2017年に入ったかと思ったら、もう花見の季節。最近は相変わらず新譜などのチェックが滞ってばかりの今日この頃稲垣吾郎ですが、細木数子の本によれば、自分は今年から向こう3年間は大殺界らしく(というか、細木数子の本をたまに立ち読みするたびに「向こう3年は大殺界」と書いてあるので、自分はおそらく一生大殺界から逃れられない星のもとに生まれているんだと思います)、はたまた別なものでは天中殺でもあるらしいので、そんな状況では音源チェックなどままならないのも致し方ないということですね……。
そんな苦難の状況のなかでも、気になった音源をいくつかご紹介。全てじっくりと聴いてはいないので、全てがオススメという訳ではありませんが、何かしら食指が伸びるものがあれば幸いです。
ちなみに、最近は特に通勤の行き帰りはEspecia『Wizard』ばかり聴いています。はい。
ということで、どんと見据えて!(Don' miss it!)
◇◇◇
Bell Biv DeVoe/Three Stripes
Blaise Moore/Laurence
Daye Jack/No Data
Drake/More Life
Ebhoni/Mood Ring
Jamiroquai/Automaton
Idrys Blck/Coconut Water
Leela James/Did It For Love
Lupe Fiasco/Drogas Light
Maad/Le Funk
Mila J/Milaulongtime
Omar/Love In Beats
Sampha/Process
Stan Sono/Infatuated
Stone Foundation/Street Rituals
Storie/Abstract Love Storie
Tiara Thomas/Don't Mention My Name
Tuxedo/Tuxedo II
Vanessa White/Chapter Two
Zonnique/Love Jones
◇◇◇
■ Bell Biv DeVoe/Three Stripes
「ポイズン」「ドゥ・ミー!」をヒットで知られる、ニュー・エディションでも活躍したリッキー・ベル、マイケル・ビヴィンス、ロニー・デヴォーの3人組の2001年『BBD』以来約16年ぶりの新作。90年代R&Bシーンを盛り上げたSWVやボーイズ・II・メンがゲスト参加でサポート。
Bell Biv DeVoe - Run
■ Blaise Moore/Laurence
カナダ・トロント出身のシンガーのデビューEP。物憂げでアンニュイなムードで覆われたアンビエントR&B指向のオルタナティヴなトラックが中心で、現在の時流を掴んでいる作品といえそう。艶やかなヴォーカルも魅力。
Blaise Moore - FRIENDS
■ Daye Jack/No Data
ナイジェリア出身で米・ジョージア州アトランタを拠点とするダイエ・ジャックのアルバム。コンピュータエンジニアの腕もあり、スティーヴ・ジョブズを敬愛するという。ソウル、ヒップホップ、ハウスなどを横断する振り幅の広さが特色。フランク・オーシャン的な一面も。
Daye Jack - Casino
■ Drake/More Life
ドレイクのネットラジオでドレイクの新曲を流したらどんなリストになるか、というコンセプトで制作したというプレイリスト的な作品。ジェニファー・ロペス「イフ・ユー・ハッド・マイ・ラブ」、ライオネル・リッチー「オール・ナイト・ロング」などを借用しながら、ミックステープ“以上”の新しい形に挑戦したといえるか。カニエ、2チェインズ、リル・ウェイン、サンファらが参加。
Drake & Rihanna - Fake Love
■ Ebhoni/Mood Ring
こちらもカナダ・トロント出身、10歳よりYouTubeに楽曲を投稿していたという若き(17、8歳)女性シンガー・ソングライターのデビューEP。「キリング・ローズ」「ホワット・ユー・ウォント」といったシングルを収録。浮遊感ある儚げなトラックに包まれながら、内なるパッションを吐露するようなヴォーカルがスムース&セクシーな空間を構築。
EBHONI - KILLING ROSES
■ Jamiroquai/Automaton
2010年の『ロック・ダスト・ライトスター』以来7年ぶりとなる8作目。「テクノロジーやオートメーション化によって人間的に人生を謳歌する方法を忘れてはいないか」という命題を掲げた一枚で、ジェイ・ケイとキーボードのマット・ジョンソンがプロデュース。それゆえ電子的な要素もあるが、基本のジャミロクワイ節は健在。
Jamiroquai - Automaton
■ Idrys Blck/Coconut Water
北カリフォルニア出身、ロサンゼルスを拠点とするアイドリーズ・ジョンソンのプロジェクトによるデビューEP。フランク・オーシャンやザ・1975に影響を受けたようで、ミステリアスなトラップ・ビートに重心を寄せたR&B/ヒップホップ・スタイルは中毒性あり。
IDRYS BLCK - Dreamin'
■ Leela James/Did It For Love
2005年の『ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム』でデビューし、圧倒的なソウルフル・ヴォイスで評価を高めてきたロサンゼルス出身のシンガー。『フォール・フォー・ユー』から3年ぶりの新作は、レディシ仕事で知られるレックス・ライダウトが多くの制作を担当。エリック・ベネイ「ユーアー・ジ・ワン」風の「ドント・ウォント・ユー・バック」がリード・シングル。デイヴ・ホリスターがゲスト参加。
Leela James - Don't Want You Back
■ Lupe Fiasco/Drogas Light
