!(Don' miss it!)

◇◇◇

Bell Biv DeVoe/Three Stripes
Blaise Moore/Laurence
Daye Jack/No Data
Drake/More Life
Ebhoni/Mood Ring
Jamiroquai/Automaton
Idrys Blck/Coconut Water
Leela James/Did It For Love
Lupe Fiasco/Drogas Light
Maad/Le Funk
Mila J/Milaulongtime
Omar/Love In Beats
Sampha/Process
Stan Sono/Infatuated
Stone Foundation/Street Rituals
Storie/Abstract Love Storie
Tiara Thomas/Don't Mention My Name
Tuxedo/Tuxedo II
Vanessa White/Chapter Two
Zonnique/Love Jones

◇◇◇
■ Bell Biv DeVoe/Three Stripes


 「ポイズン」「ドゥ・ミー!」をヒットで知られる、ニュー・エディションでも活躍したリッキー・ベル、マイケル・ビヴィンス、ロニー・デヴォーの3人組の2001年『BBD』以来約16年ぶりの新作。90年代R&Bシーンを盛り上げたSWVやボーイズ・II・メンがゲスト参加でサポート。

Bell Biv DeVoe - Run


■ Blaise Moore/Laurence


 カナダ・トロント出身のシンガーのデビューEP。物憂げでアンニュイなムードで覆われたアンビエントR&B指向のオルタナティヴなトラックが中心で、現在の時流を掴んでいる作品といえそう。艶やかなヴォーカルも魅力。

Blaise Moore - FRIENDS


■ Daye Jack/No Data


 ナイジェリア出身で米・ジョージア州アトランタを拠点とするダイエ・ジャックのアルバム。コンピュータエンジニアの腕もあり、スティーヴ・ジョブズを敬愛するという。ソウル、ヒップホップ、ハウスなどを横断する振り幅の広さが特色。フランク・オーシャン的な一面も。

Daye Jack - Casino


■ Drake/More Life


 ドレイクのネットラジオでドレイクの新曲を流したらどんなリストになるか、というコンセプトで制作したというプレイリスト的な作品。ジェニファー・ロペス「イフ・ユー・ハッド・マイ・ラブ」、ライオネル・リッチー「オール・ナイト・ロング」などを借用しながら、ミックステープ“以上”の新しい形に挑戦したといえるか。カニエ、2チェインズ、リル・ウェイン、サンファらが参加。

Drake & Rihanna - Fake Love


■ Ebhoni/Mood Ring


 こちらもカナダ・トロント出身、10歳よりYouTubeに楽曲を投稿していたという若き(17、8歳)女性シンガー・ソングライターのデビューEP。「キリング・ローズ」「ホワット・ユー・ウォント」といったシングルを収録。浮遊感ある儚げなトラックに包まれながら、内なるパッションを吐露するようなヴォーカルがスムース&セクシーな空間を構築。

EBHONI - KILLING ROSES


■ Jamiroquai/Automaton


 2010年の『ロック・ダスト・ライトスター』以来7年ぶりとなる8作目。「テクノロジーやオートメーション化によって人間的に人生を謳歌する方法を忘れてはいないか」という命題を掲げた一枚で、ジェイ・ケイとキーボードのマット・ジョンソンがプロデュース。それゆえ電子的な要素もあるが、基本のジャミロクワイ節は健在。

Jamiroquai - Automaton


■ Idrys Blck/Coconut Water


 北カリフォルニア出身、ロサンゼルスを拠点とするアイドリーズ・ジョンソンのプロジェクトによるデビューEP。フランク・オーシャンやザ・1975に影響を受けたようで、ミステリアスなトラップ・ビートに重心を寄せたR&B/ヒップホップ・スタイルは中毒性あり。

IDRYS BLCK - Dreamin'


■ Leela James/Did It For Love


 2005年の『ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム』でデビューし、圧倒的なソウルフル・ヴォイスで評価を高めてきたロサンゼルス出身のシンガー。『フォール・フォー・ユー』から3年ぶりの新作は、レディシ仕事で知られるレックス・ライダウトが多くの制作を担当。エリック・ベネイ「ユーアー・ジ・ワン」風の「ドント・ウォント・ユー・バック」がリード・シングル。デイヴ・ホリスターがゲスト参加。

