ロンドンのナショナル・ギャラリーへ行ってみたい。
ルネッサンスから19世紀末までの西洋美術の歴史をたどりつつ、数々の傑作を堪能したい。
手元にある20年ほど前に発刊された所蔵作品約250点を紹介した本に基づき、これだけはどうしても見てみたいという作品を、絞りに絞って選んでみました。
1 ボッティチェリ「神秘の降誕」
2 ピエロ・デッラ・フランチェスカ「キリストの洗礼」
3 ピエロ・デッラ・フラ . . . 本文を読む
『消えたカラヴァッジョ』(岩波書店)を再読しました。
きっかけは、本屋で『カラヴァッジョ 灼熱の生涯』(白水社)の新装版を見かけたこと。
石鍋氏による新装版あとがきに、初版刊行(2000年)以降の日本におけるカラヴァッジョを巡る状況が述べられており、本書の紹介もありました。
「賛嘆すべき取材をもとに書かれた、類を見ない美術史研究のドキュメント(編集者と訳者に真の価値と面白さが理解されていないこと . . . 本文を読む
カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」を見れるのも、残すところ2週間余り。
過去に日本で公開されたカラヴァッジョ作品がどれだけあるのだろうかと、「カラヴァッジョ 光と影の巨匠-バロック絵画の先駆者たち」展図録をもとに調べてみました。
結果は次のとおり。
1 「フランスを中心とする17世紀ヨーロッパ名画展」(1966年、東京国立博物館)
◎ アロフ・ド・ヴィニャクールの肖像 <ルーブル美術館>
※ . . . 本文を読む
「ボルゲーゼ美術館展」は残すところ2週間余り。
ところで、過去に日本で公開されたボルゲーゼ所蔵作品はどの程度あったのでしょうか。
といっても、網羅的に調べる手段を知りませんので、わかる範囲ということで、2001年開催の2つの展覧会を対象に書かせてもらいます。
2001年は、「日本におけるイタリア2001年」として、イタリア美術を堪能できる貴重な展覧会が多く開催されています。そのときボルゲーゼ . . . 本文を読む
2月20日から6月13日の期間、ローマのScuderie del Quirinaleにて没後400年を記念した「カラヴァッジョ展」が開催されています。
行きたいけれど、その期間にまとまった休みが取れそうもない、せめてカタログを。
と、数年前からたまに利用しているイタリアのLibro Co.にネットで予約注文し、昨日手元に届きました。
カタログ掲載作品は、すべてカラヴァッジョで以下の26作品です . . . 本文を読む
東京都美術館で開催中の「ボルゲーゼ美術館展」も残り3週間となりました。
出品作48点中、カラヴァッジョの次に見るべき作品として、ベルニーニ『シピオーネ・ボルゲーゼの肖像』をあげます。入場して最初の部屋に飾られています。
石鍋真澄氏の著作『ベルニーニ』から、本作品にかかる記述を抜粋させてもらいます。
「優れた肖像にはモデルの人間性だけでなく、モデルと作者の人間関係までもが表現されるものである。 . . . 本文を読む
Bunkamuraで開催中の「レンピッカ」展に行ってきました。
レンピッカといえば、作品を見たことはなかったのですが、昔、リブロポートから出ていた画集(他にシリーズでオキーフやフリーダ・カーロがあった。)を本屋でパラパラめくったことがあり、名前と画風は頭に残っていました。そのため、今回の回顧展には早々に行ってみました。
プロローグが、“レンピッカ”以前。意外に見ごたえあります。中国人、女占い師 . . . 本文を読む
「長谷川等伯」展に行ってきました。
私は日本美術には疎いです。ここ数年は、東京国立博物館での特別展には足を運ぶようにはなってきましたが、基本的な知識にも不足しています。
ただ、本展については、ぜひ行って見たいと思っていました。
「没後400年」記念といえば、カラヴァッジョと同じだし、また、2008年に同じく東京国立博物館で開催された「対決」展(すばらしかった。会場にいる間ずっとハイテンションで . . . 本文を読む
国立新美術館で開催中の「ルノワール-伝統と革新」展に行ってきました。
ルノワールは、個人的には、作品によって退屈なものと無条件に引き込まれてしまうものとの差が大きい、当たり外れの多い画家です。
今回の展覧会は、作品が映えるよう展示も工夫されているのでしょうか、引き込まれる部類の作品が多く、楽しい時間を過ごすことができました。
特に楽しんだのが、
「アンリオ夫人」(ワシントン・ナショナル・ギャ . . . 本文を読む
先の日曜日、「フランク・ブラングィン展」に行ってきました。
期待していませんでした。これまで美術館前を通るたびに、こんな冴えない作品を宣伝看板に使っているくらいだから期待できないと思ってました。名前も知らなかったし。
しかし、行ってよかった。
「海賊バカニーア」、「りんご搾り」、「ラージャの誕生日の祝祭」、「真鍮雑貨店」等。
特に看板に使われていた「海賊バカニーア」。“どきつい”色彩が主題によ . . . 本文を読む