シャンチー(中国象棋)の日本一を決定する第45回全日本シャンチー選手権大会は、5月3日・4日、東京・目黒区民センターで開催され、グエン・チ・チュン選手が決勝で所司和晴選手を破って2年連続優勝を果たしました。
主催:日本シャンチー協会
後援:中国大使館文化部、東京華僑総会、公益社団法人日中友好協会、公益財団法人日中友好会館
◎戦況
◆A級
第4R
グエンが服部亜光を、所司が徐光亜を倒してともに4連勝。服部は一歩後退、岡田蒸、楊帆、井上奈智とともに3勝1敗で後を追う展開に。
第5R
グエンが所司との全勝対決を制し、第6Rを待たずに決勝進出を決める。服部は楊帆を下して、第6Rに決勝進出の望みをつなぐ。
第6R
決勝進出をかけた服部vs所司戦は所司が勝って、2年ぶりの王座への挑戦権を獲得。服部の悲願達成はまたもや夢に。
第7R
グエンの連覇なるか、所司が2年ぶりに王座奪還か、会場の興奮は最高潮に。グエンが勝って2年連続優勝を達成。
◆B級
第5Rを終わって、田中幸吉、熊野和伸、小糸英樹、森本浩太朗が8ポイント(4勝1敗)で並ぶ大混戦。第6Rを制した田中、小糸による決勝戦へ。決勝は田中が勝って、2006年以来12年ぶりの優勝を果たす。
【入賞者】
◆A級(21名)
優勝:グエン・チ・チュン(東京) 2位:所司和晴(千葉) 3位:岡田蒸(東京) 4位:楊帆 5位:可児宏暉(岐阜) 6位:田中篤(青森)
◆B級(13名)
優勝:田中幸吉(埼玉) 2位:小糸英樹(東京) 3位:佐久間寛明(埼玉) 4位:熊野和伸(東京) 5位:森本浩太朗 6位:城戸弘斎(神奈川)
A級・B級とも、第6Rまでの暫定1位・2位による決勝戦を行う「6+1」方式は全日本選手権にすっかり定着しました。
もともとこの全日本選手権は、1991年の18回大会まで「ノックアウト方式(高校野球方式)」で行われていました。しかし、1年間努力しても初戦で強豪と当たってしまえばその努力が無になってしまい、かつシャンチーで重要な要素である和(ドロー)を無視するような競技方法は、日本のシャンチー界の進歩を妨げるとして、92年から2日制のスイス式が導入されました。
スイス式導入時以来、タイブレーク(同ポイントのプレーヤーの順位決定方法)には「対手分」(対戦相手の総ポイント、=ソルコフ)が採用されていましたが、2011年から「累進分」(各ラウンドのポイントの総和、=プログレッシブ・スコア)が採用されました。自分の順位が他人の勝敗によって左右されない、最終ラウンドですべての対局が終わるのを待たずに簡単に計算できるという利点に着目したものでした。
この「累進分」方式は利点もありましたが、最終ラウンドを待たずに優勝者が決まるケースが「対手分」方式よりも多くなるということが分かりました。最終ラウンドが「消化試合」化してしまうことが多くなったのです。
そこで2014年から現行の「6+1」が導入されました。これによって、「優勝決定の瞬間」が目に見えるようになり、最終戦がより劇的なものとなりました。
このように全日本選手権は「2日制、スイス式」の基本は守りながら、改良が加えられているのです。
今年の大会で特筆すべきことは、A級で史上初めてノンチャイニーズ・ノンベトナミーズプレーヤー(NC/NV)が3名入賞したことです。2013年に所司和晴、佐藤僚介両選手の入賞以来、“純国産”プレーヤーの入賞は所司選手1人という時代が続きましたが、今年はそれに終止符を打つだけでなく、史上初めての3名入賞となりました。5位可児選手は後半4ラウンドを3勝1敗、6位田中選手は同3勝1和と、ともに後半の追い込みで全日本選手権初入賞を果たしました。

