オルセーのナビ派展
美の預言者たち-ささやきとざわめき
2017年2月4日~5月21日
三菱一号館美術館
オルセーのナビ派展を訪問する。
ブロガー・特別内覧会以来、2回目の訪問である。
そして、エドゥアール・ヴュイヤール《公園》に感嘆する。
そのことについては、既に記事を掲載したところ。
もう一つ、ボナールの初期作品が実に魅力的であることを知る。
本展では、ボナールの1890年代の作品、ナビ派であった時代の作品が、10点強展示される。
後年の暖かい・明るい系とは異なる地味系の色彩の、オルセー美術館所蔵の優品が、同時代のナビ派作品に囲まれるなか、「日本かぶれのナビ」として輝いている。
一番のお気に入り作品
《庭の女性たち》4点連作
1890-91年
《白い水玉模様の服を着た女性》
《猫と座る女性》
《ショルダー・ケープを着た女性》
《格子柄の服を着た女性》
春夏秋冬の庭と女性とその衣装。平面性、装飾性、日本的要素。実に素晴らしい。
次点として2点。
《黄昏(クロッケーの試合)》
1892年
画家の家族がモデル。
そして、ナビ派の画風から脱却したことを示すという、大画面の作品。
《ブルジョワ家庭の午後》
1900年
139×212cm
これも画家の家族がモデル。
上記以外の出品作について。
エロチックな《ベッドでまどろむ女(ものうげな女)》1899年や、本展のメインビジュアル《格子柄のブラウス》1892年もよい。
よいのだけれども、次の小品2点も、画面が暗い分「親密さの詩情」が増していて、たいへんよい。
《親密さ》
1891年
《ランプの下の昼食》
1898年
1912年の作品《猫と女性》は、私がこれまでイメージしていた「色彩」のボナールである。
一度、ボナールの初期作品の魅力を認識すると、国立西洋美術館で常設展示中の作品も、急に輝き始めて見える。
ボナール
《座る娘と兎》1891
国立西洋美術館(常設展示中)
↑ 国立西洋美術館の常設展にて撮影。
これからのボナール作品鑑賞が楽しみである。
*会場内の画像は、ブロガー・特別内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。