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2017年秋、日本美術の大型企画展の入場者数確認

2017年12月11日 | 展覧会情報

   2017年も残りあとわずか。1年を振り返る季節がやってきた。

 
 
   11/28付のArt Annual onlineによると、2017年の美術展の入場者数トップ4が、ほぼ確定となったようである。
 
1位:ミュシャ展
2017年3月8日〜6月5日
国立新美術館
入場者数:657,350人
 
2位:国宝
2017年10月3日〜11月26日
京都国立博物館
入場者数:624,500人
 
3位:運慶
2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館
入場者数:600,439人
 
4位:草間彌生
2017年2月22日〜5月22日
国立新美術館
入場者数:518,893人
 
 
 
   ちなみに、12/17まで開催中、会期初日から1時間の入場待ち行列が発生、開館時間を延長(当初:毎日10-17時→現在:毎日9-20時)も、週末は3時間待ちが常時発生する、2017年の待ち行列ナンバー1の展覧会「怖い絵展」。
   12/2に30万人を突破した入場者数は、最終的には40万人程度の見込みと、待ち行列の割には、会期日数も決して短くないのに、突出する数字にはならない。人気とキャパシティのアンバランスによる待ち行列、来秋のフェルメール展が不安。
 
 
 
   ところで、2017年秋は、日本美術の大型企画展が東京、京都、大阪、福岡で開催され、いずれも大盛況。総じて会期日数が少ない日本美術展、1日あたりの入場者数で見ると、順位も変わってくる。
 
 
   ミュシャ展と草間彌生展。
 
ミュシャ展
2017年3月8日〜6月5日
国立新美術館
会期:79日間
入場者数:657,350人
1日あたり入場者数:8,321人
 
 
草間彌生展
2017年2月22日〜5月22日
国立新美術館
会期:80日間
入場者数:518,893人
1日あたり入場者数:6,486人
 
 
 
   これに対する日本美術の大型企画展。
 
 
国宝
2017年10月3日〜11月26日
京都国立博物館
会期:48日間
入場者数:624,500人
1日あたり入場者数:13,010人
 
 
運慶
2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館
会期:55日間
入場者数:600,439人
1日あたり入場者数:10,917人
 
 
大英博物館国際共同プロジェクト
北斎  -富士を超えて-
2017年10月6日〜11月19日
あべのハルカス美術館
会期:40日間
入場者数:266,168人
1日あたり入場者数:6,654人
 

新・桃山展
大航海時代の日本美術
2017年10月14日〜11月26日
九州国立博物館
会期:38日間
入場者数:87,413人
1日あたり入場者数:2,300人
 
 
順位は、
 
1位:国宝展   13,010人
2位:運慶展   10,917人
3位:ミュシャ展   8,321人
4位:北斎展   6,654人
5位:草間彌生展   6,486人
 
 
   国宝展が堂々の1位で、北斎展が草間彌生展を上回って4位になる。
 
 
   さて、毎年脅威の1日あたり入場者数を記録する正倉院展と比較するとどうか?
 
 
第69回正倉院展
2017年10月28日〜11月13日
奈良国立博物館
会期:17日間
入場者数:217,053人
1日あたり入場者数:12,767人
 
 
   国宝展が正倉院展を上回った!
 
   2016年、東京都美の若冲展が同年開催の正倉院展を上回り、それは7年ぶりのことだったが、2017年も2年連続して正倉院展を上回る美術展が出たこととなる。
 
 
 
   ところで「怖い絵展」、入場者数40万人とすると、会期日数は72日間なので、1日あたり入場者数は5,555人の計算となる。やはり来秋のフェルメール展が不安。日時指定入場制がどのような制度となるのか気になるところ。
 
 
   さて、2018年の予想。
 
   待ち行列必至のフェルメール展とムンク展は会期が年をまたぐので除外する。
 
   西洋美術では、国立新美術館「至上の印象派ービュールレ・コレクション」展、日本美術では、東博「名作誕生-つながる日本美術」展がトップと予想。私的には東博「縄文」展がどこまでいくのか注目。
 
 
 
参考
2006~2017年の1日あたり入場者数ランキング(暫定版)

1位:2009年:15,960人/日
国宝 阿修羅展(東博)

2位:2016年:14,395人/日
若冲展(東京都美)

3位:2017年:13,010人/日
国宝(京博)

4位:2008年:12,762人/日
薬師寺展(東博)

5位:2010年:12,116人/日 
長谷川等伯(東博)

6位:2017年:10,917人/日 
運慶(東博)

7位:2009年:10,757人/日
オルセー美術館展2010(国立新美)

8位:2012年:10,573人/日 
マウリッツハイス美術館展(東京都美)

9位:2009年:10,434人/日
国宝 阿修羅展(九州博)

10位:2015年:10,338人/日 
マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展(東京都美)

11位:2007年:10,071人/日 
レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像(東博)

12位:2008年: 9,531人/日 
対決−巨匠たちの日本美術(東博)

13位:2009年: 9,473人/日 
皇室の名宝(東博)

14位:2007年: 9,273人/日 
モネ展(国立新美)

 
(注)奈良博の正倉院展は含まない。
(漏れ・誤りがあればご容赦ください。)
 


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