フリースタイル曲でのラップがユダヤ人に対してのヘイトスピーチだと非難されて引退宣言するなど(その後撤回)、近年はあまり盛んな動きが見えなかったシカゴ出身のグラミー・ウィナー・ラッパーだが、赤字の“光”一文字を配したインパクトあるジャケット作で復帰。タイ・ダラー・サイン、リック・ロスらを迎え、派手さはないがシンプルなラップを繰り広げている。
Lupe Fiasco - "JUMP" feat. Gizzle
■ Maad/Le Funk
モデルやDJもこなす、ニューヨークをベースに活動するシンガー・ソングライターのデビューEP。タイトルにも表われているように、シスター・スレッジ、シック、ドナ・サマー、ルーサー・ヴァンドロスなどの影響を受けたレトロなソウル/ファンク作風をノスタルジックなフィルターで料理。90年代R&B的要素もチラリ。
MAAD - Black Ice
■ Mila J/Milaulongtime
プリンス「ダイアモンド・アンド・パールズ」のヴィデオに出演後、ギャルやデイム・フォーなどのグループを経てソロへ。オマリオンやマーカス・ヒューストンとの共演もある日系女性シンガー……というよりも、ジェネイ・アイコの実姉と言った方が早い、ミラ・Jことジャミーラ・アキコ・キロンボによるヴァレンタインに合わせて発表したミックステープ。ところどころリアーナを想わせる歌唱とムーディな展開が肝。
Mila J - Fuckboy
■ Omar/Love In Beats
「ナッシング・ライク・ディス」のヒットでアシッド・ジャズ・ムーヴメントを席巻した〈トーキング・ラウド〉を中心に活動した英のレジェンド・ソウル・シンガーの3年半ぶりの新作。ロバート・グラスパー、リオン・ウェア、ステュアート・ゼンダー(元ジャミロクワイ)、ナタリー・ステュワート(フロエトリー)らが参加。
Omar - I Want It To Be
■ Sampha/Process
フランク・オーシャン、カニエ・ウェスト、ドレイク、ソランジュ、チャンス・ザ・ラッパーらに見出されたとの惹句で注目される南ロンドン出身のR&Bシンガー/プロデューサーのデビュー作。透明性の高い洗練されたビート・プロダクションとやや霞がかるシルキーなヴォーカルで、オルタナティヴなソウルを奏でる。
Sampha - (No One Knows Me) Like The Piano
■ Stan Sono/Infatuated
シカゴ出身のヴォーカリスト/プロデューサー、スタン・ソーノのデビュー作。耳に引っ掛かりながらもテンダーなヴォーカルワークと微かにエスニックな風合いのトラック、クールながらも生命力を感じるグルーヴで、ユニークな楽曲を創り上げている。
Stan Sono - Rewind
■ Stone Foundation/Street Rituals
ソウルやジャズ、ファンク、アシッド・ジャズ、AORやロックまでをも包含するサウンドが魅力。ニール・ジョーンズを中心に結成された英・ウォーリックシャーのバンドのアルバム。ポール・ウェラーが制作&客演した「ユア・バルーン・イズ・ライジング」など、モッズやノーザン・ソウルの素地が垣間見られる一作。
Stone Foundation - Your Balloon is Rising ft. Paul Weller
■ Storie/Abstract Love Storie
米・ワシントンD.C.出身のシンガーのプロジェクトの初EP。ネオソウルとR&Bとを往来しながらエレクトロニックなアプローチを施したようなハイブリッドでアーティスティックな楽曲が特徴。ヴェテラン・シンガーのような渋さやコクを感じさせるヴォーカルだが、19歳の新鋭。
Storie/Abstract Love Storie
■ Tiara Thomas/Don't Mention My Name
ティアラ・トーマスは1989年生まれ、米・インディアナポリス出身のシンガー・ソングライターで、リアーナが客演したワーレイ「バッド」の別ヴァージョンに参加して、リコ・ラヴのレーベルからデビュー。哀愁漂うセンチメンタルなヴォーカルワークが印象的。5曲収録のアコースティックEP。
Tiara Thomas - Don't Mention My Name
■ Tuxedo/Tuxedo II
メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンのファンク/ディスコ・プロジェクトが前作のヒットに気を良くしたか、2015年のデビュー作に続いて2ndアルバムをドロップ。前作同様にシックあたりのダンクラ/ディスコ・ブギー路線をしっかりと継続し、期待に違わないグッド・グルーヴを披露している。
Tuxedo - 2nd Time Around
■ Vanessa White/Chapter Two
ヴァネッサ・ホワイトは2008年にデビューしたポップ・グループ、ザ・サタデイズの一員として活動後、2015年よりソロへ移行した英・ロンドンを拠点とするシンガー・ソングライター。2016年発表の90年代作風のEP『チャプター・ワン』の続編だが、今作ではオルタナティヴR&B色やチルアウト・モードが濃くなっている。
Vanessa White - Good Good
■ Zonnique/Love Jones
2009年に始動した米ティーンエイジャー・グループ、OMGことオフィシャリー・ミス・ギルデッドのメンバーで、エクスケイプのタイニーの連れ子となるラッパーT.I.の娘、ゾニーク・プリンスのEP。リアーナとティナーシェあたりをミックスしたような、微かなサグ感とクールネスの妙が窺える歌唱に成長が見て取れる。
Zonnique - Patience
◇◇◇
以上です、キャップ。
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