Leela James - Don't Want You Back


■ Lupe Fiasco/Drogas Light


 フリースタイル曲でのラップがユダヤ人に対してのヘイトスピーチだと非難されて引退宣言するなど(その後撤回)、近年はあまり盛んな動きが見えなかったシカゴ出身のグラミー・ウィナー・ラッパーだが、赤字の“光”一文字を配したインパクトあるジャケット作で復帰。タイ・ダラー・サイン、リック・ロスらを迎え、派手さはないがシンプルなラップを繰り広げている。

Lupe Fiasco - "JUMP" feat. Gizzle


■ Maad/Le Funk



 モデルやDJもこなす、ニューヨークをベースに活動するシンガー・ソングライターのデビューEP。タイトルにも表われているように、シスター・スレッジ、シック、ドナ・サマー、ルーサー・ヴァンドロスなどの影響を受けたレトロなソウル/ファンク作風をノスタルジックなフィルターで料理。90年代R&B的要素もチラリ。

MAAD - Black Ice


■ Mila J/Milaulongtime


 プリンス「ダイアモンド・アンド・パールズ」のヴィデオに出演後、ギャルやデイム・フォーなどのグループを経てソロへ。オマリオンやマーカス・ヒューストンとの共演もある日系女性シンガー……というよりも、ジェネイ・アイコの実姉と言った方が早い、ミラ・Jことジャミーラ・アキコ・キロンボによるヴァレンタインに合わせて発表したミックステープ。ところどころリアーナを想わせる歌唱とムーディな展開が肝。

Mila J - Fuckboy


■ Omar/Love In Beats


 「ナッシング・ライク・ディス」のヒットでアシッド・ジャズ・ムーヴメントを席巻した〈トーキング・ラウド〉を中心に活動した英のレジェンド・ソウル・シンガーの3年半ぶりの新作。ロバート・グラスパー、リオン・ウェア、ステュアート・ゼンダー(元ジャミロクワイ)、ナタリー・ステュワート(フロエトリー)らが参加。

Omar - I Want It To Be


■ Sampha/Process


 フランク・オーシャン、カニエ・ウェスト、ドレイク、ソランジュ、チャンス・ザ・ラッパーらに見出されたとの惹句で注目される南ロンドン出身のR&Bシンガー/プロデューサーのデビュー作。透明性の高い洗練されたビート・プロダクションとやや霞がかるシルキーなヴォーカルで、オルタナティヴなソウルを奏でる。

Sampha - (No One Knows Me) Like The Piano


■ Stan Sono/Infatuated


 シカゴ出身のヴォーカリスト/プロデューサー、スタン・ソーノのデビュー作。耳に引っ掛かりながらもテンダーなヴォーカルワークと微かにエスニックな風合いのトラック、クールながらも生命力を感じるグルーヴで、ユニークな楽曲を創り上げている。

Stan Sono - Rewind


■ Stone Foundation/Street Rituals


 ソウルやジャズ、ファンク、アシッド・ジャズ、AORやロックまでをも包含するサウンドが魅力。ニール・ジョーンズを中心に結成された英・ウォーリックシャーのバンドのアルバム。ポール・ウェラーが制作&客演した「ユア・バルーン・イズ・ライジング」など、モッズやノーザン・ソウルの素地が垣間見られる一作。

Stone Foundation - Your Balloon is Rising ft. Paul Weller


■ Storie/Abstract Love Storie


 米・ワシントンD.C.出身のシンガーのプロジェクトの初EP。ネオソウルとR&Bとを往来しながらエレクトロニックなアプローチを施したようなハイブリッドでアーティスティックな楽曲が特徴。ヴェテラン・シンガーのような渋さやコクを感じさせるヴォーカルだが、19歳の新鋭。

