瓦礫と呼ばないでって言葉をどこかで目にしたけれど
その場所に そのカタチのあるものに
思い入れや思い出がないひとにとっては どけなくちゃならない瓦礫
その場所で生活をしてきたひとにとっては
カタチが崩れても 瓦礫じゃなくて
思い出のかけら
最近、読んだ本の中に
自分と思い出を重ねたひとの
写真や洋服を
ビニール袋に入れて ゴミとして処分をしたなんて
文字に
せめて 亡くなったひとの家族に届けてあげたらよかったのに
と
涙がこぼれたけれど
そのひとは 愛したひとの思い出をすぐに過去にして
思い出をゴミとして廃棄しなければ
前に進めなかったんだろうけれど
辛い出来事を経験したときに
そのことを思い出すようなカタチあるものに
目を背けて
前に進むタイプのひとも中にはいるだろうけれど
昨年、海沿いを走っているバスの中から 瓦礫の山をみつめて
今年 どこかで
瓦礫と呼ばないでって言葉を目にして
そして
今年
ふたつの思いで
被災地の通りを 踏みしめて
家族の思い出の詰まった寫眞館を
その場所が記憶に残っていないひとは複雑な思いで
みつめることになって
ビルの壁面から取り壊しをみつめて
津波で錆びた階段のそばには カラフルなマンホールの蓋
川開きの花火と漫画館の図柄
震災から5ヶ月後に営業再開した石巻グランドホテル
川開きに間に合うようにって
副支配人の方が語ってくれたり
震災の日から
数か月後に復興した駅周辺の風景もあるけれど
駅から離れた 川に近い場所の通り
あれから2年3ヶ月経っても いろんな現実
寫眞館の前の歩道は 震災後 修復されたけれど
シャッターが閉まっている建物もいっぱい
通りも 修復されたあとが いっぱい
通りの向こうの呉服屋さんは 修復が済んで 営業中
てくてくしながら あの日の出来事
通りの向こうのお店
あそこで店番しているひとはね
って
あの日
1階で店番していて
お店の大きなガラスが割れていきなり津波がおそってきて
あっという間もなく1階部分が水没して
2階へ行く奥にある階段が なかなかみつけられなく
たいへんな思いで 2階へ逃げたそう
あの日の出来事と 元気で店番している今を見れて
自分の力では
取り壊すこともできない建物
赤い文字で数字がついて
市で取り壊してくれるのを待ってる建物も
震災前に キレイになった通りもあったり
1階部分が水没した場所の風景
修復終えて 営業再開しているそばに
まだ あのときから時間が進んでいないシャッターの風景
この通りは 修復のあとがいっぱいだったり
ここは 取り壊しも終わって 広い更地になって
横断歩道を渡った先に津波襲来の地の文字
橋のそばの橋通り
津波の跡を 日々目にしながら 前に進んでいるひともいっぱい
西内海橋から
川開きの花火をみつめたときの
遠い記憶のエピソードも 語ってくれて
雨がふったりやんだりしながら
まだまだ 会長さんと一緒に 生まれ故郷の記憶のない風景みつめて