B級優勝の田中(左)、A級優勝のグエンの両選手

所司選手の王座奪還ならず、右はB級2位の小糸選手

左からA級6位田中、4位楊帆、2位所司、小熊理事長、優勝グエン、3位岡田、5位可児の各選手

左から4位熊野、6位城戸、2位小糸、理事長、優勝田中、3位佐久間、5位森本の各選手

A級星取表

B級星取表

表彰式終了後の懇親会
主催:日本シャンチー協会
後援:中国大使館文化部、東京華僑総会、公益社団法人日中友好協会、公益財団法人日中友好会館
◎戦況
◆A級
第4R
グエンが服部亜光を、所司が徐光亜を倒してともに4連勝。服部は一歩後退、岡田蒸、楊帆、井上奈智とともに3勝1敗で後を追う展開に。
第5R
グエンが所司との全勝対決を制し、第6Rを待たずに決勝進出を決める。服部は楊帆を下して、第6Rに決勝進出の望みをつなぐ。
第6R
決勝進出をかけた服部vs所司戦は所司が勝って、2年ぶりの王座への挑戦権を獲得。服部の悲願達成はまたもや夢に。
第7R
グエンの連覇なるか、所司が2年ぶりに王座奪還か、会場の興奮は最高潮に。グエンが勝って2年連続優勝を達成。
◆B級
第5Rを終わって、田中幸吉、熊野和伸、小糸英樹、森本浩太朗が8ポイント(4勝1敗)で並ぶ大混戦。第6Rを制した田中、小糸による決勝戦へ。決勝は田中が勝って、2006年以来12年ぶりの優勝を果たす。
【入賞者】
◆A級(21名)
優勝:グエン・チ・チュン(東京) 2位:所司和晴(千葉) 3位:岡田蒸(東京) 4位:楊帆 5位:可児宏暉(岐阜) 6位:田中篤(青森)
◆B級(13名)
優勝:田中幸吉(埼玉) 2位:小糸英樹(東京) 3位:佐久間寛明(埼玉) 4位:熊野和伸(東京) 5位:森本浩太朗 6位:城戸弘斎(神奈川)
A級・B級とも、第6Rまでの暫定1位・2位による決勝戦を行う「6+1」方式は全日本選手権にすっかり定着しました。
もともとこの全日本選手権は、1991年の18回大会まで「ノックアウト方式(高校野球方式)」で行われていました。しかし、1年間努力しても初戦で強豪と当たってしまえばその努力が無になってしまい、かつシャンチーで重要な要素である和(ドロー)を無視するような競技方法は、日本のシャンチー界の進歩を妨げるとして、92年から2日制のスイス式が導入されました。
スイス式導入時以来、タイブレーク(同ポイントのプレーヤーの順位決定方法)には「対手分」(対戦相手の総ポイント、=ソルコフ)が採用されていましたが、2011年から「累進分」(各ラウンドのポイントの総和、=プログレッシブ・スコア)が採用されました。自分の順位が他人の勝敗によって左右されない、最終ラウンドですべての対局が終わるのを待たずに簡単に計算できるという利点に着目したものでした。
この「累進分」方式は利点もありましたが、最終ラウンドを待たずに優勝者が決まるケースが「対手分」方式よりも多くなるということが分かりました。最終ラウンドが「消化試合」化してしまうことが多くなったのです。
そこで2014年から現行の「6+1」が導入されました。これによって、「優勝決定の瞬間」が目に見えるようになり、最終戦がより劇的なものとなりました。
このように全日本選手権は「2日制、スイス式」の基本は守りながら、改良が加えられているのです。
今年の大会で特筆すべきことは、A級で史上初めてノンチャイニーズ・ノンベトナミーズプレーヤー(NC/NV)が3名入賞したことです。2013年に所司和晴、佐藤僚介両選手の入賞以来、“純国産”プレーヤーの入賞は所司選手1人という時代が続きましたが、今年はそれに終止符を打つだけでなく、史上初めての3名入賞となりました。5位可児選手は後半4ラウンドを3勝1敗、6位田中選手は同3勝1和と、ともに後半の追い込みで全日本選手権初入賞を果たしました。

B級優勝の田中(左)、A級優勝のグエンの両選手

所司選手の王座奪還ならず、右はB級2位の小糸選手

左からA級6位田中、4位楊帆、2位所司、小熊理事長、優勝グエン、3位岡田、5位可児の各選手

左から4位熊野、6位城戸、2位小糸、理事長、優勝田中、3位佐久間、5位森本の各選手

A級星取表

B級星取表

表彰式終了後の懇親会