Storie/Abstract Love Storie


■ Tiara Thomas/Don't Mention My Name


 ティアラ・トーマスは1989年生まれ、米・インディアナポリス出身のシンガー・ソングライターで、リアーナが客演したワーレイ「バッド」の別ヴァージョンに参加して、リコ・ラヴのレーベルからデビュー。哀愁漂うセンチメンタルなヴォーカルワークが印象的。5曲収録のアコースティックEP。

Tiara Thomas - Don't Mention My Name


■ Tuxedo/Tuxedo II


 メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンのファンク/ディスコ・プロジェクトが前作のヒットに気を良くしたか、2015年のデビュー作に続いて2ndアルバムをドロップ。前作同様にシックあたりのダンクラ/ディスコ・ブギー路線をしっかりと継続し、期待に違わないグッド・グルーヴを披露している。

Tuxedo - 2nd Time Around


■ Vanessa White/Chapter Two


 ヴァネッサ・ホワイトは2008年にデビューしたポップ・グループ、ザ・サタデイズの一員として活動後、2015年よりソロへ移行した英・ロンドンを拠点とするシンガー・ソングライター。2016年発表の90年代作風のEP『チャプター・ワン』の続編だが、今作ではオルタナティヴR&B色やチルアウト・モードが濃くなっている。

Vanessa White - Good Good


■ Zonnique/Love Jones


 2009年に始動した米ティーンエイジャー・グループ、OMGことオフィシャリー・ミス・ギルデッドのメンバーで、エクスケイプのタイニーの連れ子となるラッパーT.I.の娘、ゾニーク・プリンスのEP。リアーナとティナーシェあたりをミックスしたような、微かなサグ感とクールネスの妙が窺える歌唱に成長が見て取れる。

Zonnique - Patience


◇◇◇


















 以上です、キャップ。










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コメント一覧

野球狂。
ミラ・J
http://blog.goo.ne.jp/jt_tokyo
オマーは昔から泰然自若という感じですね。アシッド・ジャズ界隈で名を挙げましたけど、クラブにもレゲエにもソウルに寄せたとしても、自分の形は崩さないですから。

ミラ・Jはおっしゃるとおり、ギャルのメンバーでした。同じくギャルには姉のミヨコがいましたね。今だと元ギャルというより、ジェネイ・アイコの姉という立ち位置が強いですが。

ソロになってからは、オマリオンとかマーカス・ヒューストンと客演してたりしましたが、なかなか不遇でアルバム出せなかったようです。だからなのか、PVなどでは大胆になっちゃってますけど(笑)
Hide Groove
追加
野球狂。さん、OMARのこの安定感は何なんでしょう?酔っ払いが鼻唄歌ってるかのような、肩の力が抜けてる歌唱にSOULを感じる。
トラックも毎回お洒落でHIP HOPとの歩み寄りが絶妙な音色を醸し出してますよね。

Mila.J、彼女90年代に四人組のガールズグループGYRLのメンバーだった娘かな?
シングル二枚持ってますが、アリーアフォロアー的なサウンドと歌が、なかなか良かったグループでしたが、ソロで活躍してるんですね。
人違いだったらすみません。
野球狂。
ストレス落ちることを願って。
Hide Grooveさん、お忙しいところありがとうございます。読んでいただけるのは嬉しいですが、是非体調第一にしてくださいね。

リーラ・ジェイムスの新作はなかなか美味じゃないかと思います。ジャミロクワイは多少アレンジが異なってもやっぱりジャミロクワイでした(笑)

まだまだグッド・ミュージックを探せたらいいなと思ってますので、今後ともよろしくお願いします~。
Hide Groove
ご無沙汰です👍
野球狂。さん、仕事の忙しさで体力と精神面がギリギリの日々ですが、更新の度にちゃんと読んでましたよ!
今回もさすがに濃い内容ですね。
LEELA JAMESのSET ME FREEからの流れ、あまりに気持ちよくて溜まったストレスが流れ落ちていくようです。
ジャミロクアイ、近未来なSoundの中に相変わらずのファンキーなグルーヴがたまらん…💨

野球狂。さんのライヴレポート読みながら、
『いいな、行きたかったな』と感じながら音楽への愛情溢れるいつもながらの野球狂。さん節に、癒されております🎵
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