三河屋さんの場面のつづき
牟田さんが 思い出したように ゆうじさんの家の前に女性がいたことを告げ
遠くから ゆうじさんの家の前に立っている女性をみつめる4人のおじさんたち
ゆうじさん昔の恋人 遠くの姿じゃわからくて 顔が見えないから さっぱりって
どれどれって
そんなこんな おじさんたち競い合うようにしてじっと 遠くに立っている女性をみつめ
師匠ったら お酒が入ってるから? 足元すべっちゃった?
こけちゃったりしながら
こうなったら 行って確認しなきゃて
昔の恋人に逢うのに こんな格好じゃって ゆうじさん ようやくそんな気持ちになって
ばしっと決めたいところだけど見送りスーツは夏用だから
とりあえずそばにいるおじさんたちに服を借りようって
どてらを脱いだら あらまぁ りっぱなまあるぃカーブで
数年前のセンセイの鞄のお着替え場面は ラクダ色の冬用の肌着だったっけ
そんなに年齢いっていないゆうじさんだから白の薄い肌着
ラクダ色した腹巻のうえもまぁるいカーブだったかしら
師匠の着物は貸してもらえず 毛糸の帽子だけ借りて
斜めバージョンもあったけれど 最終公演は普通のかぶり方で
牟田さんのちっちゃなジャケット 前ボタンなどしめて
まぁるいカーブも30公演で 自信満々だから
のぶちゃんの前掛け付けられても いやいやすることもなく 両手あげて しっかりお相撲さんポーズなどして
毎回 ななめ歩きの後姿が うれしさを表していたのに
最終公演 客席が あんまり湧いちゃったから ゆうじさん 普通にまっすぐな歩き方で
師匠も 牟田さんも 三河屋ののぶちゃんも
ゆうじさんと女性のシルエットに小春さんと確信して 幕が下りて
それから季節が巡って