枯葉についてジュリーのひとりごと
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秋っていうのはなんとなく寂しい感じがしますね。
別れとか、ロスト・ラブなんていうことばがピッタリとあてはまるんじゃないかな。
都会生活をしていて、冷房のきいた建物の中にいると、
季節の微妙な移り変わりにも、鈍感になっちゃうんです。
たまたま、道を歩いていて、足もとを風に吹かれて、2、3枚の枯葉が、
コロコロところがっていくのをみると、ああ、もう秋なんだなぁって、気がつくんです。
僕が育った京都は、わりに緑が多いので、秋になると、
それこそ枯葉がいたるところにっていうわけ。
紅葉、落ち葉、枯葉、みんな同じようなものを表現しているのに―
枯葉っていうのはいちばん寂しい感じがしますね。
枯葉をかき集めて火をつけると白い煙がスゥーっと昇っていき、
そう、枯葉の一枚、一枚は“失われた恋”その恋のなきがらを燃やしているみたい―
あとに残るのは、燃えつきた灰、その灰も、風に吹かれていつの間にか散ってしまう。
おとなになると、どうも感傷的になるけど、子供のころの思い出っていうのは、
まるで逆のことです。
山なんかに遊びにいき、枯葉のカーペットの上を歩くと、カリッカリッと葉が、つぶれて、
まるで、すばらしい冒険に、これから出会うような感じがしたりしてね。
枯葉っていうのは人を思い出の世界に誘うんですね。
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女学生の友より