東京でカラヴァッジョ 日記

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楽しみ!!2025年の国立西洋美術館の企画展

2024年12月11日 | 展覧会情報
 
楽しみ!!2025年の国立西洋美術館の企画展。
3つの企画展が予定されている。
 
 
西洋絵画、どこから見るか? ー ルネサンスから印象派まで
サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館
2025年3月11日〜6月8日
 
 
スウェーデン国立美術館 素描コレクション展
 ー ルネサンスからバロックまで
2025年7月1日〜9月28日
 
 
オルセー美術館所蔵
印象派 ー 室内をめぐる物語
2025年10月25日〜2026年2月15日
 
 
 
春は、「西洋絵画、どこから見るか? 」展
 
 米国・サンディエゴ美術館からの49点、国立西洋美術館からの39点、計88点の出品。
 さらに、ゴヤやアングルなどのサンディエゴ美術館所蔵作品5点が、常設展示室に並ぶ予定だという。
 
 最初に見た本展チラシでは、スペインのボデゴン(静物画)、フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》と、国立西洋美術館所蔵のマリー=ガブリエル・カペ《自画像》の2点のみが掲載されていた。
 
 コターン作品には期待!
 であるが、全体としては寂しめなんだろうなあ。
 と思っていたが、直近の本展公式サイトを見てびっくり!
 
 ジョット、ジョルジョーネ、スルバラン、マリー=ギユミーヌ・ブノワ、さらには
 
カルロ・クリヴェッリ
《聖母子》1468年頃
 
 2020年のロンドン・ナショナル・ギャラリー展、2021-22年のメトロポリタン美術館展に続き、クリヴェッリの素晴らしい作品を見ることができるとは。
 
 現在、手持ちのクリヴェッリ画集で、本作品の図版にうっとり見惚れている状況。
 
 突然のクリヴェッリ来日シリーズの到来、今後も継続してほしいもの。
 
 久々の海外所蔵品による西洋古典絵画(オールドマスター)の展覧会。大いに楽しみにしている。
 なお、本展は京都に巡回するが、同じコンセプトなのだろうか。
 
 
 
夏は、「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展」
 
デューラーもルーベンスもレンブラントも。
偉大な芸術家はまた卓越した素描家でもある
 
 本展公式サイトには、出品作6点の素描の画像が掲載されている。
 
 デューラーの素描《三編みの若い女性の肖像》に期待!
 レンブラントの素描の画像は掲載されているが、ルーベンスのそれは掲載されていないなあ。
 公式サイトに掲載されていないが、ポントルモの素描《女性の肖像のための習作》も出品されるようだ。
 
 私的に来日期待の素描。
 
ドメニコ・ギルランダイオ
《老人の頭部》1490年頃
 ルーヴル美術館所蔵のドメニコ・ギルランダイオ《老人と孫》1490年頃に描かれる老人と同じモデル。
 宣伝素材には向かないだろうから期待し続けているのだが、スウェーデン国立美術館の素描部門の至宝であろうから難しいだろうなあ。
 
 
 
秋から冬は、「印象派 室内をめぐる物語」展
 
室内をめぐる、印象派のもうひとつの魅力
オルセー美術館のコレクション、約10年ぶりの大規模来日
 
 国立西洋美術館で2年連続となる、パリの美術館所蔵作品による大規模な印象派展。
 
 本展のメインビジュアル、初来日であるという大型サイズの作品。
 
エドガー・ドガ
《家族の肖像(ベレッリ家)》
1858-69年、201.0×249.5cm
 
 本展について、私的には、このドガの作品で満足、プラスアルファで素敵な作品が出品されるなら儲けもの、という感じ。
 
 
 
 さて、2025年は、これら以外にも、どんな西洋美術を見ることができるのだろうか。
 芸術新潮2025年1月号『これだけは見ておきたい 2025年美術展ベスト25』を初入手。
 また、例年どおり、『日経おとなのOFF 2025年絶対見逃せない美術展(日経トレンディ2025年1月号増刊)』も入手予定。


2 コメント

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クリヴェッリの聖母子 (むろさん)
2024-12-12 00:45:14
ボッティチェリの次にフィリッポ・リッピ、フィリッピーノ・リッピ、クリヴェッリ、カラヴァッジョが好きな私としては、(10日ぐらい前に知った)サンディエゴの聖母子来日の情報に驚き、現在は伊語版の本などの手持ち資料の日本語訳(スキャナー取り込み&翻訳サイトの利用)を進めているところです。

「手持ちのクリヴェッリ画集で、本作品の図版にうっとり見惚れている状況」と書かれていますが、私の知る範囲でこの作品のカラー図版はZampettiのカタログレゾネ1986、R. Lightbownの研究書2004、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館特別展Ornament & Illusion展図録2015の3冊しかなくて、Anna BoveroのRizzoliカタログ1975や日本語で書かれた本3冊(吉澤京子トレヴィㇽ画集1995、石井曉子 マルケに埋もれた祭壇画の詩人 講談社2008、同氏 カルロ・クリヴェッリの祭壇画2013)にはカラー図版は出ていません。
私が把握していない本かもしれないので、何をご覧になってうっとりされているのかを教えてください。

なお、このサンディエゴの聖母子は、2020年のLNGの受胎告知、2022年のMet展の聖母子とも傾向が違う署名入りの初期の傑作であり、この2作以上に期待しているところです。上記のZampettiやAnna Boveroはヴェローナにあるごく初期の作品である「受難の聖母」と同時期の1460年頃としていますが、これらより新しいOrnament & Illusion展図録では諸々の理由からこれより少し後の1468年頃としていて、今回の展覧会の特別サイトでもその制作年を採用しています。クリヴェッリの署名を比較研究した論文(早稲田大学美術史研究15冊1978カルロ・クリヴェッリの署名―最晩年の作品の制作年推定 篠塚二三男)では、署名の形式から「1472~3年頃」としていて、諸説あるようなので、このへんもこれから確認していこうと思っています。
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Unknown (k-caravaggio)
2024-12-12 12:45:34
むろさん様
コメントありがとうございます。
ご照会の件、手持ちの画集は記載いただいている2015年の特別展図録です。
クリヴェッリの初期作品ですね。署名も気になっていたところでしたので、ご紹介いただいた篠塚二三男氏の論文を入手すべく手配中です。いつもありがとうございます。
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